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49話 戦いの跡

「ふう、とりあえずはこれでいいな」

 

 自分の服を破いて止血をする。一旦はこれでいいだろう。本当はもっと丁寧に処置をしたかったがルナが戦っているのに呑気にしていられない。


「後は......」


 オレはツノを生やした男、トランと言ったか。そいつの方を向く。


「......」

 

 トランは顎を腫らして気絶したままだ。トランの剣に着いた血を見たことで思いついた爆発で起こした粉塵を体の表面に付着させて姿を捉えるという「作戦」が上手くいき、余裕が出来たので生け捕りにした。意味深な発言やそもそもの正体。トランに聞きたいことはいくらでもある。


 早速尋問と行きたいところだが......前述の通りルナが戦っている最中だ。即刻加勢に行かなければならない。今はササっと拘束してここに置いていこう。

 

 オレがそう思いトランに近づこうと歩みを進め始めた途端、トランの体が光り始めた。


 これはスカイアリゲターが出てきた時と同じ光......!オレは警戒して臨戦態勢になり距離をとる。


「残念だが時間切れみてえだな......」

 トランが目を覚まし、現状に理解した風に喋り始める。


「なんのことだ......!」

「一旦退いてやる。だが覚えてろ。お前は必ずオレが殺す」


 トランはオレの言葉を無視して喋る。


 発言の内容を素直に聞くなら......逃げるのか?あの光の性質が分からないが仮に「ワープ」をするものだとすればそれを利用して逃げるのだろう。実際合流した後に聞いたドラゴンの発言もあの光の性質が「ワープ」に属するものだと考察できるものだった。


 ならこのまま逃すわけにはいかない......!尋問は出来なくなるがこの場で殺す!


 オレがすぐさま発炎刀を構えてトランの方へ詰める。


「判断が遅かったな」


 あと少し発炎刀がトランの首を裂いたというところでトランは光に包まれて消えた。透明化しているわけでもなさそうだ。


 オレはトランに完全に逃げられてしまったのだ。


「クソっ......!」


 ただ一人悪態をついた。だがトランが逃げたなら最悪それでもいい。一旦危険は退けられたのだ。ならばすぐさまルナの方へ向かおう。


 オレは決戦の舞台であった家を出て走り始めた。距離はそんなに遠くない。すぐに着くだろう。


 そう、実際に距離は大して離れておらずすぐにそこに着いた。そこでオレは見た。


 光から出てきたスカイアリゲター達の姿は既にそこにはなく、瓦礫は相変わらず散乱している。だが明らかな違和感。そこには新たな大規模な戦いの跡があった。

 

 そしてその惨状の中心に二人はいた。


 オレは見た。

 ルナが大怪我を負い倒れ、その隣でドラゴンも倒れているその惨状を。

 

 物語は少し遡る。

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