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17話 ルナ‘sキッチン(笑)

「こことか良さそうだな」


 クロウド君は壁の洞穴を指差して言った。差した方と逆の手には、フットフィッシュと言ったか。あの気持ち悪い魚の足を握っている。あれからもう二匹釣り、調理するための場所を探していたのだ。


 クロウド君は洞穴の入り口に釣りの時したように埋めた枝を伸ばして自然のカーテンを作った。


 そのカーテンをかき分けて洞穴の中に入る。中は意外に広く調理するのにも丁度いい広さだった。


「ほんとに食べるんですかこれ」


 自分が持っている分のフットフィッシュを見て文句を垂れる。めちゃくちゃ気持ち悪くてしかもモンスター。クロウド君がイマイチ煮え切らなかった理由が分かった。これを食べるってことが言いづらかったんだ。


「ルナ、よく聞いてくれ」


 クロウド君は私の肩に手を置きいつにない真面目な眼差しで向き合ってきた。ちょっとドキドキ。


「どんなに見た目が悪くてもな、胃に入れば全部一緒だ」


 ......真面目な顔でしょうもないこと言うのやめてほしい。


 でもまあ案外真理かもしれない。正直今は贅沢言ってられる状況じゃないし足さえ切れば見た目は普通の魚だ。


 普通の青魚って感じでちょっと美味しそう。


「分かりました、贅沢言ってられませんよね」


「分かってくれたか!」


 クロウド君はニッと笑う。まあこちらとしてもあまり迷惑をかけるわけにもいかないし。


 それにポジティブに考えたらいい機会かもしれない。モンスターを食べたことある人間なんてそういないだろうしね。うんうん貴重な体験!


「じゃあ早速調理しましょう!足は勿論剥ぐんですよね?」


「いや、剥ぐのは体の部分だぞ」


 ?。どういうこと?それって意味は違うの......?


 ......まさか!


「あの、一応聞いとくんですけど、食べるのはこの魚の部分ですよね?体の部分ですよね?」


 恐る恐る聞く。まさかそんなわけない。フットフィッシュの毛が生えたリアルな足をチラリと見る。まさかこっちを食べるなんて......


「いや、魚の部分は毒あるから食うのは足だぞ」

 

 イヤーー!心の中で叫び現実では絶句した。この足食べるとか絵面まんまカニバリズム!


 魚の部分食べるので割とギリギリだったのにこの足食べるとか絶対嫌なんですけど!


「あ、この足が嫌なのか!」


 絶句してる私を見て何がダメだったのか理解したようだ。ていうか今まで何を嫌がってると思ってたんだ。


「マジで嫌ですよその足!まんま人に足じゃないですか」


 正直な気持ちで抗議する。本気で嫌だ。


「いやこの足は見た目こそ人間のっぽいが性質的にはカエルのに近くてだな、」


 それはそれで嫌だよ。この人ちょっと感性ずれてないか。


「......贅沢言ってる場合じゃないだろ」


 さっき自分でも考えた事をそのまま復唱される。


 ......でも確かにその通りだ。こんな状況下でそんな贅沢は言ってられないのだ。生き残ると覚悟したのだからそんな贅沢は言えないのだ!

 だが......


「この足どうやって調理するつもりですか」


「シンプルに丸焼き!」


 やっぱり!贅沢は言えないが......丸焼きは嫌。あのビジュアルそのまんまで食べるのはあり得ない。


「丸焼きは嫌なので私が調理します......!それでいいですか?」


「お、おう」


 クロウド君が引き気味で返事する。私の気迫にたじろいだか。


 そう、食べられないなら食べれるようにしてしまえばいい。それが料理というものだろう。


 ルナ‘sキッチン開始です。

読んでいただきありがとうございます

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