表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/78

16話 釣りフィッシング 2/2

「今から釣る魚ってどんな魚ですか?」


 釣り糸を沼にたらしながらクロウド君に質問する。もちろんモンスターに気づかれないように小声だ。


「......フットフィッシュって魚でこいつはダンジョンの上層でも獲れるんだ。簡単に取れるし結構美味いってことでダンジョンの上の迷宮都市では好んで食べるって人も......いるらしい」


 クロウド君も私に合わせて小声で返してきた。仲間と並んでコソコソ話しながら釣り糸を垂らす。いかにも釣りしてますって感じがして結構楽しい。


 ......まあそれはいいのだがやはりクロウド君の解答は煮え切らない。つまり自分はそんなに食べることがないということだろうか。聞きたかったことと回答がちょっとずれてる。味とか姿とかのこと聞いたんだけど。それに前からそうだけど食べ物に関して聞くと

「......」←これが喋る時いちいち文頭につくのなんなんだろう。


 まあいいや。そんな魚なのかは釣れてからの楽しみにしよう。私はそう割り切って釣りに専念することにした。

 


 それから結構時間が経った。1時間いかないくらいかな。全然かかる様子がないので釣った魚をどうやって食べるかを妄想していた。シンプルに焼くか、煮るのもいい。揚げるも美味しいだろう。空腹ということもあって妄想とヨダレが止まらない。空腹は最高のスパイスとはよく言ったものだ。まあ実際はそんな手間のかかった調理は出来ないのだが。普通に焼くか、出来て煮るぐらいだろう。


 と、そんな妄想で空腹を紛らわせていたその時、釣り糸が沼の中に引き込まれ始めた。竿が強くしなる。私は慌てて引き摺り込んでくる力に対抗して竿をあげた。


「見て見て!釣れそうですよ!」


 魚がかかったであろう様子をクロウド君に見せびらかす。これは褒めてくれるに違いない!しかし彼は思ったよりローテンションで言った。


「あ、もしかしたら人喰い魚とか釣れるかもしれないから気をつけろよ」


「え」


 何それ!先に言っといてよ!これ引き上げたらピラニアみたいなのが出てくるかもしれない......てコト⁉︎一瞬躊躇ってクロウド君の方を見る。


「......陸じゃ特に危なくないから気にすんな。いざとなったらオレがどうにかするから」


 それなら怖くなることわざわざ言わないでほしいな。......仕方ない、腹を括って吊り上げよう。このままでは釣り(ツタ)が切れてしまう。いざとなったら守ってくれるらしいし。私は決心して竿を引っ張った。


 ツタの引っ張られた魚が顔を出す。あ、顔は普通に魚っぽい。キバとかも無さそうだしこれは人喰い魚じゃ無さそう。勝ったな。


 そのまま沼から吊り上げてしまおう。そう思いさらに強い力で引っ張る。そうすると魚が沼から全身を出して釣り糸についてきた。それをクロウド君がすかさずキャッチする。つまりは釣り上げることに成功したのだが......その魚の尾の付け根の辺りに、生えていた。足。それも人の足が生えていたのだ。


「人喰い魚だー!」


 あまりの衝撃に思わず叫ぶ。それだけのインパクトがある姿だった。だって魚に人の足が生えてるんだよ!絶対人喰い魚もしくはそれに準ずる何かだ。うわよく見たらすね毛生えてる気持ちわる。


「は、早く逃しましょうよ絶対食べれませんよこれ」


 少なくともあれを食べようと思う人間とはあまり友達になりたくない。


 しかし、クロウド君の口から出たその言葉は私の意表を突くものだった。


「......こいつが言っていたフットフィッシュ。魚型のモンスターだ。俺たちは今からこれを食べる」


 私は記憶だけじゃなくて耳までおかしくなったのかもしれない。

読んでいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ