↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/54

25 もうお一方……水の精霊女王様もお出ましです

 現れたお二人のお姿に、集められた人たちは大口を開けて見つめていた。流石にお二人が誰かわかったのだろう。


 正妃様たち正しき方々も、口は開けてないけど、不安そうに精霊王様方を見つめている。そっと視線を移したら、ミルキア様とジョシュも顔色を悪くして精霊王様方のことを見ていた。……ああ、心情が手に取るようにわかるわ。自分たちがこの席にいていいのかどうかと、悩んでいらっしゃるのね。


 ◇-◇


「いい加減茶番は見飽きたぞ。そろそろ罪状を告げて、罰をあたえてしまってはどうだ」


 黒髪の男性がそう言った。


「まあ、もう少し待ってください。こ奴らに、もう少し話しておきたいことがあるのです」


 艶やかな茶色い髪の男性が、柔らかい口調でそう言ってから「そういえば」と続けた。


「お前たちに名乗っていなかったね。私は土の精霊王だよ。他にも緑の精霊王とも呼ばれることがあるね。正妃と第一王子の加護は我が眷属がかけたものだ」


 穏やかに名乗られたけど……えーと、大国の王家は土の精霊の加護があるけど、その加護を与えたのは精霊王様ではなかったのね。


「いま現れたそちらの方が、光の精霊王、こちらが闇の精霊王で、あとは火、水、風の精霊王が揃っているからね。普通は願っても精霊王には会えないのですけど、我ら四大精霊の加護を受けしカミーラと、水の精霊王のお子(・・)であるレイニーが関わっていることなので、来ることにしたのですよ」


 にこやかに笑みを浮かべて、彼らの退路を断った土の精霊王様。今までは『火の精霊王』と、土の精霊王様が呼びかけただけだったから、聞き間違いなどと、言いわけが出来たけど(本当はそれをやったら不敬罪を問われるべきよね)、それも出来なくなったわね。


「お、お待ちください。それはおかしいです。人と精霊が婚姻を結ぶなどとあってはならないことでしょう。それとも精霊に愛された娘というのは、精霊の慰み者になるということですか。そんなの、人として見過ごせません!」


 おおバカが何を勘違いしたのか、立ち上がって言ってきた。……こいつ、精霊様方をなんだと思っているかしら。おおバカの言葉に火の精霊王様から怒気が漂いだした。


「人の狭い料簡で口を開くな、小僧!」


 おおバカの体が持ち上がり側妃の横へと移動させられた。圧迫が強いのか、それとも声を聞こえないようにしているのか、二人の声は聞こえてこなかった。……えーと、側妃はずっと宙に浮いたままなのよ。部屋の外に出されることはないから、まだマシなのかしら。窓が開いているから、先ほどから庭園に集まった人たちのざわめきが伝わってくるのよね。バルコニーの外側で宙に浮かんでいる人たちのことを見ているのでしょうけど、誰も助け出そうとはしていないみたい。


 ……あっ、と、側妃とおおバカはみんなの視界を塞がないためにも、窓側に移動させられていることも、付け加えておくわね。


「お前たちと我らは違う。対となるものを定めたら、一生をそのものと過ごすのだ。我らの愛がなんたるものか解らぬのなら、口を開くでない!」


 水の精霊王様も、威圧を込めて部屋の中の人たちを見つめた。途端に脂汗を流しだす人々。


「で、ですが」


 その圧力に苦しみながら、莫迦二号が言葉を発した。それを見て水の精霊王様は少し圧力を緩めた。莫迦二号はハッハッと、呼吸を整えるようにしてから、再度口を開いた。


「レイニー・フェンダルが、水の精霊王の子供であるのなら、精霊でしょう。カミーラと結婚すれば、異種族婚となります。それは禁忌となっていると聞いています」


 ……はあ~。そんなこと口に出さなくても、精霊王様が知らないわけないでしょう。……というか、レニーのどこを見て、精霊だと思うわけ?


 水の精霊王の口元が弧を描くように口の端があがった。


「お前は、我が、我が子可愛さに、禁忌を犯させると思っているのか? 魔精霊を産み出す可能性がある事をさせると、本気で思っているのか」


 莫迦二号は首を押さえて大きく口を開けて、苦悶の表情を浮かべだした。どうやら呼吸がうまくできないようだ。それだけ、水の精霊王様からの威圧が強いのだろう。震える莫迦二号をしばらく見つめて、水の精霊王はふいっと視線を外した。途端に呼吸が出来るようになったみたいで、莫迦二号は体全体で呼吸をしていた。その体が宙に浮いて、おおバカの隣に移動した。


「本当に失礼しちゃうわ。レイニーは私達の子供(・・・・・)だけど、ちゃんと人間なのに」


 可愛らしい女性の声が聞こえてきて、また空間が揺らいで姿を現した。水の精霊王の斜め後ろに現れた女性は、おかんむりのご様子だ。


「人間にも他人の子を育てるというのがあるでしょう。それに思い至らないなんて、とんだお馬鹿さんたちね」


 蔑みの目を人間たちに向けた後、レイニーへと慈しみの視線を向ける、水の精霊女王様。銀色の髪に(あお)い瞳の持ち主で、年齢不詳の可愛らしさがある御方です。


「それにあなた達は、私達精霊の加護を、勘違いなさっているようね。加護を与えられる人間がどういう人間なのか、考えたこともないのでしょう」


 頬に人差し指をたててあて、軽く首を傾げる可愛らしい仕草で、水の精霊女王様は言ったのでした。


とうとう水の精霊女王様まで出てきました。

これで登場人物はすべて……じゃあないか。

あの場所にはいるけど、まだ名前が出てない方がいらっしゃいます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。