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六角の花   作者: フミ
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主役は拙者で御座る

「キリュウ!アンドウ!アキヨリ殿の口を押さえろ!」


以前サカイでアキヨリと始めて会った茶室の出来事がヘイクロウの頭を過った

このままでは報告すべき事をと先に勘付かれ皆言い当てられてしまう

ヘイクロウの人生において屈指の見せ場である

横取りされる訳には行かない


「おう!任せとけ!」


とキリュウ


「若様 でしゃばり至極

暫し黙られよ」


とダンザ


「お前等 何をする!むぐうう!」


羽交い締めのオマケ付きでアキヨリの口は閉ざされた

ヘイクロウは再び檜舞台の一人舞台の千両役者となった


「二人共恩に着る

どこ迄話しただろうか?

そうだ ジョスイ殿が命拾いするところで御座った

ジョスイ殿の懸念であったな

もう経緯などよいわ

ジョスイ殿の懸念それはチクゴ国オオトモ領にイスパニア兵の駐屯地があるのでは無いかということで御座る

オオトモとイスパニアは宗教上の理由から繋がっていて当然

軍事的にも繋がっていてもおかしくない

事実ここ数年オオトモ軍の装備は急激に近代化している

そこで拙者をチクゴ国オオトモ領に遣わしたのだ」


「で

チクゴにあったのだな彼奴等の駐屯地が」


ダンザが身を乗り出した


「そうだ!

合いの手というのはそうでなくてはいかん

なんでもかんでも先回りして暴露するのは合いの手とは言わん」


「いいから早く話せ!」


自分が脚光を浴びる事に執着しているきらいがあるヘイクロウにキリュウは少し苛立った


「すまん早く話して楽になるとしよう

先ず拙者は港町に潜入すると南蛮人を探した

鼻の高い欧州の人間では無く

イスパニアの兵としてアキマサ殿と戦った

南海に住む本当の意味での南蛮人だ

しかし欧州人は数多く居たが南海の民の姿を見付ける事は出来なかった

当然と言えば当然

異国の民を大勢住まわせるなど属国となったようなもの

おおっぴらには出来ぬ

ならば港町や城下町と離れた山間の村

または新たに開拓した土地が選ばれるであろう

拙者はそういった土地に向かうイスパニア人がいないものかと港町から内陸へ続く道に張り付き待ち申した

根気強く待たねばと腹をくくったところに

半日も待たず馬に乗った六人のイスパニア人とオオトモ家臣と思われる十五人に馬二頭で引く西洋の車が

現れ申した

しめたとばかりに後をつけるとその日の夕刻

一つ山を越えた盆地に辿り着くと町が御座った

山間の農村などでは無く交通の要所港町や宿場町の様な栄えた活気のある町が

突然現れたので御座る」


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