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六角の花   作者: フミ
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朝から元気ですね

「熱いなあ…

なんで顔だけ熱いんだ?」


黒は陽光をよく吸収する色である

閉じた瞼の奥の目が朝日を感じるより先に

顔全体の熱さでアキヨリは目覚めた


「むわぁぁ…

眠い!

しかしやるべき事があったな

ダンザ キリュウ起きろ!

ぶっ!

ふはははははは

あーはっはっはっは!

何だお前達その顔!」


「なにゲラゲラ笑ってやがんでえ!

あんたがやったんだろうが

くっ!

くはっはっはっは!

目糞鼻糞ってやつだ

明るくなってからは更に面白えや!

色男が間抜けな様はなんでこんなに面白えんだ!

あはははは!

あーはっはっはー!」


目覚めの良いキリュウは目覚めと同時に怒鳴りだし

そして笑い転げた


「なんだよ若様もキリュウも

朝っぱらから張り切って…

ぷっ!

うははははははははははは!!

二人してこっちを向くな!

あははははははははは!

だからこっちを向くなって言っているのに!

あははははははははははは!」


寝ている間に蚊に刺されたのだろうか

まだ眠そうに懐に手を入れ胸の辺りを痒そうに掻いていたダンザも笑い車に轢かれ のたうち回った


「一旦だ

くふふふふ!

一旦落ち着こう

くっ!

これでは埒が明かない

くぅー!

二人とも深呼吸だ深呼吸!

すぅーはぁーすぅーはぁー」


事態の収拾を図るアキヨリは二人に深呼吸を提案し自らも実行した


「うっくっくっ!

深呼吸ですな

すぅーはぁーすぅーはぁー」


深呼吸する鉄砲野郎


「ひぃーふっ!

そうだ深呼吸が一番かも知れねえ

すぅーはぁーすぅーはぁー」


槍振り回し野郎も続く


「そうだ それで良いのだ

ふぅー

やっと落ち着いて来たな…

くぅー!

うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!

お前達 何を真顔で黒い顔して深呼吸してるんだ!

馬鹿じゃないのか!

あははあはははあはは!!」


「あんたがやれっつったんだろ!!」


「若様御覚悟!!」


「悪かった!

勘弁してくれ

あははあははあはは!」


アキヨリは二人に追われ螺旋階段を走り降りて行った


「待ちやがれ!」


「待てぇい!」


トサカがいきり立つ二人はアキヨリを追い

階下へ降り立ちハッとなった

既にアキヨリは巨大タマネギの前に立ち両手を突き出し

後ろ姿からでも分かる程に多々良の力に集中している


「お前達 何かにしがみついていろ

ヨシツネ公の火の龍がこのカラクリに取り込まれ時

床にへばりつく程の衝撃があったのだ

俺の力が作用したなら あれ位では済まぬぞ!」


「何言ってやがんでえ

見るからにヨシツネさんの方が凄えじゃねえかよ

なあダンザ」


「キリュウの言う通りだ

自惚れで御座るぞ若様

ふはははは!」


「ぬかしおったな!

腰を抜かすでは無いぞ!

どりゃああああああああ!!」


ダンザは壁に寄りかかり

キリュウは寝そべり

アキヨリの吠え面を待った


「ぬうううううう!」


アキヨリしか見えぬが無数の歯車が巨大タマネギに吸い込まれていく


「そりゃああああ!」


次々に吸い込まれていく


「どりゃああああああ!

ふぅ…」


アキヨリは振り向き二人に期待通りの吠え面を見せた


「無念何も起こらん!」


「やっぱりダメじゃねえかよ!

あっはっはっはー!」


「優れた物は人を見るのですぞ

忠臣を揶揄って笑い転げる者は相手にされんのでっ!すぅー!

何だぁー!!」


ズゴゴゴゴ…グガァーン!!


「ぬがああ!」


アキヨリが顔から床にへばりつく


「何と!!」


ダンザは寄り掛かった壁に背中を強く擦り付け尻もちをつき

やはり床にへばりつく


「おぅみぃそぉれぇしやしたぁー!」


キリュウはそのままの姿勢で床にへばりつく


ズゴゴゴゴ

ズガーンズガーン!


そのままの状態が数刻続いた後

やはりヨシツネの火の龍の時同様に

急激に伸びる塔がほぼ停止した事により三人の身体は宙に浮く

そして落ちる


「ぬがっ!」

とダンザ


「ぶぎぃ!」

とキリュウ


「ぐぇ!

どっどうだ!

だからしがみついていろと言ったのだ!

大王 聞こえるだろうか?!

そなたの多々良の力

あの繋ぎ合う手に俺の歯車は届くだろうか?!」


直様地下よりオオクニヌシが答える


「降りろぅぅぅぅぅ!!」


「はい?!」


「早く塔を降りるのだぁぁぁぁぁ!」


「何で?!」


「アキヨリ お前の力で塔の強度の限界を超えて伸びたのだぁぁぁぁ!

倒れるぞぉぉぉぉぉぉ!!」


グゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


オオクニヌシの声とは別の何かが下方より塔を揺るがし始めた


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