↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
六角の花   作者: フミ
PR
165/788

12の使徒

アキヨリの顔の中央

額から顎にかけ断層が現れた

左側は下がるだけ下がり

右側は上がるだけ上がっていた

原因はジョスイの発した愛という言葉だった


「この男が愛?

愛という言葉の意味を分かっていて言っているのか?

いや、真剣な話しぶりだし因縁深いジョスイの根幹に関わる話だ

笑う訳にはいかん

しかし不明な点が幾つかある


兄上がこの伝承について知っていると言っていたな

それとナリモトはジョスイの説得になぜ応じなかったのか

両者の間にどんなやりとりがあったのだ

それより何より愛の支配する国とは一体どういう意味だ?


人の感情のように不確かなものが国を支配出来ようか?

必ず矛盾が生まれ乱の火種となるだろうに

ジョスイのような現実主義から愛などと聞くとは思いもよらなかったぞ


考えてみたところでジョスイの心はジョスイのものだ

まずは問いただしてみなくては始まるまい」


断層を無理やりに元に戻し

アキヨリは初めてジョスイに顔を向けた


「ジョスイ、三つ問う

一つ

お前とナリモトの間にどんなやりとりがあった

二つ

兄上がアキの国の伝承について知っている事をどこで知った

三つ

愛の支配する国とは具体的にはどんな国だ」


「当然の疑問だな

最初の二つは簡潔に

最後の一つは手を抜かねえで話す


俺とナリモトの間のやりとりは

俺はナリモトに御館様に味方して天下を一つとするよう要請した


ナリモトは俺にアキの国の民を新たな神の軍の兵とし

それを率いて天下を一つとしろと言って来た


お互い聞き入れず平行線で一年間

以上

ああ、付け加えると後少しで説得されそうだったのは俺だ

だが時期早々だとも思っていた


次、おめえの兄貴がアキの国の伝承を知っているのが分かったのは

ナリモト攻めの引き継ぎの時だ


開口一番 アキの国は今でもシジマを恨んでいるかと聞いて来た

伝承は外に漏らす訳にはいかねえ

俺はとぼけた

よっておめえの兄貴がどこで伝承について知ったかは分からねえ」


「そうか知らぬか…兄上はどこで…」


「すまねえな

だが知らねえもんは知らねえんだ


最後の一つだ

愛の支配する国ってのはだな

いろいろ考えて言葉を探したがどれも当てはまらねえ


だがこう言ったらおめにも分かるだろう

愛の支配する国ってのはだな

おめえの兄貴シジマ アキマサが治めたコウズケの国だ!

アキマサは民の一人一人までを思いやっていた

兵のことごとくは喜んでアキマサの盾になった

そしてアキマサは民の為兵の為

己の命を危険にさらすような決断に躊躇が無かった

愛の支配する国ってのはそれだ!


そしてその国はホウライ山のおめえの家族みてえな連中を絶対に見捨てねえ!

危険が及べば国全体で助ける

呪いだ祟りだって見捨てねえ、おっぱなさねえそういう国だ!」


「承知した!」


アキヨリはみぞおちを両手で押さえ

そこから上に上がって来るものを堪えた


「最後に一つ

ジョスイお前はモンジュ坊の伝承を鵜呑みにしていないと言った

なぜデウスの神でなければいけない

千手観音とてシャカとて万民を救い慈悲を与えるではないか」


「そうだな、それは数字だ」


「数字?」


「ああ、十二って数字だ

十二の巫女

十二の使徒

モンジュ坊の死んだ十二歳って年齢


自分の選択は間違ってねえって確証が欲しかった

これだけ十二が出て来りゃ偶然じゃねえだろってな

くだらねえだろ?

だがな俺はおめえみてえに信じる力が強く無えのさ

弱え人気なのさ


ところで若大将おめえのカミさんなんだが…」


「十二、十二…

タキ

コウ

サネモリ

チュウベイ

シゲハル

マゴイチ

コヘイジ

ヒデナオ

ムラシゲ

テルナリ

トモノリ

カズナリ…」


「なんだ?

若大将、何をブツブツ言ってやがる

そいつらは特に強かったてめえの手下だろうが

まさか!

ひい、ふう、みい…

まさか!まさか!

おい!若大将そいつらがなんだってんだ!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。