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六角の花   作者: フミ
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恩返し

「なんと!ゴクラクサイ様はシジマ家の大恩人とだけ聞き及んでおりましたが

そのような経緯であったとは

大御祖父様!なぜゴクラクサイ様は我等シジマ家にあのように接して下さっていたのですか!?

拙者がゴクラクサイ様の立場で御座ったら

罪も無い民の命を守る為になら己の命もかけましょう

だが敵味方となった我等の為

取り分け我等兄弟には肉親のように接して下さった

合点が行きませぬ!」


「アキマサよシジマ家シラセ家は二つで一つ

戦の勝敗がどちらに転ぼうと

どちらか一方が生き残る為敵味方に分かれたのじゃ

それになナガヨリのヤツも操炎術で我が陣を攻める準備をしておったそうじゃ

お互い様だと禁を犯す大罪をサネアキ殿が背負ってくれたと

全て水に流しシジマ家の為尽力すると言ってくれた」


「なんと!なんと!なんと!

そんな事とはつゆ知らず拙者はなんと能天気な…

己のゴクラクサイ様への無礼千万悔やまれてなりませぬ!」


ドンッ!ドンッ!ドンッ!バキッ!


アキマサ同様悔しげに床を拳で叩き続けたイエナガはついに床を貫いてしまった


「後で床は直すとして

アキマサ、イエナガ、アキヨリよ

後悔しても始まらぬ

お前達が葛藤を抱えず成長する事

誰よりナガヨリが望んでいた事じゃ

次代に受け継がせよ!

お前達の仕事はこの日の本一つとして

幼き子の命が脅かされる事の無い世の中を作りあげる事じゃ

その悔しさ挫けそうになったら思い出せ!

お前達がどれだけの恩を受け

どれだけ世の中に返そうと追い付かぬと言う事決して忘れるな

よいな!」


「はっ!肝に命じます!」

「承知いたした!」

「はっ!しかし大御祖父様合点が行きませぬ」


「なんじゃアキヨリ」


「どうやって倒したのですか?

そのような巨大な火の鳥を

術を使えたのは高祖父様とゴクラクサイ様だけだったのですよね」


「それは分からん

全ては父サネアキとナガヨリがやってくれた事じゃ」


「嘘に御座います!」


「分からんと言っておろう!

話はこれまで!はいっ!おしまい!」




「やっと合点が行きましたぞ義母上!

我が高祖父の過ち尻拭いして下さったのは義父上と義母上で御座ったのであろう!

俺は窯の火を操ると一貫体重が落ちまする

四十畳の火の鳥など操ったら消えて無くなってしまう

誰か火の鳥を止める必要があった

それが義母上であったのだ!」


「だったら何だって言うんだい?

アキヨリお前も少しは知っているんだろう?!

我等が一族の因縁を

私情に流されたら取り返しのつかない事になるって事を!」


「私情に流されているのは義母上で御座る

理由は分からんが、さぞかし深い理由があったので御座ろうが

義父上と供に過ごせ無かった恨み辛み

リッカに押し付け晴らそうとして御座る!」


「若僧がぁぁぁぁ!聞いた風な口をぅぅぅぅ!!」


「合点が行った事はこれだけでは御座らん!

リッカは眠らされ御山の守人を産む道具とされ

トウカは生贄とされ

俺は全てを忘れるさせられる

義母上のやろうとしていることおよそ人の所業では御座らん!

遠い昔の恩返し!

義母上を押しとどめる事によりお返しいたす!

どうりゃゃやゃやゃゃ!!」


ゴオオォォォォ!!


アキヨリの槍は真っ赤に熱を帯び

先端から鋭く尖った青い炎を轟音と共に噴き出した



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