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第3章-第19社 空間の歪み(熾蓮side)
試験を終え、ビルの敷地を出た熾蓮と白澪は、薫と樹の待つ待機室に向かうべく敷地沿いの歩道を歩いていた。
「はー、終わった……」
「お疲れ様。待機室に行ったらその怪我治すわよ」
「あぁ、すまんな」
隣を歩いていた白澪が言うと、熾蓮は頭の後ろで組んでいた腕を解きながら返事をする。今頃、新たに召喚された仮想祟魔と戦っている秋葉と悠を心配してか、熾蓮はふと立ち止まって後ろを振り返る。
と、敷地内を覆うようにして張られた薄紫色の結界の上部に直径一メートル半ほどの黒い歪みができていた。裂けた空間が線となって塞がりつつあるのに気づいた熾蓮は少し前を歩いていた白澪へ声をかける。
「白澪、お前は先に行っといてくれ! ほんで、俺から三分以上念話で返答が無かったら、織部先生に連絡頼むわ!」
「はっ? え、ちょっと! どういうことよそれ⁉」
白澪が止める間もなく、慌てて走っていった熾蓮はまだ完全には降りきってない結界の隙間を潜り抜けて敷地内へと侵入した。
「って何よこれ……」
熾蓮が入ると同時に閉じられた結界を目にした白澪は、結界に沿って大きく空いた歪みに絶句した。




