↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/3

第2話

 前回までのあらすじ

 僕はなんやかんやあって唯一残った人類であった。そしてなんやかんやあって生き残ることになった。さあ頑張ろう!


 「うわわわわわわわわわ~!」


 叫びながら落ちていく。


 ―拝啓 父上様、母上様。僕は死ぬでしょう。人類滅亡をお許しください。


 目を閉じて瞑想しながら落ちていく。


 すると、不意にダストシュートがなくなったと思うと、地面に落ちていった。


 グシャという音とともに何かがクッションになったようであった。


 目を開くとそこには頭が粉々になり、緑の体液と脳みそが飛び出たゾンビがクッションになっていたのであった。


 「ぎゃああああああああああああああああああ!」


 頭が潰れたせいでゾンビもピクリとも動かなくなっていた。


 ふう~と深呼吸をして、再びゾンビを見る。めちゃくちゃグロテスクであった。


 「もうゾンビ一体撃破とは…優秀デスね。」


 急にオペ子の声が頭の中で聞こえる。


 「な、な、な、なんだ! オペ子?」


 「安心するデス。今、あなたの脳に直接語り掛けているのデス。」


 混乱しつつ、頭を突いてみるが、何かあるようには感じない。


 「まあ、気にせずにデス。細かいことを気にしているほど暇な所ではないデス。」


 そう言われて周りを見ると、ゾンビがゆっくりとこちらへ近づいてくるのが見える。


 「まずは実践デスが、冷静な行動が大事デス。一度、回れ右して逃げるデス。」


 僕はオペ子に言われるまま、ゾンビと反対側に逃げた。


 ゾンビはしばらくは追ってくるものの、ある程度の距離になると見失うのか、追うのを止めた。


 「とりあえず、逃げられたようなのデス。初めてのゾンビはどうでしたか」


 逃げるのに走ったせいで、少し動悸がする。


 「へ、へへ、ヘヘン。そ、そりゃ、ぼ、ぼ、僕にかかればこんなもん…。」


 「おや、次のゾンビなのデス。」


 オペ子の声に飛び上がってしまう。


 「うそなの。」


 「うそなんか~い!!!」


 いないはずのオペ子に思いっきりツッコミを入れた。


 「でも、近くにあと2体はいるの。あとあまりうるさいとゾンビが寄ってくるの。」


 ピタっと動くのをやめて静かにオペ子の話を聞くことにした。


 「あなたの向いている方向から10時の方向にいるデスから、そっちは行かない方がいいデス。」


 言われた方を見ると、ゆっくりとこちらへ動き出すのが見える。


 「げげげ、めちゃくちゃ近いじゃないか。」


 「選択肢デス。逃げるデスか。戦うデスか。」


 僕は目をカッと見開くと踵を返した。


 「逃げるんだよ~!」


 そう言い終わると、オペ子の飽きれ声だけが脳に響いた。


 ◇ ◇ ◇


 ゾンビから逃げることができて、やっと一息つくことができた。


 逃げるのに精一杯であったが、周りを見ると荒廃した世界という言葉で表すのが正しいような大地であった。


 草木はほとんど生えてなく、かつてあったと思われる文明の廃墟が点在している。


 落ち着いたところで、オペ子の言葉を思い出す。


 ―木を探すか。


 周りを見回して、開けた場所の方へ歩いていく。


 少し歩いて開けた場所に来ると、四角に囲まれた柵の中に枯れた木や金属製の廃墟のある施設が見えてきた。


 柵は低いので、跨いで中に入って落ちている木の枝を拾い始める。


 「やっと木を見つけたデスか」


 不意に響く頭の中の声に驚いてしまう。


 「どこで見ているんだよ」


 「ふ、ふ、ふ。あなたの目をハッキングして見ているデス。」


 ―え?? 目!?


 驚いて瞬きを何回もするが、異常は感じない。


 「まあ、気にしないのデス。木を集めたら、あとは必要そうな物を探しつつ戻ればいいデス。」


 ―必要そうな物って何だろうな。


 黙々と木を拾いつつ、考えてみる。


 う~ん……う~ん……う~ん?


 「オペ子先生! 何が必要わかりません!」


 オペ子は深いため息をした後、説明し始めた。


 「回収しやすいものがいいデス。あればあなたが着ている服のような布切れ、固めな石や瓦礫がいいです。」


 ほ~と頷きながら、服を見る。


 「まあ、なければまたトライすればいいので。戻ってきてもいいデス。戻る方向はそこから7時の方向に歩けばいいデス。」


 木をそこそこ拾って両手も塞がっているので、探すのを諦めて帰ることにした。


 ゾンビに見つからないようにゆっくりと戻り始めた。


 ◇ ◇ ◇ 


 思ったよりは離れていたのか、かなり歩くことになった。


 ゾンビには思ったよりも会わずに済んだが、視界に入るとドキっとしてしまう。


 荒廃した世界は思ったよりも、何もない。


 廃墟はあるが、ほとんどが崩れていて見えるのは瓦礫の山だ。


 いろいろな物があるのはわかるが、何が使えて何が使えないのかがわからないのも問題だ。


 ―どうしたもんかな。


 「そろそろ到着するデスね。」


 またまた不意の言葉に驚いてしまう。


 「慣れろデス。」


 「そうは言ってもさ~」


 頭の中で会話をしていると、不意に視界で動く物が見える。 


 どうやら、家の帰るときに押す赤いボタン付近にゾンビがいる。


 「オペ子さん……赤いボタンにゾンビがいるんですが。」


 「頑張るデス。銃使えばいいデス。」


 ―よし、銃とかいう武器であいつらをぶっつぶす!


 木を下に置き、銃の照準をゾンビの頭に向けて、引き金を引いた。


 バーン。


 弾はゾンビの頭上を通り過ぎた。


 そして、あなたは銃の反動で銃を離してしまった。


 ゾンビはこっちに気づき、こちらに寄ってくる。


 あなたは急いで銃を拾うが、ゾンビはもう目の前にいた。


 「ぎゃあああああああああああああああああああああああ」


 バーン、バーン、バーン、バーン、バーン、カチン。


 目を瞑って勢い任せに弾を全部打ち尽くしてしまった。


 ―終わった。


 目を開けると、頭部が吹き飛んでおり、ゾンビは倒れていった。


 「もう一体近くにいるデス。」


 オペ子が急に音声で割り込んできた。


 ゾンビが新たに一体現れた。


 ゾンビはどんどん近づいてくる。


 銃を取り出すが、カチン。弾が切れたままであった。


 ゾンビはそのまま覆いかぶさってくる。


 ―死んだ。


 そう思ったときに不意に腕を振り上げた。


 グサッ。


 拾っていた木の枝がゾンビの頭に突き刺さっていた。


 ゾンビは死んではいないが、頭に刺さった木を抜けずに藻掻いて倒れこむ。


 ―た、助かった…。


 「遊んでいる余裕はないの。早く家にもどるの。」


 「は、はい~。」


 僕は急いで家に戻って、赤いボタンを勢いよく押した。


 キュイン!キュイン!帰還シークエンス!発動!


 そういうと、大きなロボットアームが僕を掴むと、ポイっと家の上からにある筒状のダクトに放り投げた。


 ダクトを流れるように落ちていくと、前いた部屋に戻った。


 部屋に入ると、オペ子がモニターに映る。


 「ご苦労デス。」


 「とりあえず、木持って帰ったぞ。」


 持ってきた木をモニターに掲げる。


 「それを加工部屋でクラフトするデス。加工部屋はそこのオレンジの部屋デス。」


 加工部屋に入ると、他の部屋と違って、中央に変な台座がある以外は殺風景な部屋であった。


 「中央の台座に木を置くと、木から作れる物リストが出るデス。何を作るかは好きにするデス。」


 言われた通りに、木を台座に置くと、台座にリストが表示された。


 スクロールしていくと、いろいろある。


 木の剣、木の盾、木の鎧、木の帽子、木のピッケル、木の斧、木の桑……etc


 ―わからん。まあ一番上のでいいか。


 一番上の木の剣を押した。


 すると、木が台座に吸い込まれ、ガオンゴオンという音がしたあと、木の剣が出てきたのである。


 「できた。これは何に使うんだ。」


 「木の剣はゾンビと戦うのに使うデス。」


 言われてみると、先は尖っているし、硬いので戦うのに使えそうだ。


 「よし! これでゾンビとも戦えるぞ。」


 「戦うだけじゃ意味がないデス。自活が大事デス。一人でできることでは限界があるので……あれやるデスかね。」


 するとオペ子アームが出てきて、あなたの四肢を掴んで動けなくしてくる。


 そして、アームは鼻の穴に入って、鼻毛をブチっと抜いた。


 「@あおあいからあだ…いた!!!!! なにしてくれてんだ!」


 「自活するための一つに見ているデス。」


 鼻毛を台座に置くと、ゴーレムを表示される。


 「見るがいいデス。これが人類の進歩デス。」


 台座が光り、そこからは筋骨隆々のゴーレム……ではなく、拳よりも小さい棒人間のようなモノがいる。


 「こ、これは……。」


 「あなたの鼻毛からできた鼻毛ゴーレムデス。」


 鼻毛ゴーレムはピコピコと手足を動かしている。


 「ゴーレムは命令には従うけど、考えて動くことができないデス。小さいのでできることは少ないデスが、木の枝くらいは運べそうデス。」


 「つまり、荷物運びに使えるってことか。」


 ―これで少しは探索がはかどるな!


 「ではでは~デス。一体では足りないデスね。足りないデスね。」


 ロボットアームが出てくる。


 「オペ子さん?」


 「たくさん抜かないとデスね! 足りなければ下の毛も抜きますデス!」


 ロボットアームに体を掴まれる。


 あ、あ、あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああああああ!


 ◇ ◇ ◇


 たくさんの鼻毛ゴーレムが綺麗に整列している。


 あれから、一体何本の毛が毟られたことか…。 


 「パチパチパチ。よくできたデス。100点デス。なでなでしてあげるデス。」


 オペ子はロボットアームであなたの頭を撫でている。


 アームの金属部分が当たってガリっとあなたの頭を擦りむいた。


 「いって~!!!オペ子~やりやがったな!!!」


 「あ、ごめん。これあげるデス。」


 ペシン。オペ子はあなたの頭に大きな絆創膏を貼ると、ロボットアームをしまった。


 「いつつ。でオペ子、鼻毛からゴーレムをつくれるのは分かったけど、次はどうするんだ。」


 「いい質問デス。鼻毛ゴーレムがする仕事がないとそこにいるだけの邪魔なものになるデス。だからとにかく仕事を作るデス。」


 「なるほど。じゃあ、これからは探索するってことでいいんだな。」


 「デスデス。では行ってくるデス~。」


 オペ子からアームが出てきてあなたを掴んだ。


 「あれ?これって前と同じ?」


 「そうデス。ではアデュー。」


 アームに掴まれて防御服を着させられると、ダストシュートに投げ込まれた。


 「ちくしょ~!!!!!!!!!」


 あなたはまたダストシュートで外に投げ出されたのであった。


 「うおおおおおおお~」


 ドスン。地面に降りった。前回と違ってゾンビが下にいなかったのは良かったと思った。


 鼻毛ゴーレムが後ろからわらわらとついてくる。


 荷物持ちとはいえ、どこか不気味ではある。


 周りにゾンビがいないことに一安心し、前回の木があった場所の方へ向かう。


 薄く霧がかった場所で周りには植物が意外に生い茂っている。


 ―最初に来たときはゾンビから逃げることしか考えていなかったから、こんなにいろいろなもんがあったんだな。


 「オペ子、聞こえるか?」


 「ザザザー、こちらオペ子。オペ子サービス残業中で忙しいデス。何デスか?」


 頭の中で会話するのに慣れてきたが、一体どういう原理なのか……。


 「オペ子、この草はいるのか。」


 「今は使わないの。帰りに余裕があれば持ってくるといいデス。じゃあ、オペ子は忙しいから切るデス。」


 ブツっと一方的に会話を切られたようであった。


 あなたは周りを見ながら前回の木の場所まで来た。


 前回取ったが、まだまだたくさん拾えそうであった。


 木を拾おうとしたそのとき、視界に動くものが見える。


 ―げ…ここでゾンビか。やるしかないな。


 あなたは木の剣を構えると、切りかかる。


 グッシャ~~~。


 思ったよりもゾンビは柔らかく、肉片が飛び散る。


 しかし、体が砕けてもまだ動いている。


 驚きつつ、剣をゾンビに突き刺した。


 ゾンビの腹部に剣が刺さったが、ゾンビはジタバタしながらこちらに押し返してくる。


 ―あれ? これも効いていない? なんで? 


 思考を巡らせていると思い出す。


 あ、そういえば…オペ子は頭を狙わないと意味がないって言っていたはず。


 ゾンビを蹴り飛ばして、剣を引き抜くと、ゾンビの頭めがけて突き刺した。


 すると、ゾンビはピクリとも動かなくなった。


 ―頭を狙うのを忘れないようにしないとな…。


 動かなくなったゾンビから槍と矢を抜いて、再び木を集めた。


 今度はゾンビに会うことなく、木を集められた。


 木を持てるだけ持って、家へ向かった。


 家の前に来るとオペ子を呼んだ。


 「オペ子~戻ったぞ。家に入れてくれ。」


 赤いボタンを押す。


 「あ~ちょっと待つデス。準備が…………いいの。今戻すデス。」


 家からロボットアームが出てきて、あなたを掴み家の中へ入れた。


 家に入るとまず目に入ったのは、ゴーレムたちがオペ子の柱を磨いているのだ。


 天狗の鼻を伸ばしているオペ子を無視して、鼻毛ゴーレムの近くで眺める。


 「ふふふ、刮目するデス!我を撫でよ!鼻毛ゴーレム!」


 オペ子が命令をすると、鼻毛ゴーレムたちは動き出して、オペ子の柱を撫でまわしてる。


 「むふふふ、撫でられているみたいでオペ子興奮しちゃうデス!」


 あなたはそれを見てドン引いた視線をオペ子に送った。


 「あ、鼻毛マン。そこまでにするデス。」


 ゴーレムたちは、控室と書かれた小さな小屋に入っていく。


 「さて、次は石がいるデス。」


 モニターに石がうつる。


 「でも小さいのは加工できないデス。だから大きいのが必要デス。」


 次から次へと忙しいな~と悪態をつくと、ロボットアームがゴキゴキと腕を鳴らしているので、黙る。


 「でもその前に腹ごしらえだけしていくの。戻る時間がかかるとおなかも空くの。」


 「お、そうだな。じゃあ、食糧庫行ってくる。」


 オペ子は食糧庫に向かうあなたを見送った。


 あなたは食事を済ませ、あなたはダストシュートに飛び込んだ。


 ―石をとってくるぞ!


 かくして木の次の時代、石の時代の第一歩が始まった。


 次に続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。