[07]実際に書かせてみよう Gemini編
くたばれ低気圧!(挨拶)
ごきげんよう、お人間さんです。
サクサク更新するつもりが体調を崩してしまいました。
季節の変わり目ですので、みなさまもどうか健康にはお気を付けください。
さて、今回は「[06]実際に書かせてみよう ChatGTP編」の続きです。
前々回、前回ではClaude(無料版)やChatGTP(有料版 PLUS)にプロットを読み込ませ、本文を作成してもらいましたが、今度はGemini(無料版)に同じことをやってもらいます。
再掲となりますが、読み込ませたプロットの概要は以下の通り。
================
・かなり独自色の強い短編小説(本文は3〜4万字を想定)
・作品世界は現実世界を基盤にしているが、超常的な現象&能力あり
・ややディープめな歴史ネタあり
・企画概要、全体のあらすじの資料:約1000字
・世界設定、キャラクター設定の資料:約3000字
・ストーリーを章立てし、各部で起きる出来事を箇条書きにした箱書き:約8000字
・ノリで書いた方が良さそうなパートは、箱書きに具体的な記述をしていない(※「戦闘」としか書いてなかったり)
================
早速、Geminiはどう反応したのか見ていきましょう。
チェケラ!
◇
■Gemini(無料版)
まずはプロットの感想を聞いてみたところ、「とても魅力的で非常に完成度の高い、美しいプロットですね」と言ってきました。
いきなり余談で恐縮なのですが、Geminiは現行の有力AI(ChatGPT、Claude、Grok、Gemini、Copilot)の中で、一番おべんちゃらが多い気がします。
総合的な性能はかなり優れていると思いますが、もっともらしい嘘をしれっと言いがちなChatGPTや、妙なノリの良さがあるGrokとは違った方向性の危うさを感じることが多いです。これについてはのちほどまた触れます。
Geminiの出力してきたコメントを読んでみると、他のAIと同様に、プロットの構造や作品のコンセプト、作者の狙いをかなり正確に読み取っています。
感心したのが、特に何も言っていないのにストーリーや設定の空白部について指摘し、具体的な提案までしてきたこと。
「シーンAとシーンBの間が抜けているけど、こういう記述を入れるときれいにまとまるよ」
「敵キャラクターの能力について、具体的なビジュアルイメージの記述がないけど、能力の方向性からすると、こういうビジュアルにするのが良いと思う」
みたいなことを言ってくれるんですね。
前者の指摘はお人間さんも気付いていた部分だったのであまり驚きはなく、妥当性は高いものの役には立たなかった(お人間さんの考えていた案のほうが優秀だった)のですが、後者の指摘は良い示唆を含んでいました。
やるじゃない(ニコ!)。
あと、Geminiはプロットに記載した仮タイトルの含意にまで言及してきました。
コイツ、かなり優秀です。
続けて、「このプロットを30000万字前後で書いてみて」と依頼してみます。
GeminiもChatGPT同様、数万文字程度のテキストを一気に生成できない規定になっているようで、「シーンごとに分けて出力する形になるよ」「まずは雰囲気の確認をしたいので、最初のシーンを試し書きしてみたい」と言ってきました。
ここまではChatGPTと同様なのですが、ここで面白かったのは、
「文章の雰囲気にご希望はありますか? ライトノベル風にしますか? それとも作家の●●さんのような格調高い文体にしますか?」
と聞いてきたこと。
文体の希望を聞いてきたのにも少し驚きましたが、作家の具体名を例示してきたのは驚愕です。
というのも、実はこれまで各種AIに読み込ませてきたお人間さんのプロットは、ここでGeminiが出してきた●●さんの作品へのオマージュだったんですね。
●●さんは百年以上前に生まれた国外の作家で、当然ながらすでに故人。日本での知名度はあまり高くないのですが、母国やその周辺地域ではいまだに圧倒的な知名度を誇り、いまだに過去作のメディアミックスが行われているような人です。
おそらくGeminiは、プロットに記載されていた舞台設定や作中の用語から、●●さんの匂いをそれとなく嗅ぎ取ったのでしょう。優秀すぎる!
軽い感動を覚えながら、「●●さん風の格調高い文体で」と指定を出し、小説本文を書き進めてもらいます。
出てきたサンプルは、なかなかのもの!
文体の指定があったためか、描写や台詞回しはClaudeやChatGPTよりも深みがあります。
一般的な時代小説/歴史小説と比べても、あまり見劣りはしません。
あとでほかのAIも使っていろいろ実験して分かってきたのですが、 AIに小説を書かせるときは「具体的な例を出して文体の指定をする」のが大事なようです。
あ、でもChatGPTは「スティーブン・キングのホラー作品のような、ねちっこい文体で」と指示しても、〆切に追われる夢枕獏みたいな文体で書いてくることがあります。ちゃっぴー、お前よォ。
話が脱線したので、元に戻します。
Geminiにはどんどん続きを書くよう指示し、最後まで出力してもらいました。
そしてここでもGeminiは優秀さを発揮します。
ChatGPTは「分割して生成した文章を、一つにまとめてファイルとして出力する」ということが出来ません(厳密に言えば不可能ではないっぽいですが、ちょっとめんどくさそう)。
その点、Geminiは「まとまてファイルとして出力するのは無理だけど、まとめたテキストをスクリプトという扱いにして出力することは可能だよ。ほら、このボタンを押してコピーして、キミの手元のテキストファイルに貼り付けてごらん」と提案してくれました。細かいですが、粋な心遣いです。
さて、一瞬で小説全文のテキストファイルが完成したので、ざっと読んでいきます。
全体的な所感を先に述べると、「とてもいい。だが、問題がないわけではない」という感じ。
描写や場面のつなぎ方には大きな破綻はなく、プロットの空白部も上手く補ってくれています。
文体も終始一貫性があり、ChatGPTのようにいきなり途中で我慢出来なくなって短文と改行を連打しはじめるようなことはありません。
ほかのAIと同様、やや説明臭いという印象は受けましたが、かなり小説らしい作品を出力してくれました。
これまでの中では一番優秀と言えそうです。
ただし、ちゃんと書き込みしすぎているため、人間の手で後から加筆しようとすると意外に手間がかかりそうな気配も感じます。
気になったところとしては、言葉の選び方に不自然な点がいくつかありました。
明らかに作品の雰囲気に合ってない言葉が使われているんですね。
たとえば江戸時代の侍が「この旅籠はサービスが良いな」と言ったり、アメリカのガンマンが「天地神明にかけて」と言ったり、宇宙人が「オー、ジーザスクライスト!」と叫ぶような、明らかに時代背景やキャラクター設定にそぐわない言葉が出てきます。
数はそれほど多くないのですが(とはいえ10箇所以上はあった)、なまじ文体がしっかりしているだけに強い違和感がありました。
あと、変な文字化けみたいな現象が起きていました。
文章が不自然なところで途切れて、途切れた部分に記号が入っていたり、接続詞が突然英語になったり、助詞がハングルになったりしているんですね。
これはほかのAIを使った小説では起きなかった現象なので、少々面食らいました。
あくまで推測なのですが、英語や韓国語の資料を参照して本文を書き、日本語に翻訳する段階で何かしらのエラーが発生したのではなかいかと思います。
こちらも上記の問題と同様、「多いとは言えないまでも、気にはなる頻度」で発生していました。
……といったところで、まとめに入ります。
■良かった点
・文体の指定をすれば、終始安定した文体で書いてくれる。
・場面の繋ぎがスムーズ。
・プロットの曖昧な部分は良い感じで補完。
■悪かった点
・言葉選びが一部不自然。
・一部の文字がおかしくなって、呪いの怪文書みたいになる。
■総合評価
・大きく手を入れなくても、小説らしい小説が出力できる(説明臭さはある)。
・なまじちゃんと書いてくるので、人間用のモック(下書き)としては逆に適していない可能性がある。人間がAIの文章やアイデアに引きずられてしまうかも。
ひとことで言えば、「とても優秀」です。
……なのですが正直なところ、お人間さんはあまりGeminiを使いたくありません。
なぜかというと、何か問題が起きたときにGoogleのアカウントごとBANされる危険性があるから。
SNSなどでは「Geminiに性的な話や犯罪に利用できそうな話を振ったら、GoogleアカウントごとBANされた(あるいは警告が来た)」という話をときどき目にします。
この種の情報がどこまで信用できるかは判断しがたいですが、現代社会で普段使いのGoogleアカウントを失うのは相当なリスクです。
創作活動にあたっては、時として「危険な」調べ物が必要になりますし、本文に「不道徳な」描写をすることもあります。うっかりGeminiに変なことを言って、Googleアカウントを危機に晒すようなことは避けたいところ。
まぁ、これに関してはしばらく様子見ですね。
といったところで、Gemini編はここまで。
次は番外編の2をやります。
Thenまた次回에 会いレましょう!




