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AI小説創造記  作者: ちゃっぴーそねっとお人間さん


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[02]なぜAI小説を書きはじめたのか

 お人間さんが初めてAI小説を制作したのは、たしかいまを遡ること5年前、2021年のことでした。

 きっかけは、ゲームクリエーターでミュージシャンの「Sta」さんが始めたウェブサービス、「AIのべりすと」です。


 お人間さんはミーハー気質なので、なにか新しいものがあると、ダボハゼのように食いつきます。

 「AIが小説を書いてくれるウェブサービスが出来た!」などという餌を垂らされたら、飛びつかずにはいられません。針ごといきます。いや、釣り竿までいく。


 初めて触る「AIのべりすと」は、なかなか面白いものでした。

 当時、自分で書いていた小説の断片を読み込ませ、AIがどんな展開を導き出すかを確認していきました。

 すると自分が想像していたよりも、遙かな自然な物語が紡がれていきます。正直、驚きました。

 しかし驚きも束の間。登場人物たちは、その場をグルグル回るように同じような行動を繰り返し始めます。

 どうやら学習する素材が少ないと、話をどう展開させていいか分からなくなるようです。

 ボタンをポチポチしているだけでは、新しい展開は生まれず、人間が適宜加筆して物語の行く先を示さないといけないようです。

 そこでいろいろ考えながら加筆していってみたのですが、気を抜くとすぐにグルグル堂々巡りが始まります。

 うーむ、どうやらかなり気合いを入れて手を動かさないと、新しい物語は生まれないらしい。

 ……とかなんとかやっているうちに飽きてしまい、「AIのべりすと」との付き合いはそれっきりになりました。

 いまはバージョンアップを経て、もっと賢くなってそうですね。



 それからわずかばかりの時は流れ、Stable DiffusionやChatGPTといった高性能なAIが次々と登場し、世界はAI新時代へと突入しました。

 西に「これからはAIの時代だ!」と叫ぶ胡散臭いインフルエンサーあらば、東には「AIは悪! 粉砕する」と怪気炎を上げる者あり。

 大学生のレポートがAIコピペで頭を抱える教授や、AIを人間以上の相談相手として重宝(依存)するメンヘラ、AIエロイラストの販売で一発当てようとする山師、その山師にツルハシとジーンズを売りつけようとする商材屋、とりあえずシンギュラリティと言いたいだけの人などなど、百家争鳴の時代に突入します。

 お人間さんはその様相を眺めながら、

「情弱乙、AIはちょっとだけ便利なただの道具。ポジティブであれネガティブであれ、AIに過剰な反応をするのはみっともない」

 とイキッておりました。

 冷笑系冷笑系、アミノ式。そんな沸騰しなくても。


 そうは言ったものの、ミーハーなのでやはり新しいものは気になります。

 Stable Diffusionを契約してエロイラストを生成したり、ChatGPTにヘンテコな質問をして困る様子を見て笑ったり、といった遊びはしていました。

 しかしStable Diffusionはお人間さんの好きなキャラクターを描いてくれない(好きな作品がマイナー寄りなので、こういうことがよく起きます)し、ChatGPTの反応はあまり面白くないし……とすぐに飽きてしまいます。

 ミーハーなので、めんどくさいと感じたらマジで1週間で飽きます。

 もうええわ、AI。もうちょっと賢くなってから出直して恋。

 特にStable Diffusion。お前。お前だよ、お前。

 お前はお人間さんの好きなキャラがちょっとマニアックな責めを受けているシーンを3行くらいのプロンプトで生成できるようになるまでは戻ってくんな。今度「doggy style,naked,girl」って打ってかわいいワンちゃんの顔した女のイラストを生成したらぶち殺すからな!

 ……みたいなことがありました。話が脱線しすぎですね。スミマセン。



 そうこうしていると、ネット小説の世界でAIが問題になりはじめました。

 AIを使ってテンプレ設定の作品を量産し、小説投稿サイトのランキングを席巻(人によっては「汚染」と言うでしょうし、それは正しい表現だと思います)する人が現れました。

 AIで量産された作品をいくつか読んでみましたが、頭の中で飼っている架空のアメリカ人のテッド(共和党支持者の白人中年男性、FPSとHentaiが好き)が「AI Slops!」と叫んでショットガンを取り出したので、そっとブラウザを閉じました。テッドの魂に平穏あれ。神は争いを望まない。

 みなさんご存知の通り、各小説投稿サイトは現在、AIを使った量産プレイへの対応に苦慮し、規約改定を進めています。見ている限り、なかなかたいへんそうですね。ふう、よかった。当事者じゃなくて。


 で、そのような狂騒を横目に眺めながら、いろいろ考えました。

 AIはすでに社会のインフラになりつつあります。我々が日常的に使っているアプリケーションや家電にも、わりかし高度なAIが組み込まれるようになりました。

 もはやAIは特別なものではなく、我々は意識せずともAIの恩恵にあずかる——そんな時代がすでにやってきています。

 「小説を書く」という行動も、AIからは逃れられません。


 そこでお人間さんは考えました。

 ——そういう時代において、AIを積極的に活用し、創作に生かすとしたらどんなスタイルになるだろう?

 いろいろなアプローチが考えられますが、AIポン出しの小説を何百作も投稿サイトにアップするようなのはひとまず論外です。面白くもなければ役にも立たないゴミを、インターネットにまき散らしているだけです。たとえお天道様が許しても、我が脳内アメリカ人のテッドが許しません。

 アイデア出しや調べ物、校閲にAIを使うのは、もっともオーソドックスな活用法でしょう。これから多くの人がそういう使い方をするようになるでしょう。


 個人的に心惹かれたアプローチは、「AIと人間の共作」というスタイルです。AIを人間の補助として「使う」のではなく、パートナーとして参加させる。

 何か面白いことが出来るのではないかと思いました。



……といったところで、長くなりしたので、今回はここまで。

まだ前置きなのに、脱線だらけになっちゃいましたね。


次からは実践編です。

ではまた次回、お会いしましょう!

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