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Ⅳ:総軍総攻撃開始 ―カリナ、大軍団を指揮する―

 今、カリナの側には複数の魔導通信兵が控えている。各軍団、各兵団にカリナが直接司令を送るためである。

 

「伝達! ネルガル解放義勇軍経由でトロール戦闘団にオルバン攻城砲での攻撃を指示! 目標! 敵魔獣!」

「了解! トロール戦闘団に伝達!」

「巨人種族のオーガのバルグジンにも、魔獣掃討戦闘に参加せよと伝えなさい!」

「了解!」


 トロールは愚鈍な種族と思われていたが、想像以上に知能が高く、またソルスター自由連合軍に参加してからはその腕力を生かして、人間なら数百人で運用すべき超大型攻城砲をトロール数人で運用する事ができる。彼等の存在は城攻めや要塞攻略には欠かせないものだった。

 さらには巨人種族もかなりの数が自由連合軍に参加していたが、今回は巨人種族でも、長距離遠征に対応可能なオーガのバルグジンのみが参加、重要戦力として剛腕を振るっていた。


「モントクラウドとドワーフには砲撃を継続! 特に敵魔獣と騎兵部隊を足止めし、圧力を加え続けなさい!」

「了解!」


 猛烈な砲撃が打ち込まれ、敵主力の大型魔獣はその威力を示すこと無く動かなくなる。エルリックが声を上げる。

 

「死んだか?」

「いえ、気を失ったか、行動不能に成っただけでしょう」


 カリナは間髪おかずに次を指示する。

 

「魔獣の行動停止を目視したら、トロール部隊とモントクラウド・ドワーフ連合は魔王城外縁の関連施設への攻撃に転じてください! バルグジンには魔獣への攻撃完了の後は魔王城外縁の関連施設の物理破壊に移行を指示してください」


 それに続けてエルリックが言う。


「魔王城は単独で存在していない。場外周辺には兵舎や工廠、幹部級魔族ための支城などがある。それらを破壊して魔王軍を機能不全に追い込むのも極めて重要だからな」

「そのとおり! 魔王軍には再起のチャンスすら与えてはなりません! 大型戦力の排除に成功したならば次は敵の守備隊勢力を壊滅に追い込みます!」


 魔導通信兵を介してさらに途切れること無く指示を下す。

 

「伝達! 自軍攻撃部隊を右翼左翼に分けます! 右翼、ルミナリアを主軸にアクアリス、グレインリーフ! 左翼、ヴァルハイトを主軸に、ガルガンダイン、ネルガル! アルカナヴァンガードの進軍に合わせて左右に移動!」


 8大国軍は初期配置から左右に別れて、中央にアルカナヴァンガードを配してその左右に広がる戦陣を組んだ。さらには――


「エーテルノヴァはエルフ部族連合、ドラゴン種族部隊と連合して魔導支援及び魔法攻撃を適時行ってください! それ以外の諸種族は独自の判断に寄り、8大国各軍の指示を受けてください!」 


 つまり、戦陣を左右の2つに分けて敵を駆逐、その中央をアルカナヴァンガードが突破し、魔王城本城へと突破するのだ。

 そして、さらに2人の猛将へと声を届ける。

 

「ルミナリアのセリアス卿、ヴァルハイトのアルトゥール卿を呼び出してください!」

「はっ!」


 カリナが呼び出すのは、名将として名高い、光国ルミナリア王室聖騎士団ルミナス・ガーダーの騎士団長〝セリアス・ダースブレイズ〟ヴァルハイト正騎士団・騎士団総長〝アルトゥール・シルバリオ〟――その両名だった。通信魔法を介して彼らの声が聞こえた。

 まずはセリアス――

  

『勇者カリナ! いよいよだな!』


 次にアルトゥール、

 

『魔王城壊滅の最大にして唯一の機会! コレを逃してはならん!』


 いずれも戦場においてその名を轟かせた名騎士であり名将であった。

 

「その通りです! これより我々アルカナヴァンガードは魔王の拠点たるダークフォージ本城への突入を敢行します! セリアス卿には右翼陣を、アルトゥール卿には左翼陣を、それぞれに統率して、アルカナヴァンガードの突入ルートを切り開いてほしいのです!」

『心得た!』とセリアス、

『お任せあれ!』とアルトゥール、

「両名と総員の奮起に期待いたします!」


 そして、アルトゥールから声が寄せられた。

 

『カリナ嬢! ご武運を!』


 その時アルトゥールはあえて勇者とも聖剣の巫女とも呼ばなかった。ただ、カリナの名を呼んだのだ。

 

「ありがとうございます。アルトゥール卿、必ずや帰還いたします! では!」


 そこで通信は終了した。

 ソルスター自由連合軍の陣形はアルカナヴァンガードを一本の矢のごとくに見立て、右翼左翼のそれぞれが左右の翼のように広がっていた。

 そして、アルカナヴァンガードの進軍と共に、左右の翼は、眼前に立ちふさがる魔王城守備隊の勢力と正面でぶつかり合う。


「総員! 打ち砕け!」

「おおおおおおっ!」 


 敵防御陣形のまさに中央、そこを猛烈な速度で追い詰め、一点突破で撃破すると、その向う側にある魔王城本城へと至る道を強引にこじ開けた。


「雑魚は構うな! 我らはひたすら魔王城に突撃するのみ!」

「おうっ!」


 立ちはだかる敵兵はひきもきらない。カリナ自ら剣を抜き敵兵の数々を迷うこと無く切って切り捨てた。

 今まさに興奮の極地、カリナは歩みを止めること無く敵防御陣形の中央を真っ向から突破する。 


「行くぞ! アルカナヴァンガード! 炎を燃やせ! 進軍せよ!」

「おおおおおおっ!」

 

 そして怒涛の勢いで駆け抜ける時、左右陣のそれぞれの軍勢から声が送られる。

 

「勇者カリナ! ご武運を!」

「アルカナヴァンガードに敬礼!」


 ついに、カリナとアルカナヴァンガードは、魔王城本城へとなだれ込んだのである。


いよいよ魔王城本城攻略戦が始まります。

カリナとソルスター自由連合軍の戦いは、最終決戦の核心へと踏み込んでいきます。

ここからの戦いも、ぜひ見届けてください。

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