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モブ令嬢の、幸せ推し活な学園生活 ~モブでしたが、女神として認められるよう皆と一緒にがんばります!~  作者: 廻り
第三章 モブでしたが、女神として認められるよう皆と一緒にがんばります!

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148 王宮での暮らし4


 そのあとは和やかに謁見が進み、国王夫妻はモニカが神聖宮で暮らすことには歓迎する意思を見せた。

 とりわけ王妃が嬉しそうしていたのが印象的で、この様子だとうまくいきそうだとモニカは感じていた。


 ただ一つ、気がかりなことは、王妃が笑みを浮かべるほどカリストの表情が冷たいように見えていたことだ。



「お疲れ様でした。私は女神らしく振舞えていましたか?」


 謁見が終わり、国王夫妻を玄関まで見送ったあと、モニカはカリストを連れて庭を散歩することにした。

 そろそろ季節は冬に差し掛かるので外は寒いが、緊張していたせいか冷え具合がちょうどよい。


「上出来だった。あいつらも従順な態度だったのが面白かったな」


 カリストは口ぶりのわりに、表情が暗い。


 モニカは今まで、カリストの生い立ちについては、父親との問題だと思っていたし、カリストの口からも父親の話しか聞いたことがなかった。


 けれど、今日の謁見で気が付いた。

 カリストにとっては母親は、話題にすらしたくないほどの相手だったのではないかと。

 だからこそソフィアも、あのような態度だったのではないか。


「カリスト。私のために、今日のような無理はしなくてもいいんですよ」

「無理などしていないさ。あのじじいが俺たちを尊重している姿は、見ていて気分がいい」

「お父様のことではなく、お母様のことです」

「…………」


 じっと見つめると、カリストは困ったような表情を浮かべてから、諦めたように笑みを浮かべる。


「モニカは察しが良すぎないか」

「そんなことないです。私がもっと早くに気がついていたら、ご両親にご挨拶したいなんて言いませんでした……」

「モニカは俺の婚約者としての礼儀を守ろうとしてくれたんだろう? それがうれしかった。だから俺も同行した。それだけだ」


 カリストは自身の上着を脱いで、モニカに羽織らせた。じんわりと彼の暖かさに包まれたモニカは、いつも自分を犠牲にしているカリストが心配で抱きついた。


「つらい過去を洗いざらい話してとは言いません。ただ、ごまかさずに教えてください。これからご両親とはどう接していくのか。私も協力しますから」


 カリストに代わって、彼の両親と良好な関係を築こうという考え自体が間違っていた。

 両親と関わりたくないというなら、最大限に配慮する。モニカにはそれをできるだけの地位があるのだから。


「あいつ……父は呪いを畏怖しながらも、親として最低限の責任は果たしていた。必要に応じて関わってきたし、これからも父とは関わっていくつもりだ。――けれど王妃は、親とは思っていない。俺を完全に拒否して、育児のすべてをソフィアに押し付けていた。それにも関わらず、俺の呪いが解けた途端に、家族だと主張してきて腹が立った。今日もモニカに気に入られようとしている姿に苛立ちを覚えた。けれど、俺のために両親との交流を深めようとしているモニカに、こんな醜い感情を持っていると知られたくなくて、言えなかった……」


 王妃のあの態度から、そんな過去があったとは想像もしていなかった。ソフィアはそれを知っていたから、モニカの質問には答えられなかったのだ。

 自分で産んだこを完全に否定していたとは。呪いせいで拒否反応が出たのだろうが、それにしてもひどすぎる。


 ゲーム的に考えると、モニカたちを牢屋に入れた国王のように、王妃もストーリーに都合よく過剰反応が起きていたとも考えられる。

 それでも呪いが解けただけで態度が急変した王妃を、カリストが許せるはずがない。彼にとっては、産みの親という事実しかないのだから。


「醜くなんてないですよ。話してくれてうれしいです」

「モニカに気持ちを打ち明けるたびに、俺はダメな人間になっていく気がする……」

「そんなこと言わないでください! カリストの感情は人間として当たり前のことです。誰しも態度には出さなくても、受け入れられない人間の一人や二人はいます。それが自分に敵意を向けていた人間ならなおさらですよ」

「そうだろうか。俺は、態度を改めた王妃を受け入れられないことにも、嫌気がさしている……」

「それは王妃殿下から直接、謝罪の言葉を聞いていないからです。謝罪されたからといって許せるとは限りませんが、態度を改めたから許されると期待されるのも、負担でしかないですよ。だからカリストは、そのままで良いのです」


『悪女役らしく~』ご予約ありがとうございます!

明日4/20出荷&配信です!

店頭には二日後くらいから並ぶそうです(地域差ありそう)←道民の感覚


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◆人物紹介◆

モニカ・レナセール
伯爵令嬢。乙女ゲームのモブ

カリスト・ビエント
教師・男爵家の養子。乙女ゲームの攻略対象(初心者用)

ルカ・フエゴ
公爵令息・騎士。乙女ゲームの攻略対象

リアナ
聖女・平民。乙女ゲームのヒロイン

ブラウリオ・ アグア・プロテヘル
王太子。乙女ゲームの攻略対象

ロベルト・スエロ
侯爵令息・宰相の息子。乙女ゲームの攻略対象

ミランダ・セーロス
公爵令嬢。乙女ゲームのルカの婚約者

ビアンカ・ソルダー
辺境伯令嬢。乙女ゲームのロベルトの婚約者

イサーク・リアマ
男爵・ルカの従兄。乙女ゲームの悪役

ルー
火属性の精霊

◆作者ページ◆

~短編~

愛のない結婚を繰り返そうとする夫に、賛同します

契約婚が終了するので、報酬をください旦那様(にっこり)

溺愛?何それ美味しいの?と婚約者に聞いたところ、食べに連れて行ってもらえることになりました

~長編~

【完結済】「運命の番」探し中の狼皇帝がなぜか、男装中の私をそばに置きたがります(約8万文字)

【完結済】悪役人生から逃れたいのに、ヒーローからの愛に阻まれています(約11万文字)

【完結済】脇役聖女の元に、推しの子供(卵)が降ってきました!? ~追放されましたが、推しにストーカーされているようです~(約10万文字)

【完結済】訳あって年下幼馴染くんと偽装婚約しましたが、リアルすぎて偽装に見えません!(約8万文字)

【完結済】火あぶり回避したい魔女ヒロインですが、事情を知った当て馬役の義兄が本気になったようで(約28万文字)

【完結済】婚約破棄されて精霊神に連れ去られましたが、元婚約者が諦めません(約22万文字)

【完結済】推しの妻に転生してしまったのですがお飾りの妻だったので、オタ活を継続したいと思います(13万文字)

【完結済】魔法学園のぼっち令嬢は、主人公王子に攻略されています?(約9万文字)

【完結済】身分差のせいで大好きな王子様とは結婚できそうにないので、せめて夢の中で彼と結ばれたいです(約8万文字)


商業作品(商業ページに飛びます)

【書籍】悪女役らしく離婚を迫ろうとしたのに、夫の反応がおかしい

【アンソロコミカライズ】愛のない結婚を繰り返そうとする夫に、賛同します

【電子書籍】推しの妻に転生してしまったのですがお飾りの妻だったので、オタ活を継続したいと思います

【縦読みコミカライズ】推しの妻に転生してしまったのですがお飾りの妻だったので、オタ活を継続したいと思います

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