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いざ王城へ

少し短いです

 目が覚めると古ぼけた部屋に朝日が差し込んでいた。そろそろ城下町に着いているだろうからここはその適当な空き家なのかな?


 先に起きていたラミューラがこちらを振り向いた。


「起きたか。今はトウヤであってるよな」

「おはようラミューラ。僕はトウヤであってるよ」

「分かった。なら早速聞いて欲しいことがある」


 どうやら昨日エヴァンたちが色々と城下町を調べてくれていたみたいでその成果をラミューラから聞いていた。


 一番最初にエヴァンと入れ替わったとき以来エヴァンの女性の姿で入れ替わったことがない。どうやら女性の姿特有のスキルで誰が魅了されているか判断出来るらしいのでどうやって性転換するのか聞いて欲しいとルシアとルナミスに頼んだところ、ルシアには「ご主人様はそんなこと知らなくていいと思います」と言われ、ルナミスには「貴方には必要ない知識よ」と言われた。


 もしかしたら聖剣とか神威みたいに僕が使えないスキルってことなのかもしれない。僕の預かり知らぬところで情報交換してるのは複雑な気分だけど。


「つまり、城下町は問題ないけど城は完全に落ちてるってこと?」

「ああ、オレもそう思う。正確には城下町の住人も魅了されてるが、敵対はしてこないってだけだから全く警戒しないのもどうかと思うがな」


 ラミューラがエヴァンから聞いた情報によれば城下町の出入りは問題ないけど王城には入れなかったそうだ。姿を見せた途端に門番が襲いかかってきたのだとか。と言うことは魅了されたその男は人が来たら襲えとお願いと言う名の命令でもされていたのだろう。それで城下町の住人には城に近づくなとでも命令すればそれだけで誰か来たらそれが魅了にかかっていない者だと分かる。まあ、本当にそんな命令を片っ端からしていったのかは分からないけど。


「それと、レネッフェの居場所は判明してないってことでいいんだよね?」

「十中八九城の中だ。城には入ってねぇからな。それに魅了は案外危険な能力だ。下手に出歩いてもメリットはねぇ」


 王城はただの飾りではなくしっかり防衛の役に立つ建物だ。わざわざ宣戦布告したのは僕を王城から遠ざけて防御を固める為だったのかもしれない。魔王城跡地は防衛機能はあまり無かったし。


「それで、いつ仕掛ける?」

「早くても夕方かな。夜の方がステータス高いしね」


 むしろ夕方から乗り込んで戦闘中にステータスが変化した方が良いまである。


「了解。そしたらちょっと暇だな」

「そうだね。城下町に出れるなら少しブラつこうかな」


 門番が襲いかかってきたってことはその騒動で何者かが近くに来てることくらいは知られているだろうからどこにいても構わないはずだ。昨日の今日で城下町の住人に追加で命令している可能性もゼロではないけど、それこそ近辺を探させて報告でもされれば居場所なんてすぐにバレる。それなら城下町を見て回った方がいい。



 僕が彼女の姿を見たのは3時のおやつとして林檎のソフトクリームを食べながら歩いていたときだった。


「相変わらずそれ好きなんだな」

「そりゃ好みは簡単には変わらないでしょ。君だって食の好みはそうでしょ?」

「あーそういやそうだな」


 名前を避けながらそんな他愛もない会話をしていたときにふと見知った顔の女性が目に入ったのだ。


「ねぇ。あれって」

「ん、どれだ?……多分そうだな。あの人だ」


 アルアリン砦で再会したのが剣の師匠であるイージスさんだったが、ここではどうやら魔法の師匠である彼女と再会することになるとは。


「魅了されて……ないよな?」

「さあ?ってこのままだと王城に入っちゃうよね!?」


 堂々とした足取りで進む彼女の後を追いかけると彼女を呼び止めた。


「カレンさん」

「勇者君と剣聖ちゃんじゃない。奇遇ね」

「お久しぶりです」


 ふわふわの髪をしたスタイルのいい黒髪黒目の女性──カレンさんはこちらを見ると顔をほころばせた。


「レネッフェの魅了にはかかってないわね。それなら一緒に行きましょう」

「少し待ってください。せめて夕方にしましょう。その方が僕にとって都合がいいんです」


 そういうとカレンさんは顔をしかめた。


「どういうこと?」

「それは──「そっちの役者は全員揃ってるみたいだな」


 僕の言葉を遮り現れたのは濁った白い髪をした男──エマモネス・ドライハイムだった。


「エマモネス。わざわざ君が出迎えてくれるとはね」

「昨日の騒動以来暇なときはここを見ることにしてただけだ。それに、レネッフェの近くにいると気が狂いそうだしな」


 そう言うと接断魔糸ユレイニアを構えた。


「2人とも。ここはオレ1人で大丈夫だから先に行け」

「ダメだ。無謀すぎる」


 ラミューラは無言で二振りの聖剣を抜いた。僕の言葉は届いていないようだ。


「……分かった。行きましょうかカレンさん」

「いいの?強いのよね?エマモネスってやつ」

「ええ。確かにあいつは強いですが、聖剣を二振り使うと決めたラミューラが負けるとは思えませんから」


 僕の言葉にカレンさんは頷くと一緒に城の中に入ろうとする。


「させるか!」


 エマモネスが道を塞ごうとするが、ラミューラがそれを許さない。いとも容易くユレイニアを断ち切りエマモネスに切りかかる。


「チッ!ならまずは剣聖から相手してやるよ」


そう言ってユレイニアに魔力を込めるエマモネスの姿を最後に僕とカレンさんは城の中へと足を踏み入れた。


 中は騎士が徘徊しており見つかった瞬間に襲いかかってくる。しかし、その悉くをカレンさんが足を凍らせることで動けないようにする。


「お見事です」

「これくらいは当然でしょう?先を急ぐわよ」

「分かりました」


 個人的には時間をかけて行きたいのだが、仕方ない。


「そう言えば、カレンさんはレネッフェにどうやって勝つつもりだったんですか?」


 その姿、声、匂いが五感を刺激するだけで魅了されるのだから魅了に耐性が無ければほとんど勝ち目なんてない。


「目を閉じて耳を塞ぎ、息を止めて魔力を感知して魔法を全力でぶつければなんとかなると思わない?」

「なるほど、確かにそれなら一撃で仕留めればなんとかなりそうですね」


 但し、仕留めることが出来なければ魅了されることになるだろうが。

前回書けなかったのはテストがありまして。

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