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魔王城跡地の地下施設

※ラミューラは女性キャラです

 エヴァン視点


 僕らは今魔王城跡地に来ている。理由は簡単。エマモネスが裏で糸を引いていると予想を立ててその居場所を突き止めようとしているからだ。


 魔族の目撃情報から幾つかの場所をピックアップした中で手当たり次第に探したのだが、見つからなかった。なんとなく魔王城跡地に赴いた際に偶然魔族を見つけた為、尾行していたらここがアジトだと予測しただけ。


「またここを拠点にしたのか。まあ、今まで見つからなかったから、結果的には良かったんだけどさ」


 出入口が判明してから案内してくれた魔族を始末する。


「魔王軍にはこういう隠れた施設が至るところにありますから最適な場所だったのでしょう」

「まっ結局バレてんじゃ世話ねーな」


 侵入したことがバレるのは時間の問題だ。慎重に進む僕たちだったが、すぐに別の魔族が現れる。


「ったく。入って5分もたってねーだろ。どうなってんだ?」


 ラミューラの言う通り幾らなんでも対応が早すぎる。すぐさまラミューラが切り捨てるが、魔族を斬った方の刀身に皹が奔る。


「チッ。コイツの特殊スキルか?」


 ラミューラは剣聖だから聖剣を持っているが、聖剣は負担が大きいにも拘わらず双剣使いなので普段使う剣と聖剣を二振りずつ常に所持している。片方が使えないラミューラは本来の実力の半分以下になる。


「ラミューラ。これを使ってくれ」

「ん?これはどんな剣だ?相当良い剣みたいだが……」

「破壊不可と切れ味上昇が付いた剣だよ」

「へぇ。それじゃ、ありがたく使わせて貰うぜ」


 ラミューラは壊れることを想定せずに、速度や威力を上げた物を得物にする。それは使い手の技量次第で剣が壊れることなく戦うことが出来るからだ。しかし、それではこういうイレギュラーには対応するのが難しい。

 だから僕はパーティー用の腰に付けられる小型収納庫に破壊不可の付いた二振りの剣を入れておいたのだ。因みにこれはトウヤから貰ったものである。


 ラミューラは一振りのみ受け取り何度か素振りをしてから鞘にしまい先へ進む。



 しばらく探索を続けていたが、出てきた魔族は全て雑魚で拍子抜けする程順調に進めていた。


 とある大きな扉を開けた先に目的の人物はいた。


「また会ったな。勇者エヴァン」

「そうだね。エマモネス。単刀直入に聞くけど、貴族を誑かしたのは君か?」

「誑かした?……ああ、そういうことか。いや、残念ながら俺じゃあ止められないぜ?」

「殺せば止まるってことかな?」

「血気盛んな勇者だな。まあ、いい。かかってきな。どのみち戦うしか選択肢は残ってねぇんだ」


 エマモネスは全ての指から出している糸───接断魔糸ユレイニアに魔力を通す。


「3対1。これまでの疲労を考えれば良い勝負になりそうだな」

「ハッ!ほざけっ!これまでの疲労?あんな雑魚がオレの相手になるかよ!!」


 ラミューラと僕らエマモネスに斬りかかり、 リリアーナは後ろで補助魔法を使い僕たちのステータスを上げる。


 エマモネスは腕を振りユレイニアを使って僕とラミューラを攻撃しようとしてくる。それを僕らは切り払おうと剣とユレイニアを合わせるが、ユレイニアがしなり剣に絡み付く。


「チッ。これが例の魔剣か。うざってぇな」

「ああ、そういえばラミューラだけあの時いなかったな。まあ、じっくり味わってくれ。まだまだ退屈させねぇからよ」


 ユレイニアで僕らの武器を取り上げようとしてくる。それのお陰で僕らは空中に浮かぶ。そのまま僕らを天井や地面に叩きつける。


「エヴァン!ラミューラ!」

「ハッ!これが勇者か?前回より弱くなってんじゃねぇのか?……さっさと聖剣を出せよ。じゃなきゃ相手にもならねぇ」


 トウヤは聖剣を使わなかったのか。なら、僕も試してみることにするよ。


 僕は炎を剣に纏わせユレイニアを焼き切る。


「舐めていたよ。でも、まだ始まったばかりなんだ。そう苛立つなよ」

「……そうかよ。なら、精々楽しみにしててやる」


 僕は剣に火と雷の魔法を込めると地面を蹴ってエマモネスに接近する。その際に何本かのユレイニアを焼きながら断ち切る。


「そう来なくっちゃなぁ!」


 エマモネスは新たにユレイニアを伸ばしこれまでよりも魔力を込める。先程までのしなやかな糸ではなく鋼鉄よりも固い糸が僕の剣を受け止めた。


「俺とお前は武器に魔力を込めるという点で良く似ている。魔法を込める魔法剣と魔力を込めることで強度などの性能を上げたりする魔剣。これで重要なのは魔力量だ」


 僕を押し退けて追撃しようとするが、ラミューラの援護で事なきを得る。


「要するに、だ。魔力=戦闘能力ってことなんだよ!」


 ユレイニアで次々と攻撃を仕掛けてくるエマモネス。それを僕とラミューラとで捌いているが、ユレイニアの能力が厄介だ。


 硬度と強度の変更と魔力を断ち切る能力。それ相応の魔力を込め無ければならないが、十二分の性能だ。流石魔剣を名乗るだけのことはある。


「それなら魔力が練れない状況では役立たずでしょう?」


 先程から準備していたリリアーナが対魔法結界を展開した。


 この魔法は結界内の魔力を乱し魔法の効力を無くす結界を作り出す。そしてこれは術者が指定した人物にだけ、その効力を無くすことが可能になる。だから事前にかけた補助魔法や僕の魔法剣など距離が離れはい魔法ならば使える。


 魔力が乱されればユレイニアに魔力を込めることが出来なくは無いだろうが、今までよりは難しくなる。そして、こちらの魔法剣は通常通り使える。


「魔力が乱れやがる。この結界の効果か?だが、魔力が練れねぇ訳じゃねぇならやりようはある」


 強引に大量の魔力をユレイニアに込める。しかし対魔法結界のお陰で込められた魔力は使った魔力の半分以下だ。にも拘わらず嫌な予感がする。


「リリアーナもっと結界に魔力を込めてくれ!ラミューラ、行くよ!」

「「了解!」」


 判断は悪くなかったはずだ。ユレイニアの魔法を打ち消す能力。これに対応する為に結界の魔力を高めて僕とラミューラで結界に攻撃する暇を与えないようにする。しかし、現実はそう上手くいかない。


 エマモネスは迷うことなく結界ではなく僕らにユレイニアを差し向ける。それを避けた場合ユレイニアが背後から来る可能性があった為受け止めることを選択したのだが───そのときのエマモネスの表情は笑っていた。


 嫌な予感。それはただ漠然と不味いと感じただけのもの。無意識に結界が破られると思ったのだ。結果としてはそのままでは結界が破られたことだろう。しかし、事はもっと厄介なことになってしまったのだと気が付いたときには既に遅すぎる。


 エマモネスはユレイニアを僕とラミューラの身体に巻き付けた途端に力が抜ける感覚が襲う。何て事はない。ただ補助魔法が無効化されたのだ。しかし、それだけでは終わらない。


 接断魔糸。僕はこれを切断だと思っていた。だが、違うのだ。接断。これは接続と切断を合わせたもの。ユレイニアは僕とラミューラの身体にかかった補助魔法を()()()それをエマモネスの身体に()()()()()。これにより本来なら不可能なはずの補助魔法の二重がけを成功させたのだ。


 僕とラミューラをリリアーナの方向へ飛ばし結界が緩んだ隙にユレイニアで強引に破る。


 ガッシャーン!


 結界の砕け散る音が聞こえる。


 状況は最悪だ。振り出しのようだが、エマモネスは補助魔法が二重にかかった状態だ。

 それに、これからは補助魔法を使うならユレイニアに身体を触れられないように気を付けなければならない。


 こうなったらもう、使うしかないか。やっぱりトウヤは凄いな。


「待たせて悪かったね。エマモネス・ドライハイム」


 僕は収納庫から光輝く刀身を持つ一振りを取り出す。


「これが聖剣エルメドートだ」

ラミューラの聖剣は次回か、まだまだ先になりそうですね。

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