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タイムリミット

少し長いです。

 とりあえず町に戻ってから安堵のため息をつく。


 危なかった。リアを連れ去られたら流石にエヴァンと合わせる顔がない。まあ、実際に顔を合わせる訳じゃないんだけどさ。


 あれから僕の身体を回収して今は僕の収納袋に入れてあるのでエヴァンでも自由に取り出せる。


 それにしてもリアが管理したいと言い出したときは焦ったな。何だか背筋がゾクッとして嫌な予感がしたんだよね。それはそれとして、エヴァンには申し訳ないことをしたな。


 帰り道でリアに教えて貰ったのだが、どうやら月末にエヴァンが咎人になるらしい。僕の遺体を差し出せばなるとかなるみたいだけど、果たしてこれで終わるのか……


 エヴァンを問い詰めてから御詫びの血液を贈ることを視野にいれながら昼食を取る為にどこか良い飲食店を探す。


「どこで昼食取る?」

「そうですね。私もそこまで詳しい訳ではありませんが、2人きりで話したいこともありますし、少し奮発しますか」

「え、そこまでしなくても防音結界張れば問題無いでしょ?」


 リアがどれ程の財産を持っているのか知らないが、あまりお金を使わせるのは申し訳無い。


「それもそうですね。窓の閉めきった暗がりの宿屋で2人きりという状況は大変魅力的かと思います」

「済まない。僕が悪かったよ。オススメのところでお願いします」

「ふふふっ。冗談ですよ。こっちです」


 リアが言うと冗談に聞こえないんだよな……。



 昼食を済ませてからはこの町を観光して過ごした。個人的にはラミューラに事情を話しておきたいところなのだが、リアの「ラミューラを探すついでに色々見て回りませんか?」という提案を了承した結果がこれだ。


 まぁ、楽しかったけどさ。


 宿屋に戻るとエヴァンに今日あった出来事を記した手紙を書いてから元の身体に戻る。


 目を開けるといつの間にか一糸纏わぬ姿でネクミスと一緒に寝ていた。


 ……あれ?これ、どういう状況?


「ネクミス。もしかしなくてもエヴァンと「違います!それは誤解です!私はエヴァンさんなんか好きではありません!」


 途端に慌てて抱きしめて否定してくる。


 お互いの肌が触合いその柔らかさに緊張するが、あくまで相手は眷属。邪な考えをしたら好感度が駄々下がりである。実際にやったことないから真実はわからないが、そんな勇気は無い。


「なら、この状況を説明して貰おうか」

「エヴァンさんが寝ていた時に入れ替わったのを感じたので既成……ん゛ん゛ドッキリをしようかと」

「ふーん。まあいいや。御詫びの品、楽しみにしてるよ」

「勿論です。私をトウヤ様の欲望を満たす道具として「ネクミス。明日にでも誰か呼ぼようか。そうだなぁ、順番で言えばルシアかな?」

「……申し訳ありません」


 彼女達も欲望が無い訳では無い。それも三大欲求ともなれば致し方無いのかもしれない。が、我々上位種族は食欲や睡眠欲はあれどもその他の欲望は薄いのだ。眷属なら主である僕に対しては尽くしたいという欲求が強いことは理解している。それが僕の世話という形だったり役に立とうとそれぞれが良かれと思って行動することに表れている。


 それにしても、みんなして僕の好意をエッチな感じで表現してくるから困るんだよね……。


 いっそのこと彼女をつくろうか、と思った時期もあったのだが、それはそれでみんなが激怒して1ヶ月はみんなでゆっくり過ごした記憶がある。

 因みに仕事をサボって、という訳では無くて、事前にソフィアが未来視やら予知夢でやることを部下に伝えていたのでなんとかなっていた。完全に能力の無駄使いである。


「エヴァンはどんな感じだった?」

「以前と変わりありませんでしたよ。本日はひたすら観光でしたね」

「そっか。なら良かった」


 特に何も問題は起きなかったし、エヴァンが咎人になるのも大丈夫だと思うし、これで懸念することは無くなったかな?


「ただ……」

「ん?」

「なにやら違和感を感じる。と言ってました。これには私もそう思っておりましたが、具体的に何がと言えず……」

「まあ、確かに僕もそれは感じてたけど」


 初めてこの街を見るエヴァンでも、いや、だからこそ感じる違和感。これの原因を探る必要が出てきそうだな。


 とりあえず起き上がって机を見るとエヴァンからの手紙が置いてあった。


 内容は……ふむふむ。なるほどね。


 どうやら以前に異世界転移について調べていた時やここ数年で遺跡を調査した時に魂の繋がりに関する資料が出てきたらしい。それを簡単にまとめたのを手紙に記したようだ。


 まず、僕がいるこの世界はルフトという名前らしい。そして、エヴァンがいる世界をロノアというようだ。初代勇者のみがこの2つの世界を渡り歩き魔王を討伐したとされている。

 ある日、初代勇者は知人によく似たような顔立ちの人を見つた。その人は好物や仕草などは同じだけど得意魔法や性格は正反対だったらしい。それからまた別の知人と似たような顔の人に会ったところ、好物や得意魔法などが同じか正反対のことはあったが、そうじゃないことは無かったらしい。


 それで、既にロノアの遺跡はほとんど調べ終わったらしくルフトでも調べて欲しいのだとか。


 ふーん。奇妙なこともあるんだな。そう言えばエマモネスは遠距離で戦うけど、もしかしたらラティアス会長は近距離で戦うのかもしれないな。


 などと僕が知っていてそれに該当する唯一の2人のことを考えてみる。正確にはシオンとシノンとよく似た人がいた記憶があるんだけど誰だったのか上手く思い出せない。


 まあいいや、特に何かしようって訳じゃ無いし、定期的に入れ替わるのも悪くないからいつになるか分からないけど会えば分かるでしょ。



 翌日


 入れ替わりを使って眷属のみんなと情報を共有した後特にやることが無いのでナフルルと2人きりで適当なダンジョンに来ていた。


「そう言えばトウヤ。昨日は観光してみてどうだった?」

「ああ、楽しかった……って!なんでナフルルが知ってるの!?」


 実際に僕が観光した訳では無いが、だからこそ、この無難な解答にした訳なのだが、そもそもネクミスと一緒に行った時点で僕だとバレないようにしてるはずだ。なんせ僕が知らないことを話題に出されたら簡単に詰んでしまう。だからこそ僕はロノアでエヴァンの身体を使ってた時にそそくさと身体を回収することにしたし、同行したのもリアだけだ。

 まぁ、エマモネスは敵だしノーカウントだよね?……後で会話の内容、共有しなくちゃ。


「たまたまトウヤを見かけたのよ。雰囲気が観光してるっぽかったから観光って鎌をかけてみただけ。それで、楽しかったってだけじゃないでしょ?」

「……凄いね。もしかしてナフルルも感じた?と言ってもこっちは何か変だなーと思っただけでこれと言った原因は分からないんだよね」

「そう……実は私もなのよね。ねぇトウヤ、私たちって(ミスト)栄光の天気(グローリーウェザー)なんだし、こういうの突き止めてみない?」


 なんともまぁタイミングの良いことだ。でも、もう何かすることは無いだろうから丁度良いのは確かだし、いずれこの違和感の正体も突き止めることになるだろうから断る理由は無い、かな?


「良いね。面白そうだ。でも具体的にどうするの?特に手掛かりも無いのにさ」

「何か変ってことが分かるんなら十分じゃない?」


 精神に影響を及ぼす魔法は存在する。だがそれが広範囲、または長時間ということならば話は別。今回はその両方なのでなんらかの宝具を用いたか、新たな魔法、魔法具の開発のいずれかしかない。それが手掛かりと言えば手掛かりのだが、それでどうこう出来る訳では無い。


「手当たり次第ってこと?ネクミスにも手伝って貰えるけど流石に全ての魔法使いや魔法具、宝具を調べるのは時間が幾らあっても足りないと思うし犯人にたどり着ける可能性は低いと思うけど?」


 ネクミスは一応第6騎士団の副団長だから事情聴取とか適当な理由を並べて調べるのは可能だけど、それは完全に職権乱用である。しかも効率が悪すぎるし犯人に逃げられる可能性も高い。


「ああ、まだ私の特殊スキルを言ってなかったわね。私がかかるはずの状態異常に対して相手を身代わりにすることよ。これは私の耐性に依るから例え相手が状態異常完全耐性を持っていても状態異常にすることが出来るの」


 なんだそのスキルは。めちゃくちゃ強力だな。並大抵の魔族ではそんなスキルなど現れないだろう。


 ナフルルの耐性に依存しているからレニーナが気絶したのも頷けるし使い方によってはかなり厄介な能力だ。敵ではなくなったことに感謝しかない。


「でもそんな強力な能力でも調査するのに関係あるの?」

「勿論あるに決まってるじゃない。この特殊スキルってそこまで強力なものじゃないの」

「へぇ。何か制約があるってこと?」

「そうなの。受けたことのある状態異常じゃなきゃダメだったり魔力を使って発動するから身代わりにする相手との距離と状態異常の強度によっては魔力が足りなくて発動しないとか、ね」

「なるほど。つまりその魔力消費量で距離を測る訳だ」

「そういうことっ。それで私が状態異常にかかるまで暇でしょ?」

「……正直に調査云々(うんぬん)はどうでもよくて僕と遊びに行きたいって言えば良いのに……」

「そんなことトウヤの眷属の前で言える訳が無いじゃない」

「一緒にどこかに行く時点でアウトだと思うけどね」


 僕の眷属は他の眷属は許容しているけど、それ以外となれば厳しい。そもそもこれまでシオンやシノン、ナフルルの3名が近くに居られたことが奇跡なのだ。まあ、義理の家族だったり絶対服従の関係だったりするからなんとかなっていたのかな?聞いたこと無いから真意は分からないけど。


「まあ、ネクミスも一緒に来ることになるだろうから問題ないと思うよ?」

「2人きりだと思ったのに……」ボソッ

「え?何か言った?」

「何でも無いわよ!」


 この会話を機にナフルルは積極的に魔物を狩って行き僕はそれをただ凄いなーと思いながら眺めるのだった。


 あんなにやる気になるなんて、何があったんだろ?正直に聞くのもかなり勇気がいるし……うん。気にしないことにしよう!

ようやくナフルルの特殊スキルの説明が出来ました。本来ならナフルルのステータスのついでにするつもりでしたが、シノンとシオンは知らなくて良いと思ったのでここで出すことにしました。


 ナフルルの能力は魔力が足りないと発動しないので埋め込まれた魔法具は魔力が足りなくてなんとかすることは出来ません。というか、そもそも初見の状態異常?なのでナフルルではどうすることも出来ません。

 余計なことでしたね。失礼しました。

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