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トロール狩り

 ナフルルが無事にハンターに成れた日の夜。僕とナフルルとネクミスでパーティ名を考えていた。


「パーティの方針から名を決めるのが宜しいのでは?」

「そうは言っても実質アルバイトというか趣味みたいなものだし」

「なら、どういうパーティにしたい、とかはありますか?」

「うーん。ナフルルは何かある?」

「トウヤ様ファーストのパーティ、でどうでしょうか?」

「それは名案ですね。ナフルルさん」

「それは迷案の間違いだね」

「なら、トウヤ様のお城のエスタルークの名を借りるのはいかがでしょう?」


 エスタルーク。四天王なら自分の拠点が必要なので、眷属たちと相談して建てた城だ。


「エスタルークか、ナフルルはそれでいい?」

「勿論です」



 翌日の放課後。早速ナフルルと一緒に適当な魔物を狩る約束をしていた。


「今回は無難にトロールでも狙うかな」


 ハンターはゴブリンとかコボルトなどの弱い魔物は狙わない。ドロップアイテムがショボいからだ。

 一方冒険者は仮に弱い魔物だとしても依頼の内容次第では狙うケースが多い。むしろ初心者だと好んで依頼を引き受ける。


 しかし、ハンターは基本的にダンジョンに潜り、魔物を狩ってドロップアイテムやダンジョン内の宝具などを売って生活している。


 冒険者はダンジョンで活動することは滅多に無い。宝具は特定の何かを狙うことなんて出来る訳がないのだから依頼なんて冒険者ギルドに来ないし、何か採取する依頼でもわざわざ魔物が多いダンジョンに赴く理由は無い。


 僕はハンターは趣味で冒険者は仕事って思っている。だからハンターになったんだけどね。


「トロールって確か青銅(ブロンズ)じゃないと狩っちゃダメなんじゃ無かった?」


 ハンターとは冒険者の依頼みたいにランクによって狩っていい魔物とダメな魔物がいる。正確には推奨されていないだけで禁止はされていない。めっちゃ怒られるけど(実証済み)。


「何の為にパーティ組んだと思ってるの?」


 パーティを組むと所属メンバーの最高ランクまでの魔物を狩っても怒られることは無くなるのだ。


 怒られるだけなのに何故こんなことをしているかと言うと、僕の眷属であるリテラナがクランのサブマスターだから面倒をかけたく無いというのもあるが、ペナルティの影響が一番強い。


 何故、誰しもがクランに入るのか。これはクランの支援がハンターをやるにはとてもありがたいからだ。

 ダンジョンの場所や特徴、魔物の系統など様々な情報があるし、回復薬(ポーション)系統や携帯食料も売っている。

 更にハンターが集まるからメンバー集めもしやすい。


 ランクに応じて年間料金を多く支払うは必要無く銀貨10枚となっている。半月ほど暮らしていける金額だが、そもそもハンターならその程度簡単に稼げる。唯一(アイアン)だけの初心者は不安かもしれないが、一年後にまとめて支払うのでその頃には十分な実力をつけているし、問題無い。


 しかし、これが払えなかったりクランの規則を破りまくるとペナルティとしてクランの雑用をやらされたり、ランクが下がるなどとにかく避けたいものが多い。

 僕もペナルティを受けたけど、その頃にはリテラナがサブマスターになっていたので、彼女の補佐をしていただけだった。まさしく職権乱用である。


「これから向かうダンジョンは青銅(ブロンズ)上位の難易度だったはずだから……そっか。パーティの誰かがそれと同等以上なら問題無いわね」


 今回狙うのはトロールの肉である。


 他にも低確率なら良いアイテムがあるのだが、今回の目的はあくまでもお金を稼ぐことである。トロールの肉は時期によって異なるが1キロあたり銀貨1枚前後だ。普通なら倒すのに時間がかかるし、肉がドロップする確率は約33%である。しかし、一気に2キロとか3キロの肉をドロップする可能性もある(これらは1キロが5割、2キロが2割5分、といった感じでどんどん半分ずつになっていき最大は5キロ)。


 普通脂肪が多いなら筋肉もあるでしょ?と思うが、トロールとかオークなどの脂肪たっぷり系の魔物は十中八九魔力によって動いているので、お肉は少ない。

 大きさの割に頑張って解体してもかき集めれば1キロあるか無いかだが、収納スキルを持っていなければ解体なんてやろうとは思わない。


 まぁ、僕らはあるから問題無いのでこれを選んだのだが、解体するのはナフルルである。


「でも、今が16時くらいだけど、日帰りで行けるの?」

「勿論。帰りは20時半時以内の予定だよ」

「ふーん。移動方法は?」

「僕のスキルを使って行く」

「まさか、転移系のスキルを持っていたの?」

「違うよ。まぁ、見てて」


 僕はナフルルをおんぶすると飛行と透過、存在隠蔽スキルを使い風魔法で加速して目的地へ向かった。



 目的地に着いたのだが、ナフルルが一向に降りる気配が無い。確かにかなりの速度で飛んだけど風魔法で空気抵抗はそよ風程度にしか感じてないはずだ。一体何があったのか。


「どうしたの?ほら、早く行こうよ」

「ちょっ、ちょっと待って……後5分だけ」


 おんぶはアウトだったかな?でも他の方法はお姫様抱っこくらいしか思い付かない。どっちもどっちだと思うからこれはしょうがないことなのかな?


 ナフルルは僕の首筋に顔を擦り付けている。これはセクハラですよね?


「流石にこれはセクハラじゃないかな?」

「ご、ごめんなさい!」


 ナフルルは僕の眷属じゃないから血を吸わなくて良いはずだけど、どうしたんだろ?あ、高い所で速く移動したから怖がっていたのかな?それなら仕方ないか。親しくない訳ではないし。


「まあ、安心するならしばらくそのままでいいよ。でも、この移動には慣れてね?」

「ありがと。分かったわ」


 それから5分後にダンジョンへと足を踏み入れた。


 狩りは非常にスムーズに行われた。このダンジョンにはトロール以外の魔物は雑魚なので僕は主にその露払いを行い、ナフルルはトロールを相手にしていた。


 ナフルルの使い魔のリエリスは月に1本ずつ確定で二種類同時に状態異常になる針をストックしておくことが出来て、三種類同時は1年で1本、一種類なら1週間でそれぞれ1本ずつストック出来る。

 これらの確定状態異常は重ねがけが不可能というデメリットがあるのだが、確定で麻痺とか眠らせることが出来ることは心に余裕が出来る。


 現に現在2時間程経過した時点の確定針の使用は眠り単独と麻痺単独が1本だけで成果はトロールを12体倒してドロップしたお肉は6キロとなった。


 18時半過ぎか、そろそろ軽い夕食にするかな。


 ナフルルが13体目のトロールを狩るのを待ってから結界を張って安全を確保してからダンジョン内で夕食を取る。


「ダンジョン内でこれは凄いわね。これならパーティに1人は収納系統を持ってる人が欲しいわ」


 今日はこのトロール狩りが終わったら食堂で本格的に食べる予定なので今はフライドポテトを食べている。やっぱりこういう揚げ物は出来立てじゃないとね。


「影魔法3級以上か収納系統のスキルを持っているのはレアケースだからね」


 魔法は習得する為のSP消費がスキルよりも多いので中々手を出しづらいし、収納系統のスキルだって才能があれば(SP消費量が少ないなら)大抵の人は商人になる。そもそもそんな才能を持っている人は少ないからわざわざどこかのパーティの荷物持ちをするメリットはないのだ。


 因みに収納系統を才能が無い人の習得の平均SPは18である。


「じゃあそろそろ再開しよっか」


 19時少し前あたりで休憩を切り上げ、トロール狩りを再開する。


「今日はダンジョンのボスであるキングトロールを狩ったら終わりにしよう」


 ダンジョンのボスはランク毎に復活する間隔が決まっていて、青銅(ブロンズ)は1ヶ月で復活する(その間でも他の魔物は生まれる)。ボスはダンジョンから出ることは無く2体以上存在することも無いので人気が無いダンジョンのボスは基本的には放置されている。


 今回のダンジョンは決して人気が無い訳ではないのだが、人気がある訳でも無い。キングトロールのドロップアイテムは非常に扱いづらい物が多く、需要は高くないのが原因だろう。


「分かったわ」


 現在地は5層。青銅(ブロンズ)ランクのダンジョンは6~9層なので9層なら少し遠いが、ここは7層なのでサクッと終わるだろう。



 30分もかからずにボスまで来てしまった。まぁ、ナフルルがトロールに慣れたことでより速く移動したから当然と言えば当然なのだが。


「それじゃあナフルルはここで見ててね」


 ボスがいる階層は基本的にはボスが得意なフィールドになっている。

 今回の場合は毒ガスによる永続ダメージのフィールドだ。


 ナフルルは特殊スキルで自身の状態異常を無効化しつつ任意の相手を身代わりにすることが出来る。

 これはあくまでナフルルの状態異常を強制的に身代わりにする為、状態異常無効化のスキルがあったとしても状態異常にさせることが出来るので以前レニーナを気絶させたのはこれを使ったからなのだ。

 しかし、相手に状態異常は重ねがけしても効果が上がる訳ではないから今は役に立たないけど強力なスキルだ。


 キングトロールは自然回復(大)によって毒ガスのダメージより回復量が上回っているので長期戦で倒れることは無いどころかどんどん回復していくことが脅威なだけでそれ以外のスキルがある訳でも魔法が使える訳でも無いただステータスが高いだけの魔物だ。


 僕は毒ガスを風魔法で避けることも出来ない程充満していることを確認するが、僕には状態異常無効化があるので関係ない。


 ここで時間をかけるのも馬鹿らしいので速攻で仕留めに行く。


 僕は闇魔法の黒い弾丸(ブラックピストル)でキングトロールの心臓と眉間、喉元、両足の5ヶ所を撃ち抜く。そして流れ出る液体を血液魔法を使い全て抜き出す。


「さ、帰ろうか」


 キングトロールを倒したことで現れたドロップアイテムを回収してダンジョンから出る。キングトロールを狩るのにかかった時間は1分も無かった。

ナフルルの特殊スキルを書くのを忘れていたのでここで少し触れておきました。名前とかはまだ決めてないんですけどね。

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