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僕のツンデレって誰得でもないよね?

少し長いです。(気持ちだけ)

 いつも通り登校するとギーランが笑顔で挨拶をしてきた。


「元気そうだね。何か良いことでもあった?」

「分かるかい?表情を隠していたんだけどね。ってトウヤ、僕まだ魔法解いてないけど?なんで分かった?」


 ギーランが訝しむ目で僕を見つめてくる。


「伊達に飛び級してないってことだよ」

「トウヤの実力なら栄光の天気(グローリーウェザー)になれると思うけど、違うよね?」


 例年、どのクラスも栄光の天気(グローリーウェザー)の人数は同じだった。

 しかし、全てのクラスの招待状が届いたのなら僕が栄光の天気(グローリーウェザー)でなくとも何もおかしいことはないはず、むしろ当たり前と思うが、未だに他のクラスの栄光の天気(グローリーウェザー)が何人いるかは分からない為、極僅かに可能性はある。


 実際そうだけど、バレると色々面倒なことが多いんだよね。


 僕が隠しているのはあくまでも異世界転移のこと。僕の実力、眷属などを隠したいのはそういった理由だ。


 因みに飛び級してしまった理由としてはステータスの偽装の時にそこそこの実力があるとバレてしまったことが原因で、シオンとシノンは僕が教育したから飛び級が可能になった。


 この御時世、レベルが低い者は珍しくない。何せ、最高レベルは100ときた、以前の世界だと最高500だったのに。


「流石にそこまで凄いとは思ってないでしょ?」

「まぁね。でも相当優秀だとは思ってるよ」

「それは光栄だね。それで、良いことって?」

「良いことって訳ではないけど、ほら、ナフルルさんが今日、お休みなんだよ」


 つまり、朝は穏便に過ごせたってことか。


「なるほどね。っと、そろそろホームルームの時間か」

「ほんと、トウヤっていつもギリギリだよね」


 確かに僕は少し話したらホームルームが始まる時間で登校することにしているけど、そこまでギリギリではないはずだ。

 ま、ギーランからすればギリギリなんだろうけど。


「このタイミングがベストなんだよね」


 教室にミシュノ先生が入って来て、欠席や連絡事項などを伝えてホームルームは終わる。


 連絡事項と言っても双子の生徒は気を付けて、とか当たり障りのないことだ。


 そして、欠席の連絡にはギーランの言っていた通り、ナフルルの名前があった。



 午前の授業が(つつが)無く終わり、僕はシノンとシオンの3人で昼食を取っていた。


「じゃあ、魔王の子供の双子は2人とも休みなんだ」


 弟のリオはシノンと、姉のリナはシオンと同じクラスで姉弟そろって栄光の天気(グローリーウェザー)の一員と噂されている。因みに、次席のリオは確定だ。


「トウヤのクラスでは栄光の天気(グローリーウェザー)のナフルルって子も休みなんでしょ?絶対何かあるわよ!」


 シオンが興奮気味に話すが、些か気が早いのでは?と思ってしまう。

 シノンも「何を言っているのですか?」と言って呆れている。


「何よ!みんなして私を残念な子供みたいな扱いをして!」


 残念な子供だと思うの確かだが、今回の件は僕も怪しさを感じている。


 念のためにレニーナの居場所を確認するが、レニーナもお昼休憩なのか、移動していない。


 あの辺りに飲食店は無かったはずだけど、そもそもレニーナはいらないか。


 ただ探すのに疲れただけだろう。そのときは軽い気持ちで捉えていた。


 午後の授業が始まり、欠伸を噛み殺しながらなんとなくレニーナの居場所を確認する。


 どうしても座学は眠くなってしまうものだ。それが、魔法関連という得意分野なら尚更眠い。


 が、その眠気もレニーナの居場所を確認した途端に綺麗さっぱり無くなった。


 空中?……それもゆっくりだが移動してる。どういうことだ?


 レニーナに相手の居場所を突き止める為に色々調べて貰ってるが、彼女の移動速度はもっと早い。

 それに、半日程走ったくらいで疲れる様な体力では無かったはず。


 レニーナがサボることは考えられないし、仕事が終わったのなら僕の部屋に戻っているはずだ。


 これはシオンの予感が的中したみたいだ。


 仕方ない、早退でもするか。

 もしこれで、レニーナがサボっていたとか、景色を堪能するのに丁度良かったとか、そんな理由だったら……。うん、そんなことは関係ないね。


 なんだかんだ言って、僕は眷属には駄々甘だ。眷属にツンデレとか言われるけど、僕のツンデレなんて需要ないでしょ?


 地味に気にしてるが、眷属はそんなところも好きとか言ってくれる。

 眷属化に一種の催眠能力があるのかと疑ってしまい、一回だけ眷属化の能力について、催眠能力専門家に見て貰ったけど、特に異常はないらしい。

 そもそも、僕の眷属って事情が事情なだけに、なんとも言えない。


 とりあえず、僕は体調が優れない為、早退することを先生に伝えると寮に一度戻り、荷物を影にしまうと、存在隠蔽と飛行を発動させてから寮をあとにする。


 暫くして、レニーナがいると思われる辺りまで来たのだが。


 魔力を纏ってるし、強引に突破は無理か。仕方ない、入り口を探すかな。


 と、探すこと30分。


 こりゃ外からは開かないな。かといって、中から開けて貰うなんて出来ないし。


 入れ替わりを使ってもレニーナが捕まってるのが予想出来るこの状況では無意味。


 んーどうするかな?と、悩んでいたらルーエルが急に話しかけてきた。


『さっさと私を頼りなさいよ!!』

『うわっ!?なんだよ急に。こっちは忙しいんだけど?』

『何よ!この私が、邪魔だって言いたい訳?』


 邪魔だと言いたいが、それを口にするのは面倒ごとを引き起こすのは目に見えている。


 故に無言になったのだが、普段はバカっぽいルーエルも流石に気付くのか更にお怒りの様だ。


『無言は肯定とも受け取れるってことくらい知ってるわよ!全く、私をなんだと思ってるのよ。はぁ……仕方ないから今回は特別に許してあげるわ』

『ごめんって、それで何か方法があるんでしょ?』


 ルーエルはバカだが、消して無能ではない。故に天然で「このくらい余裕じゃない?」とか言ってなんとかしてくれる可能性は十分にある。


『まぁ、ね。とりあえず私を呼び出しなさい。後は私がやってあげるわ』


 言われた通りにルーエルを呼び出すと、ルーエルは僕の頭の上に乗り、左翼を広げた。


 魔力を纏ってる黒い羽が一枚だけレニーナがいると思われる辺りへ飛んでいく。


 羽が何かに当たったかの様に動きを止めると透明な物体に纏わりついていた魔力が消え去った。


「ふふん!どうよ!私だってちゃんと役に立つのよ!」

「凄いな。ありがとう。これでレニーナのところへ行ける」


 くっきり姿が見える要塞の様な飛行物体の内部へ透過を発動することで侵入する。


 丁度レニーナの元へ出たのはいいが、タイミングが良いのか悪いのか。誰かと遭遇してしまった。


「あれ?貴女はナフルルさんだよね?どうしてここに?もしかして、貴女も捕まったの?」


 レニーナが捕まった相手なら誰が捕まってもおかしくはない。

 そう思っての質問だったが、彼女は首を横に振った。


「いいえ。私は捕まえた側よ」


 そう答えたとほぼ同時に僕の背後から恐らく睡眠薬を染み込ませたであろうハンカチで僕の鼻と口を抑えていた。


 しかし強制的に眠らせるのは状態異常の範囲内なので僕には効かない。


「いいや。捕まる側だよ」


 僕は彼女の両手首を掴み彼女の頭の上に持っていき地面に押し倒すと影から空間固定(スペースロック)の鎖(チェーン)を取り出し、ナフルルに投げつけると自然と絡み付く。設定した時間は150分だ。


 腕を上げ、両足を開くという体制は些か卑猥だが、彼女と僕の身長差的に両膝を開いて抑えるしか思い付かなかったし、それに伴い片手で相手の両腕を抑えるには相手の頭の上がやり易い為、仕方なくその体制になってしまっただけで、疚しいことは一切ない。


「私を辱しめるつもりですか?」


 相手がそう思ってもしょうがないが、レニーナが誰にやられたのか分からない為、とりあえず拘束しただけだ。


「僕はしないけどね?そんなことより彼女を拘束してる鍵は?」

「貴方に教える義理はありません」


 適当に答えて手錠をかけられ一本の柱に縛り付けられているレニーナを解放すべく鍵の在り処を聞くがとりあってくれない。


「レニーナ()()()


 レニーナが起きてくれたらすぐに解決出来ることだと思った僕はレニーナを起こしてみる。


「んーあれ?トウヤ様?おはようございますって!も、申し訳ありません。私が失敗したばかりにお手を煩わせてしまいました」


 眷属って僕のことをなんだと思ってるんだろ?そんなに上下関係に厳しくしたつもりはないんだけど。何がいけなかったのか。


「大丈夫だよ。僕がレニーナのことを勝手に心配して来ただけだし、眷属のことなら迷惑だとか思わないからさ」


 僕はレニーナに優しく微笑みかける。


 さっきの会話中に少し観察してみたけど、どうやら拘束してる手錠には魔力が通っているらしくレニーナ一人では抜けられない様にしてある。考えてみれば当然か。


「で?もう一度聞くけど、鍵はどこ?」

「………………。」


 あくまでも無言を貫くつもりか。


 僕が何もしないならそれでもいいけど。眷属がやられているのに何もしない程、僕は甘くない。


「なら、脱がしていくしかないか」

「「え?」」


 ナフルルはともかく、レニーナまで疑問の声を上げる。


「いや、何でそんなに驚いてるのさ。ここって微量だけど、魔力を帯びてるからすり抜けられないからどのみち鍵がいるんだよ?

 それに他にいい案が思い付かないならしょうがないと思うんだけど」


 そう言ってから僕はナフルルの靴から脱がしていく。


「い、嫌。やめてください。お願いします」

「なら、鍵の在り処を教えてくれる?」


 まだ、靴と靴下、そして制服の上を脱がせただけなのにも関わらず、既に彼女は涙目だ。が、まだ教える気はない様だ。


 これ以上脱がせたら本当に不味いと思うけど、どうしよう?

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