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5、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜 第5章 原点回帰編  作者: Nao9999


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第120話 約束の公園

母の手紙に記されていた場所へ向かう主人公。


そこは、国道沿いにある小さな公園だった。


母が最後に託した想いとは何なのか。


そして、白い少女が再び主人公の前に姿を現す。

ロードバイクのタイヤが、国道の端を軽やかに転がっていく。


夏の風が頬を撫で、遠くでは蝉が力いっぱい鳴いていた。


主人公は胸ポケットから、一通の手紙を取り出した。


何度も読み返した母の手紙。


少し色あせた紙には、小さな公園へ続く地図が描かれている。


「もうすぐだな……」


独り言をつぶやきながら、ゆるやかな坂を上る。


やがて視界の先に、小さな公園が見えてきた。


色あせたベンチ。


古いブランコ。


小さな滑り台。


決して広くはない。


それでも、不思議と温かい空気が流れていた。


ロードバイクを木陰に止め、ゆっくり園内へ足を踏み入れる。


その瞬間だった。


ふわり。


一陣の風が吹く。


風に揺れる木々の間に、白いワンピースの少女が立っていた。


主人公は思わず目を見開く。


「また……会えたんだね。」


少女は何も答えない。


ただ優しく微笑み、公園の奥へ歩き始めた。


主人公は急ぐことなく、その後を追う。


少女が立ち止まったのは、大きなクスノキの前だった。


根元には、小さな石碑がある。


長い年月を経て文字は薄れていたが、丁寧に磨かれていることが分かる。


主人公はしゃがみ込み、そっと石碑に触れた。


その横に、小さな缶が半分土に埋まっていることに気付く。


「これは……。」


慎重に掘り起こすと、中には何枚かの折り畳まれた紙が入っていた。


一番上の紙を開く。


そこには幼い字で書かれていた。


『やさしくしてもらったから、こんどはぼくがやさしくします。』


主人公は息をのむ。


次の紙を開く。


『おかあさんみたいな人になります。』


さらに別の紙。


『ないている人をわらわせたいです。』


どれも子どもたちの素直な願いだった。


読み進めるうちに、主人公の胸は温かさで満たされていく。


「これが……約束。」


思わずこぼれた言葉に、風が優しく応えるように木の葉を揺らした。


ふと顔を上げると、白い少女は石碑の向こうを静かに見つめている。


その視線の先には、一輪の白い花が咲いていた。


主人公が近づくと、その花のそばには小さな黒糖飴が一粒だけ置かれていた。


新品ではない。


少し古い包装。


けれど、その包み方には見覚えがあった。


幼い頃、母がいつもしていた結び方だった。


主人公は震える手で、その黒糖飴をそっと手に取る。


「母さん……。」


自然と涙がこぼれる。


白い少女は穏やかな笑みを浮かべると、また風の中へ溶けるように姿を消した。


主人公はしばらくその場を動けなかった。


やがて涙を拭き、空を見上げる。


青空は、どこまでも高く広がっていた。


「まだ……旅は続くんだね。」


そう呟き、主人公は黒糖飴を大切に胸ポケットへしまう。


その時、遠くからゆっくりと誰かがこちらへ歩いてくる足音が聞こえた。


主人公は静かに振り返る。


そこに立っていた人物を見た瞬間、思わず言葉を失うのだった。

第120話を読んでいただき、ありがとうございました。


今回は、母が残した地図の場所である公園を舞台に、優しさの積み重ねを感じられる一話となりました。


次回は、公園に現れた人物との出会いを通して、母や大富豪へと繋がる新たな真実が少しずつ明かされていきます。


引き続き、主人公の旅を見守っていただけると嬉しいです。

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