間話 下神編
どうも下神じゃ。
しもかみ。神だけに、濁らんからその辺よろしく頼みたいの。
さて、わしのが何をしていたか少し話そうかの?
基本は何もしない…ちょっと言い直すと、神なのに何もできないワシじゃが見守ることはできる。
そう見守っているだけじゃな。
あくる日もあくる日も、地球という星から来た人間を見ておった。
しかし大した見所はなかったかの?
カニだかエビだかそんなやつと戦ったとこは、少し白熱しすぎて危うく落雷とかで干渉しちゃおうかと考えたがな。その程度じゃ。
しかし、どうじゃ今日はいい一日じゃったわい。
良いものを見せてもらった上に、最近忘れられてるなぁと思っていたから思い出してもらえて良かったわい。
こうして登場できるのも祈りをもらえたからじゃ。少し感謝せねばならん。
しかし、奴隷と取るとはなかなかに許しがたいのう。いくら自然の摂理とはいえ、やはり平穏と平等を祈ってしまう。しかし平等の定義も神になると少し曖昧じゃな。
全てのものに等しくというのは、人間の考えだからのう。
真に平等であるなら、頑張ったものにはその報酬を得る権利があるが、運とか偶然も世の中にはあるからのう。…少し余談であったか。
しかしあの子は一体どういうつもりなのじゃろうか?気になるのう。
もっとも、当初は予定していた方角とは違う方向に行きおって、お陰でこちらの思惑がずれてしまったわい。唯一干渉できそうな、転移を無駄にしてしまったな。
あのまま行っていれば、わざわざ木こりにならんでもハンターになれたのに。
地球人というのはもの好きなものだな。
しかしあれがなければ、あの少年や奴隷の子らに会うことはなかったはずじゃ。
これが真に彼の意思なのか、はたまた操られていそうなるように仕向けられたのかは、まだわからないじゃろう。
「「ここはもう少し待つ必要がありますな」」
「むむむ、お主たちは…」
「そうです。もう少し様子をみよう」
「お主まで…なんじゃあの子がお気に入りかのう?」
「そりゃあ、そうだろう。短剣に俺の名前をつけたんだ。きっと俺にたどり着く。それまでは見物じゃ。幸い時間はまだあるだろう?」
「…」神は答えなかった。
「え、もしかして本当はそんなに時間無いのか?」
「あ、いやまだ人間が生きるスパンならともかく、お主らは寿命が長いからなどうじゃろう?? 」
四人というか四匹は何も話さなかった。
今はまだ寝ているだけの少年が、いつか自分を訪ねる可能性もある。
ただそうなった時には渡そうと思っていた力を早期に授ける必要がある。
そう考えた4匹は少し身の回りを整理をするのだった。
「やれやれじゃな」
さてあの子の様子をじっくり堪能するかの。




