拝啓 転職しました(12)
宴会は食堂で行われた。
メンバーは、ヴァイラルさん、鋼の翼パーティ、エブリン、俺とレイラ、シュリだ。ほぼフルメンバーといった感じであった。
カイとコウにシュリもまだ成長期だから飲まない方がいいということで、三人はノンアルだ。炭酸ジュースなんて気が利いたものはないから、お茶みたいな飲み物だった。ちょっと飲んでみたが、ほうじ茶?の薄い感じであった。不味くはないと思う。
大人組は、お酒だ。この世界のお酒は蒸留酒。基本はロックか、ショットのストレートで飲むのが普通らしい。あとは果実酒もあるが、高いからなのかあまり飲まれていない。
レイラも問題なく飲める年齢なので、勧めて飲ませているがあまり変化はなさそうだな。ほんのり赤くはなっているが・・・よく見ると色っぽいな。
ヴァイラルさんとミミロルちゃんはたしなむ程度といった感じで、ウイングさんは俺と張り合うように飲んでいるが、昨日から思っているがお互いに笑い上戸なのだろう飲んでいてすごく楽しい。
エブリンは、俺たちと同じくらい飲んでいるが、あまり変化ないな。身体が大きいからだろう。酔うのも大変だと思ったら、昨日一昨日と飲み歩いたらしく、お金がなかったらしい。
そんな話を聞いては、黙ってられないのがヴァイラルさんだ。明日でお別れなのだからとカンパをくれた。これでエブリンは飲むことを決意。上機嫌で笑っている。いいことだな。
皆が飲み進めたところでシュリの話題になった。
もちろん誰も、何を言っているかわからないので俺が通訳だった。
たわいもない話であったが、年齢は16才くらいであるらしい。いちいち出生を細かくつけていないらしい。あとは、獣族の国で生まれ高い山の方に暮らしていたという。
最近、両親に売られて馬車に乗ってこちらに来たという。
奴隷になったことに関しては、しょうがないが両親のためとのこと。
あとちゃんとご飯が食べられるからいいかと思っているらしい。
ただ勉強とか何かを覚えるのとかは苦手らしい。実に面倒なところが猫らしい。あ、山にいたならヤマネコかな?オッドアイだから混ざってる可能性もあるか?
ちなみに両親はともに獣族だったとのこと。
「ヴァイラルさん!獣族というのは、みんなしゃべる言葉が違うのか?」
気になったので聞いてみることにした。
「この辺の獣族はみんな人間の言葉をしゃべる。これは教育されたからだね。獣族の国に行くともちろん獣族の言葉があるが、基本は通訳を頼むから、あまり気にしたことはなかったね」
うーん、そうするとシュリが特別だということかな?気が向いたら調べておこう。
会は進み、ウイングさんがつぶれ始めた。俺もエブリンもフラフラだが、ここで治癒魔法を使ったら飲んだ意味がなくなっちまうらしい。男なら朝まで我慢が基本だ。
「では私はここで失礼するね。エブリンは明日の便で買えるのだろう?遅れないようにね?では」
そういって帰っていった。さすが商人引き際が分かっている。
ここで問題が一つ。ミミロルちゃんが酔っ払って動けないのだ。どうしようかと悩んでいるとカイとコウが二人を連れて帰ってくれるらしい。そんなで鋼のパーティも帰っていった。
「明日からはライバルだ!戦場で会おう!!」酔っ払ったウイングさんは少し冷静さを失う。
「こちらも困ったな」レイラもシュリも結局飲んだのかな?まぁこの世界では15才を過ぎれば飲んでもいいらしいし。いいんだが...
ここで寝られるとちょっと困るな。
「片方は俺が連れて行ってやろう」エブリンがそういうとレイラを抱っこしてくれた。
おれはシュリをお姫様抱っこして部屋に向かう。
今日はこのベッドに三人か。まぁ両手に花と思えばいい気分だな。
そうして寝かし終わった後
「また明日な!ちゃんと見送るよ」
「あぁ。楽しかったな。また飲もう」
「うん」そんな会話をして別れた。
いい一日だったな。そう思いながらベッドに寝た二人を見ていた。




