拝啓 転職しました(8)
店内を見まわすと、魔法陣付きの道具があった。
宿にもあった水が出る甕か?いくつか同じようなものが置いてある。
一般的に使われているものなのだろう。
水を汲みに行かなくてもいいしな。まぁ魔力があればなのだろうが…
他には、火をつける道具も置いてあった。
あとは水が出てお湯にする甕もあるな。
どれもハンターにはそんなに役には立ちそうにないな。あれば便利くらいだろう。あえて言うなら火起こしだろうか、安いようなら後で買おう。
欲しいものそんなにないが…やはり下着とかその辺だな。選択と洗濯もできるように数枚買っておきたいな。
「アラタくん、これうちの妻のお古なんだが…二人にどうかね? これなら装備の下に着るのにちょうどいいだろう」
「そうですね!大きさはちょうどよさようですね」
「これならもちろんお代はいらないから。 ちなみにアラタくんには、私のお古もあるが…」
「ありがたくいただきます!!!」少し商人感が出てしまうが、よさそうな生地をしているので即答でもらうことにした。しばらくは節約しなければいけないしな。
「二人とも、こっちに来てくれ!」
呼ばれて二人とも寄ってくる。
「これヴァイラルさんの奥さんが着ていたものだが、いただけるそうだ。まだ着れそうだし、ありがたく着させてもらおう」
「はい。ありがとうございます」
「シュリもちゃんとお礼を言うんだ。人間言葉でね! あ り が と う」
「あ り が と う」少しカタコトなありがとうだったが…伝わったよな?
「二人とも何か欲しいものあったか?」
「はい。私は下着をいくつか…よろしいでしょうか?」
「もちろんだ! それだけでいいのか?」
「はい。当面はこれでなんとかしようと思います。まずはお二人の防具を優先してください」
「そうか。 すまないな。助かる」
「いえ、ご主人様の安全が第一ですから」
一瞬だが、見つめあった。一瞬、心が通った気がした。
「シュリも何か欲しいものあったか?」
「わたしは下着があればいいにゃ。あと少しお腹が減ったにゃ」
「そうなのか? やはり奴隷商人のとこではあまり食べれないのか?」
「そうにゃ。ギリギリの量しか与えられにゃいからにゃ」
「そうか。まだ武器と防具を買いに行きたいから、もう少し我慢できるか?」
「はいにゃ」
「ヴァイラルさん、これ三人とも下着ばかりで悪いが会計をお願いします。あと二人用の革袋と火をつける魔法陣の道具をもらえます?」
「使い方はわかるかね? ここに魔力を通せば、通している間は付いているから明かりのわかりにも使えるね」
「値段はいくらなんですか?」
「これは金貨2枚で、そっちは金貨2枚ほどあるが、収納袋と合わせて13枚でいいね。それよりも死なれては困るから防具は必ず装備してね。これ手紙を書いておいたから武器屋の主人に渡してくれれば、少しは話が通じるだろうね」
「ありがたくございます」俺は金貨を渡しながらお礼をいった。
「あぁ、ちゃんと15日後にまた来てね。待っているからね」
「はい。それでは行きます」
そういって店を出た。
もう一度振り返るとヴァイラルさんが見送ってくれている。
「武器屋ってどっちですか?」
なにから何まで迷惑をかけて申し訳なかった。




