拝啓 転職しました(3)
案内された二階の部屋。
そこは天国であった。
といっても神がいるわけではない。見渡す限り女の奴隷が並んでいたのだ。
「ここの階は若い女性の奴隷だ。人と獣族が主ではあるが…彼女なんかは若いエルフだな」
「彼女は……いくら?なんだ?」人間の値段を聞くのは少し違和感があったが、まぁしょうがない。俺にはどうすることもできないし、そういう社会システムなのだから
「彼女は、まぁ値段を聞いても手が出ないだろうが…参考までにいうと、金貨2000枚だな」
「2000枚!!! 」
2000枚というと日本円でいくらくらいなんだ?しかし宿が銀貨なのだから…すぐに計算できん!!!間違いなく高くて手はでないな。
「エルフの女は貴重ですから。しかしこれでも結構歳は取っている方で、50才くらいですな。寿命が人の倍ありますから、若い期間も長いですし… まぁ貴族相手の値段ですな。お気を悪くしないよう」
そういって深々とおじぎをした。
「ところでどうでしょう?どれか気に入った者はおりますかな?」
「いや、俺はレイラ一人で十分です。それに持ち合わせもあまりありませんしね…」
「値段ならそこまで気になさらなくても、なんとかいたしますよ。分割でもお受けいたしますし。見たところ…ハンターですか?」
「駆け出しですが、いちよう…」
「ハンターの方でしたら、信用でしばらく支払いをお待ちいたしますよ」
「信用ですか…借金をしてまで欲しいものではないですからね」
「そうでしたか。コレは失礼いたしました」
バカなハンターだと思われてるに違いない。まぁいい鴨だもんなぁ、田舎で世間知らず…いいカモ。
「ちなみに金貨30枚ほどで買える奴隷はいますか?」
「その金額ですと、なかなか若い女性は厳しいですね… どこか妥協していただければいけるかもしれませんが…」
「妥協ですか?」
「ええ。 容姿、技術、魔力もしくは戦闘力。この辺の技術が高いものが価値ある奴隷として高く取引されます。あとは女性ですと夜の方の可否も重要ですな」
妥協するとしたら…技術と魔力あたりかな?しかしそれだとパーティを目的達成が、あやういな?
やはり全て捨てづらいなぁ…
「一人紹介してもよろしいでしょうか? 」そういうとフェルミさんは一人の獣族を手招きで呼んだ。
「彼女はネコ系の獣族ですが、言葉が喋れません。こちらの言っていることは理解して行動できるのですが…正直言ってオススメはできませんが、手持ちの金貨で購入可能ですな」
ネコ属の娘は、まだ若い。ネコミミがいい感じで撫でごたえもありそうだ。目の色が左右で違うのは確かオッドアイだったか?よく見ると耳の毛の色も左右で違うな。尻尾をピンとさせて、元気溌剌と言った感じではあるが、喋れないのが玉に瑕だな…
「喋ることができないのは、病気なのか? 直すことはできないのか?」
「病気では無いと聞いております。じっくりと教えていけばあるいは…」
「教えるのか…」 それって本人のやる気がないだけじゃないか?ネコだから気まぐれにサボっているとか??
まぁどちらにしても、若い娘が増えるのはありがたいし、なによりあの値段なら文句を言ってはいけない気がする。
「わかりました。それでは金貨25枚でどうでしょうか?正直なところ言葉がわからない奴隷はこちらも売りにくいですからな。早めに取引をしてしまいたい」
「わかりました。 その条件で買いましょう!!!」俺はそういうと右手を差し出した。
取り引きの成功を知らせる握手が交わされた。
二人とも笑顔が溢れる。両者満足のいく取り引きだったに違いない。
「それでは、先ほどのハーフエルフ殿と彼女の登録を行いましょう。ちなみに戦闘ができる男の奴隷もおりますが見ていかれますか?」
「いえ、結構です。また必要とあらば寄らせていただきます」
そういって急ぎばやにその部屋を後にした。
ムキムキの男が待つ部屋に連れていかれるのは勘弁だからな。
始めて誤字報告頂きました!噂では便利だと聞いていましたが、本当に便利な機能ですね!これからは誤字に気をつけるのが一番のですが、報告いただけると助かります。報告いただいた方ありがとうございました!




