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拝啓 転職しました(2)

奴隷商人の店の前に着いた俺は早速店に入ることにした。


「店というよりは館だな」


大きさは世田谷にある芸能人の家を超える大きさである。 外観は貴族の家と言われても信じるくらい豪華だ。


「扱う商品が人ですからね。買う客層もそれなりの方ですし、金額も多いければその分利幅も多いですから」


「意外と博識なんだな」


「え、ええ。 こう見えても商人の奴隷でしたからね」


「あぁ、すまない。 そういう話しではなくて、単に物知りたんだなと褒めただけだ」

うん。もちろんそれが本心である。


「お褒めいただきありがとうございます。では早速登録をお願いしましょう」


「おう」


そういって入ろうとするとドアが自動で開いた。

自動ドア?

ではなく、中から執事の様な服を着た中老の男性がドアを開けてくれたのだった。


「いらっしゃいませ。 ようこそおいで下さいました。 中へどうぞ」


立ち止まることなく、中へと入ることができた。

さすが執事さんだ。たぶん個々の主人ではないだろうな。服装的に。


「本日はどういったご用件でしょうか?」


「奴隷の登録をお願いしたい」


「そちらのハーフエルフ、登録でしょうか?」


「そうだが…できないのか?」


「いえ、登録は可能かと思いますが…失礼ながらすでに奴隷登録をされているのでは?」


「そうだな! 前の持ち主から買った形になるのだが…」


「そうでしたか。 その場合登録した際に発行されるカードもしくはギルドカードが必要になります。登録はギルドカード等のインテリジェントカードに行うか、それを持たない場合、転売をする可能性がある場合には奴隷商人が発行するカードに行いますので」


困った。そうすると相手方のギルドカードが必要になってくるのか?探し出して連れてこないと行けないのか…


「ご主人様。こちらを」レイラはそう言って一枚のカードを取り出した。

レイラの名前と、たぶん前の主人である商人の名前が書かれている。これが登録カードなのだろう。


「登録カードというのはこれか?」


「拝見させていただきます」執事は受け取ると内容を確認している。

「はい。こちらで間違いなさそうです。登録の変更には金貨1枚を頂いております。すぐに主人をよんで参りますので、どうぞあちらにおかけ下さい」


「あぁ、ありがとう」せっかくなので座らせてもらうことにした。綺麗なソファのような足付きのイスだ。さすが登録の変更に金貨一枚取るだけのことはあるな。装飾品も品が感じられる。

座るとすぐにお茶の用意がされた。 クッキーのような焼き菓子付きである。食べてみると…クッキーだなコレは! さすが金貨を1枚取るだけのことはある。


「レイラも座ったらどうだ?」レイラは座らずにイスの後ろに待機していた。


「いえ、私のような身分のものがそのような場所に座ることは許されませんので」


「そうなのか? 主人がいいといえばいいんじゃないのか?」


「いえ、自宅ならまだしも客先では、首を切られる可能性もあります。特に私は見た目エルフですので」


「クビを切るまでしなくてもいいのでは???!!! そういえばさっきの執事は一発でハーフエルフと言い当てていたな」


「さすが奴隷商人といったところでしょうか? 耳の形なので見分けているのでしょう。エルフはもう少し耳が長いですからね」


そんな話をすると中央の階段から、おりてくるコレまたダンディなおっさんといった感じの中老が降りてきた。髪は白髪で、目に切り傷があり片目が利いていない感じである。ウイスキーが似合いそうである。


「どうも。奴隷商人をしております、フェルミと申します。今日は奴隷の変更いらしていただいたとか? その前に少しお時間を頂いて当商会の奴隷を紹介させていただけないでしょうか?」


「あぁ…はい。でも手持ちはそんなにないですよ?」断れない日本人のクセが出てしまった。


「ご心配なさらずに。一見はタダですから。では私がご案内いたしますので、こちらへどうぞ」


そう言われ、ソファから立ち上がり、先を歩くフェルミの後をついていく。


「あ、そうでした」そう言ってフェルミが後ろを振り返った。


「あなたを入れることはできませんので、そちらでお待ち下さい」

フェルミさんはそう言って、レイラに待つように言った。


「わかりました」レイラはそう一言いうとソファの後ろに戻っていった。


「おれは一緒について来ても構わないが…ダメなのか?」


「はい。いろいろと問題がありますからね」


『ごめん。レイラ!少し行ってくる』小声でさけんだ。


聞こえていないだろうが、多分伝わっただろう。


こうして二階に上がり奴隷の待つ部屋に案内された。


商会名をなくしました。

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