アラタな出会い(5)
「やっぱり、安かったんですか?」
開口一番で買取価格について聞いてみた。
「あぁそうだな。最近はハンターが増えた感じもするし、冬前はオークが一番取れる時期だからな。少し安い気もするが仕方がないな・・・ まぁ文句をいってもしょうがない!!アラタくんが狩った分もあるし今日は一杯と行こう! まずは荷物を宿に預けるかい?」
「そうですね!場所も知りたいですし、そうして頂けると助かります」
俺の持っている袋は服が入っているから、意外と嵩張るし、地味に重いのだ。
そうして、宿、たしかマーリーだったかな?に向けて歩き出した。
宿は橋を越えて、川を下った方にあるようだ。途中にぎやかな繁華街のようなところがあった。気になるので後でこっそりウイングさんに聞くことにしよう。カイとコウはまだ若そうだし、ミミロルちゃんにはとても聞かせられないな。
「そういえば、街の灯りはどうやってついているんですか?」
「あれは魔法陣とロウソクの家もあるかな?基本的に、店は店主の魔力を使ってつけているが、魔力の少ない人もいるし、消費している場合もあるからロウソクも持っていないとね」
「なんでも魔法陣なんですね」
「やっぱり難しい詠唱もいらないし、魔力があれば誰でも使えるからね」
「魔法陣かぁ…明日はヴァイラルさんのお店に行ってみてみようかな」
「ヴァイラルさんの、店に置いてあるのは生活に使うものだから、戦闘用は武器屋とか魔道具屋に行かないとないよ」
「やっぱりそうなんですね? ついでになんですが、戦闘用の魔法陣の方が魔力消費が多いんですよね?」
「そうだね。 戦闘用は魔法使いや魔力総量が多い者が使わないとすぐに魔力切れを起こす。こと戦闘では魔力が切れるイコール死だからね、その辺は気をつけた方がいいよ」
やはり魔法陣奥が深い。
「さあここが宿だ」
「ここかぁ」
マーリーの宿は、古くもなく新しくもなく、周りの宿とさして変わらない普通のお宿のようだ。
一階は食堂のようになっていて、夕食を食べている人で賑わっているのか、話し声が聞こえる。
「じゃあさっと行ってきます」
そう言って中に入ると、少しガラの悪そうな方々が飲みながら夕飯を食べている。
ギルドほどではないが、見た感じウイングさんたちのようなハンターに見える。
「すいません。ヴァイラル商会の…エブリンの連れなんですが…」
「あぁ、はい。 聞いていますよ」
受付にいた。お母さんといった感じの、おば…お母さんが答えてくれた。
「じゃあこれが屋根の鍵ね。部屋は2階の一番奥になるからね。お風呂はないけれどお湯が出る甕があるから使ってもいいよ。ただし魔力は自分で供給するように! 魔力が内容ならほかのハンターにお金渡して分けてもらってね。 なんか質問ある?」
「いや、ありません」
あ、朝食… チェックアウトは何時? もう一泊するようになっているよね?
そんな質問を全て丸め込む日本人の悪い癖が出てしまった…
「夕飯は外で食べようと思いますが構いませんか?」
「あぁ、もちろん構わないさ。あんたのツレも出かけてるよ。ただしあんまり遅くなると鍵を閉めちまうからほどほどにね」
「わかりました」そう返事をしてすぐに部屋に荷物を置いて鍵をした。
部屋はうん。普通だ。元の世界のホテルのベットだけ置いてある…よく言えばペンションの一室だ!良く言えばね。
「そんなわけで、お待たせしました」
「あぁ早かったね? 何か食べたいものはあるかい?」
「そうですね。この土地のお酒と酒に合う肉料理が食べてみたいですね!」
「それならいい店があるよ。 オークの腸詰めが美味しい店があるんだ」
腸詰め?ソーセージだったか?それならまぁ外さないだろう。
「美味しそうですね。そこに行きましょう」
こうして『鋼の翼』の面々と夕飯を楽しんだ。
カイとコウ、ミミロルはお酒が飲めないらしく、ウイングさんと二人で飲んだ。
久しぶりに飲んだ、オークの腸詰めも美味い。何よりデカイのだ!!!その分短いかと言えばそうでもない。ペットボトルに噛み付く感じだが、しつこくなくて全部美味しくいただいた。
食べた後は飲みである。ビール?のようなお酒もあり、炭酸が効いた麦酒と言った感じなので、まあビールかな?みんなはエール一杯と注文をしている。 この世界の酒も悪くなさそうだ。
そして飲んだ後は、ウイングさんの案内で『いいお店』にも行った。もちろんここの辺りからは、自分で払うさ!大人だからな。
この世界の女性にも満足して、ウイングさんとさらにもう一軒行き、飲み直したあとの記憶がないな。
もといた世界でも、良く記憶をなくしていたから不思議はないのだが、一つどうにも腑に落ちない点がある。
宿に帰って寝たまではいいが…
「だれ?」
自分のベッドにもう一人寝ている女の子がいた。




