アラタな出会い(3)
「簡単に説明するとギルドカードの機能は3つです。
1.身分証明
2.預金
3.依頼の受注管理
細かく説明すると、いろいろルールがあるのですが、この3つだけ覚えていただければ大丈夫です。
身分証明としての機能は、カードに記入されている身分をギルドが保証するものです。これによりこの街以外でも出入りが可能となり、基本的には街に入る時に支払う税金もかからなくなります。
預金の機能は、達成報酬や素材の買取をしたお金をギルドが預けておくことができます。ちなみ単純にお金を預けることもできます。あとは依頼を受注するときの預託金にもなっていますので、ある程度は入金しておいていただかないと依頼を受注できません。
依頼の受発注は、カードを使って行います。先ほどお話しした預託金の関係もありますね。依頼は可能なら複数受注することもできますが、期間が決められている依頼もありますので注意してくださいね。以上になりますが何か質問はありますか?」
一気に話された後、質問だと!!一体どこから突っ込んでいいかわからない!!
「いえ、大丈夫です」ここで日本人特有のお人よしが出てしまった・・・
本当は質問したいんだけどね。なんか空気的にし辛いんだよね。
「そうですか。わからないことがあったら何でも聞いてください。依頼は日の出から貼りだします。人気の依頼はすぐになくなってしまうので注意してくださいね」
「はい、ありがとうございます。ちなみになんですが、これが俺のギルドカードなんですが見てもらえますか?」
俺は背負っていた革袋からギルドカードを取り出して渡した。
ミリーちゃんは受け取ると丸い魔法陣の書かれた台の上にのせた・・・すると魔法陣が光りだし、円柱状に光が伸びる。
「金貨が10枚入っていますね。 あれ?登録したギルドのデータが消えてしまっていますね?この街でよければ登録しておきますがよろしいですか?」
ここは困った時のウイングさんだな!
「他の街で登録するのとこの街で登録するのと差はあるんですか?」
「ハンターには特に違いはないが、ギルドの手数料収入とか登録数なんかで違いがあるのかな? ともかくどこで登録しても変わらないよ」やさしい笑顔でそういった。
「ありがとうございます」 「それじゃあ登録をお願いします」
「はい。かしこまりました」
そうするとミリーちゃんは円柱の光の中に手をかざして、何やら目をつぶって念じたと思ったら
「できました。確認をお願いします」
そういうと円柱の光の中に登録されている情報が写し出された。魔力か何かで動いているのだろうけどすごいな。テレビ電話みたいに顔を写して通信とかできないだろうか?
登録されていた情報は、名前と街の名前だけだった。 みんなこんなものなのだろうか?血液型とか年齢とか載らないのだろうか? まぁ魔法で治癒とかもあるんだろうし、輸血とかもないんだろうけども… 生まれた日とかも、月日の概念とかなければそもそもわからないのかな?
まぁそのうち聞いてみよう。年齢とかどうしてるのか気になるしな。
「うん!問題ない」
「ではこちらを、お返しします」ミリーちゃんはそう言って、魔法陣からカードを取って返してくれた。
「ありがとう。 ちなみに俺が受注できる依頼って何があるんですか?」
「そうですね。ランクはFなので、採取系が主になります。討伐系は受注できませんが、どなたかとでも構いませんので倒した魔物を持ち込んでいただければEランクに上がって弱い魔物の討伐系が受注できるようになります」
あ、それで俺を連れてきたのかとウイングさんの方を見る。
「そのことなんだが、先ほどの袋の中に頭部と胴体が真っ二つのオークがいたはずだ。そのオークはアラタくんが討伐したものだ。契約上、我々の報酬とさせて貰ったが、この『鋼の翼』リーダーのウイングが証明しよう」
「そうなんですね。念のため確認してきます。ちょうど査定も終わる頃でしょうし」
そう言ってミリーちゃんは部屋の奥に走って行った。
「ありがとうございます。俺がFランクなのも知っていたんですね?」
「あぁ、エブリンから聞いてね。報酬は頂くからこれくらいはね?」
全くもっていい人である。
ランクが上がったとなってくるとやはりハンターやってみようかな?
というかココロは決まっていた。
ハンターに俺はなる!!
中二病が重症化していく大人がそこにはいた。




