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村へ街へ(5)

部屋に戻るとすでにエブリンは寝ていた。

全く無防備だ。エブリンって、いろいろしゃべる方ではないが、もう少し教えてくれてもいいのになぁと思って、お願いしようと思ったのだが… 俺に気を使ってのことでもあるし、今の当たらず触らず?みたいな感じの関係も嫌いではないからいいにしておこう。

明日はいよいよ街だし、もしかしたらそのままハンターとしてどこかに登録をするのもいいかもしれない。

少なくともあの小屋よりは快適に暮らせるだろうし。問題は宿と収入だな。当面の資金はあるが、収入が全くないのは、どうしても心許ない。

豪華でなくても、借金のない、ゆとりある生活を送りたいのだよ。ゆとり世代だしな。

さて、明日はいつもよりは遅いがそれなりに早いし寝よう。


◇◆ ◇ ◆ ◇


翌朝、目覚めるとエブリンはすでに起きていて朝食を食べに行ったようだ。

部屋を出ていく気配は感じた。

「しかし、ベッドって素晴らしいな!」いつもは床だったから、硬いし寒いし埃っぽいしでこんなに快適に眠れたのはいつぶりだろうか?

おかげで少し寝過ごしてしまった。

やはり…ハンターとして働いて安全性高めな仕事で、こそこそほそぼそと生きていった方が快適な生活で安全でホワイトな職場環境のような気がしてきた。

そうするとエブリンには悪いが…「やっぱり街だな!」 この世界に比べるとやはり元いた世界は都会で、俺は都会っ子なのである。 




起きて朝食に向かうと、すでに『鋼の翼』の面々が朝ごはんを食べていた。

「おはようございます!」

「おはよう。よく寝れたかい?」ウイングさんは朝からさわやかである。ほかのメンバーもあいさつを返してくれた。カイとコウも友好的である。やはり武装のことが聞いているのだろう。何か教えてあげられればいいのだが… よくよく考えるとエブリンに教えてもらえばよいのではないだろうか? あとで聞いてあげよう。

朝食は、硬いパンとシチュー?の薄い感じだ。 田舎だから牛乳が取れるのだろうか? 

早起きして、散策に行けばよかったが、昨日の見た感じだと民家くらいしかなかった気がするんだよなぁ。

手早く朝食を済ませて、出発の準備に入る。というか早くしないとみんなを待たせてしまうので急いだ。



準備を終えて、といっても部屋に荷物をとりに行っただけだが…宿の外に出ると全員がそろっていた。

ちょうどウイングさんとエブリン、ヴァイラルさんがフォーメーションについての話をしていたらしい。

「おはようございます」

「あぁ、ちょうどよかった。昨日の会議の内容を二人にも話しておいたよ。ヴァイラルさんからも承諾を頂けたから正式に戦闘に参加できるが・・・狩った獲物は『鋼の翼』のものとさせてほしいがいいかい?」

いちどエブリンに目くばせをしてみると

「おれはおめぇがいいなら、かまわんぞ?」とのことである。

「はい。問題ありません。狩っても運べませんしね」

「そうなのかい? しかしそこはその場でヴァイラルさんに買ってもらうことも考えないといけないね」

「あ、そうか。 その手もあったのか…」ちくしょう、なんか騙された気がするな。


「オークとはあまり戦闘をするつもりはないが、珍しい魔物や盗賊とも戦うこともあり得るからな。 まぁその時は話し合って取り分を決めよう。ただしお金に目がくらんで無理な戦闘はしないように頼むぞ。うちは新米パーティ安全第一でやっているからな!」


「はい。気を付けます」ウイングさん、やはりいい人だな。安全第一というところもいいし。パーティに入れてもらおうかな?と少し思った。


「それでは行きましょう」 雇い主のヴァイラルさんの言葉でちかくに停めてある馬車に向かって歩き出した。ちなみに村から街へはほぼ一日かかる。今が8時くらいだろうか?体感だが。 夕方とかには到着するのだろうか? 

するから朝、今の時間なんだろう。

そんなことを考えながら先頭を行く馬車の方に乗り込んだ。


そういえば、さっき微妙に盗賊フラグたたなかったか?

フラグが本物にならないように祈って出発した。


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