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村へ街へ

それからさらに1ヶ月くらいが過ぎた。


なんとなく肌寒感じがする。そんな俺を気づかってか、エブリンが毛皮の上着をくれた。


暖かいが…少し臭う…


しかもかなり大きい。さらにビジュアル的には大丈夫じゃないな。

エブリンの子供みたいには見えないだろうが、なんというか… 子分? そうだこれは!!


山賊だった。



山小屋に、住む二人はあまり風呂には入らない。さらにヒゲも伸び放題だ。二人ともちゃんと獲物も持っている。ワンポイントに目立つ獲物は、それぞれ斧と双剣。

一撃必殺の親分と素早い動きで翻弄する子分だ。




…そして山賊たちは今日も早起きをして刈り場に向かうのであった。




「そろそろ行くとするか」なんの脈絡もなくエブリンが言い出した。


たぶんそろそろ街に行くとか言っていたやつだろう。


「寒くなって来たしな。今度こそそろそろじゃないか?」


実はこの会話、ここ最近毎朝している。本当は行かないんじゃないかとそろそろ思い始めているのだよ。そろそろ。


と思ったら本当に行く気になったらしい。商人とエブリンが話している。




「次の納品の馬車に乗せてもらうことになった。5日か6日後だ。木を積んだ後に村に向かって一泊。その後、街に2泊して帰りの馬車に乗って帰ってくる。ええか」


「了解だ」


ここ一ヶ月程、エブリンとは村か街で冒険者になりたい事を相談していた。

エブリンはあまり勧めなかったが、見てから決めればいいと言ってくれた。

もう心は残ることに決めている。 決めているのだ。


理由?いろいろ溜まっているからである。イロイロね!


すぐにその日が来ると思ったが、次回とその次の納品分を切っておく必要があり些か大変ではあったが、まぁいささかである。魔力の総量が上がったのか?むしろ総量って増えるのかな?


「なぁエブリン? 魔力の総量って増えると思うか?」


「なんだ急に『永遠の課題』ちゅうやつを出してきて」


永遠の課題なのか?やはりあまり研究が進んでいないのだろう。


エブリンは詳しく自分の意見を教えてくる。

「俺は増えると思っちゃいるが、本当のところはわからねぇ。子供の頃から大量の魔力を持つやつもいれば、大人になってもほとんどないやつもいる。冒険者の中には、死に近い経験をすると増えたと話すやつもいるが、わざわざそんな危ねぇことするやつはいねぇだろう。俺はそれを信じているから増えると思っちゃいるが…おめぇは定説のふねぇ派か?」


急に振られて焦る俺。「お、おれも増える派だと思っているぞ」適当に合わせておいた。



5日後

商人は、2台の馬車と護衛を連れてやってきた。護衛はいつも同じかけだしの奴らだ。


何日かお世話になるので商人と護衛のパーティに挨拶をしておいた。


「お邪魔させてもらいます。アラタです」


「ご丁寧にどうも。ヴァイラル商会のヴァイラルと申します。どうぞよろしく」ここでも挨拶は握手だ。


「『鋼の翼』のリーダー ウイングだ。よろしく頼む」

「よろしくお願いします」かたく握手を交わす。

「メンバーは4人で、まだCランクに上がったばかりだ。実力にはそこまで期待しないでくれ」と言ってハハハと笑っている。

いや、本当に心配になるが、明るくて好印象だ。何よりイケメンである。清潔感で溢れ、風貌は西洋の騎士といった感じである。鋼と言っている通り、鋼でできたアーマーに身を包んでおり両手剣を装備しているから、もう騎士感がすごいのである。


ウイングは他のメンバーも紹介してくれた。


片手剣を腰から下げている男が二人、身軽そうな革でできた装備に身を包んでいる。2名は兄弟で カイとコウ という名らしい。短髪でどことなく目が怖い。警戒されているのだろうか…


そしてお待ちかねの魔法使いのおねいさんが、ミミロル というらしい。実に可愛い名前だが、一切に俺に興味はないらしい。先のとがった帽子とローブと言ったいかにもの風貌だが…それでは隠せないものが女を物語っていた。


しかし、こちらを無視するような態度である。なんでか考えたが、理由はすぐに見つかった。身形なりと服装だ。


そうだ。ここに来てからというもの大自然で自由に生活をおくったもんだから、もうなんというか大自然人の出来上がりですよ。風貌は山賊ときたら、もう脈も何もないな…

ちなみに兄弟に睨まれているのもそのせいだろう。


画して、まずは村に向けて出発することとなった。



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