異世界探検 (4)
目覚めたら、すでに日が暮れかけていた。
ベッドの上に寝かしてくれたのだろう。身体がすごく楽だ。
「グーーーーーー」腹がなった。
朝ごはんのハムはすでに消化されたようだ。
「何日も食べてなかったから、仕方ないよな」
しかし、仕事を手伝わずに寝てしまったのはマズイな。
いつまでも寝てはいられない。
家の裏に人の気配を感じる。待っていても仕方ないので、小屋を出て気配のする方に向かうとそこには・・・クマがイノシシを剥いでいた。
いや、人だった。イノシシを剥いでいるエブリンさんがそこにいた。
「お、目覚めたか! 急に倒れたから心配したぞ!」 にやにやしながら話しかけてくれた。
怒られるかと思ったから、良かった。
「すいませんでした。仕事を手伝う予定でしたのに」 頭を下げて丁寧に謝った。
「だいぶ疲れていたんだな!まぁ無理もねぇ。この森には、こいつみてぇあぶねぇ動物や魔獣もいやがる、せめてCランクのパーティじゃないとやっていけねぇだろう」
「そうなんですか?三日ほどさまよいましたけど、一度も見かけなかったですよ?見つけていれば、倒して食べていたのに」
「おめぇ、なかなか言うじゃねぇか。魔獣に見つかったらすぐにおめぇが食べられちまうぞ」といって爆笑するクマ。もといエブリン。 いや、俺が食べられちゃうなら笑えないぞ?
「しかしれホントに何も知らねぇんだな?身なりは良いみたいだし。いいとこの坊っちゃんか?」とまだにやにやしている。
「いや、詮索はしてねぇぜ。迷惑ごとはごめんだ。話さなくていいからな」
どうやら、考えていた言い訳は披露されることなくお蔵入りのようだ。まぁ助かったな。
「今日の夕飯は、ボアテングを見つけたから狩ってきたぜ。たらふく食ってもかまわんぞ」機嫌がいいのは、狩りがうまくいったからかな?
イノシシはどうやら、ボアテングというらしい。そういわれると知っているイノシシよりも鼻が長い気がするが、そもそもテングがいるからなのかそのあたりが謎である。まぁおいおい探ってみよう。
「ぐーーーーー!」腹がなった。
「腹の準備も大丈夫そうだな! すぐに剥いでやるからちょっと手伝え!」
「あ、俺やったことないから、教えてもらえませんか?」
ちょうどいい機会なので、教えてもらえないか頼んでみた。前の世界でもそんなことはしたことはない。普通は肉の状態でスーパーに並べられてるからなぁ。
「なんだ。ハンターなのに剥いだこともないのか? いいぞ! 簡単にできる方法も教えてやろう!」
「よろしくお願いします!!!!!」
「よし!まずは、血抜きをして内臓を出さなきゃならん。内臓は食べれる部分もあるが、治癒が使えないとやばい!だから通常は埋めて森に返してやるんだ。そのあたりまでは、狩った場所でやってくると少し楽に運べるが、危険が高い森では注意が必要だ」
俺はうなずく。エブリンは続ける、
「実はそこの池が、動物たちの水飲み場になっていて、たまに遭遇することがある。正直俺はそんなに狩りがうまくねぇ。そっと近寄って斧を投げることしかできねぇからな!今日は運がよかった」
斧を投げるとなると、ショートアックスとかかな?それだと難しいだろう。(後日狩りの様子を見せてもらうと木を切る斧を普通に投げていた。うん、さずがクマだ!)
「そこでとれたやつだから、内臓は池に捨ててきて洗ってある。内臓は栄養があるからな、餌にすれば池の獲物も取れるぞ!ただあぶねぇから、俺は釣りはやらんがな。それで、ここまで出来たら、あとは皮を剥いで、部分ごとに肉を分けていけばいい。初めに俺が片側で見本見せてやるからやってみろ」
そういって剥ぎ方から、肉の部位の取り方まで教えてくれた。
「皮は干して、商人にうる。肉は保存用に乾燥させるのと、ハムにするものと、すぐに食べる部分に分けてと…
あっと乾燥させるのは油の少ない部分がいいな!この辺をはあとで焼いて食べよう! さあ家の中に運ぼう」
そういってエブリンの剥ぎ方講習会は終了した。
夕食は盛大に焼肉パーティーだった。
保存用の肉は塩をふって、水分を出した後、一口大に切ってスモーク、ハムは、縛ってスモークするらしい。今日は塩をふって一晩寝かすらしい。
夕食後は、明日は仕事を手伝うことを話し、仕事内容を聞いてみた。
エブリンは、木こりとして木を伐りだし、村に出荷しているらしい。といっても村の方から馬車がやってきて何本か積んで運んでいく。
今の時期が一番忙しく五日に一回馬車がやってくるらしい。街道近くに木をまとめてあり、それを載せる作業と木を切ってそこまで運ぶのが俺の仕事となるらしい。
ベッドは一つしかないので、毛布を借りて部屋の隅で寝かしてもらうことにした。
快適とは言えないが、やはり家の中だとわかると安心して眠ることができる。屋根と壁があるありがたさが身にしみる。
気持ちよくなれそうだ!ボアテングにも感謝しながら満腹で寝るのだった。




