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それはさておき、クラス替えのプリントで谷口が三年F組に入っていたのを見て、「ここ、扇風機すらないのかよ」とからかいに行った。三年になっても、例によって、あの生まれつきのやらしい顔は変わらなかった。
谷口の表情や、その場に漂う雰囲気は今も妙に生々しく思い出せるのに、彼が何組だったのかとなると、もうまったく覚えていない。それくらい遠い存在になっていたのだろうな。
それでも、彼が他校の生徒と喧嘩をすると聞けば、僕はそわそわと見に行った。僕が野次馬に来ていると知ると、そんな状況でも彼は笑ってくれた。「見に来たの?」と声をかけられると、本当に嬉しかった。でも、彼に対して心のどこかで後ろめたさがあって、うまく言葉が出なかった。彼の笑顔にちゃんと応えることもできず、ただ「うん」と頷くだけで、その場を離れた。
それにしても、まるで大人と子どもの喧嘩だった。こちらがハラハラする暇もなく、始まって一分もしないうちに、彼はタバコを吸いながら相手を見下ろしていた。距離があったので、相手の声までは聞こえなかったが、きっと「すいません、すいません」と言って土下座していたのだろう。僕は、相手の中学から来ていたギャラリーたちと一緒に、遠くからその様子を見ていた。
「ねえ、あれで一番強いの?」と僕が隣にいた奴らに尋ねると、「最近、調子に乗ってるから、ちょうどいいだろ」と誰かが答えた。彼は神経質そうに学ランについたホコリを払うと、まるで何事もなかったかのようにタクシーを拾って去っていった。その後もしばらく、彼は他の中学の生徒たちと喧嘩を続けていた。




