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ここまででだいたいこんな感じだ。中学校というのは卒業してしまえばあっという間だが、入ったころは三年間がとてつもなく長く感じられ、その狭い世界がすべてであるかのように、見えない永遠が広がっているかのように思えた。
青森から来た青年と僕は、憎み合っていたわけでも、仲たがいしていたわけでもない。ただ一緒にいるのが苦痛で、会話は弾まず、青年が話しだすと僕の顔は暗くなった。とにかく計算高い男だ、そう思っていただけだった。
では、場面は三学期の期末テストに移る。
彼はカンニングをしていた。
テストが始まる前に、周囲を警戒しながらその手口を僕に見せてきた。足や腕にいろいろ書き込んであった。
当時の風潮からしても、カンニングは珍しいことではなかった。小学校の頃には『ザ・カンニング』という映画も公開されていたし、『スニーカーぶる〜す』ではマッチがカンニングをしていた。
それでも、彼がカンニングをしているのは少し意外だった。なぜそんなことをするのか、僕にはわからなかった。彼はそれなりに頭が良かったし、わざわざカンニングをする必要もなかったはずなのに、と思った。
でも、僕は「カンニングするんだ?」という感じで彼を見て、驚くフリをしてみせた。彼は一瞬だけ僕の目を見返してきたが、その後すぐに笑みを浮かべ、まるで、こんなことは大したことじゃないとでも言いたげな表情をしていた。それが彼なりの余裕の表現だったのか、それともただの照れ隠しだったのか……
ただ、そのときの僕には、カンニングする彼の振る舞いが妙に大人びて見えた。




