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8.




誰?と思って見ていれば老紳士の後ろにもう数人居る。

同じくグレーヘアをきっちり纏めたメイド服の女性と、父と同世代だろうか?少しだけ若い紳士とメイド。

頭にはてなを大量に浮かべる私を見て、そしてベッドの上の父に目を向ける皆さん。

その瞬間から目に涙を浮かべ、いや女性2人は号泣し始めた。

まじで誰よ?と父を見ればこっちも涙目。

どういう状況?とましろちゃんと首を傾げるしかなかった。


その状態でどれくらい経ったのかよくわからないけど、やっと復活?したのか老紳士。

それまで扉を開けたまま固まってたのを解き、4人でそろそろと入って来てきっちり扉を閉めたかと思うと

「お久しぶりでございます、旦那様。そしてお初にお目にかかりますお嬢様。王太子殿下の呼び掛けにより本日よりまたこちらでお世話になりますヘンリー でございます。後ろに居ますのは同じく呼び掛けにより参りました、妻のサラと息子エド、その妻セシルでございます。15年の時を経てまた旦那様にお使え出来る事を大変嬉しく思います。」

と言う。これまた4人揃ってピシッとした礼付きで。

今までの境遇と、その後の部屋からほとんど出ない生活でそんな事された事ないから面食らった。

たまに部屋の外に出ても、すれ違うメイド達は私を相変わらず無視してるし。

今の状況で私にその態度はやばいんじゃないの?とは思うけど知ったこっちゃない。

から私も無視してる。

殿下ぎ置いてった騎士の方がなんかメモってるけど。

とにかく本当に初めてなんだよ。


パッと父に目を向ければ、最近少しだけ動かせる様になった手で私を手招きする。

「彼らはパパが子供の頃からこの家に使えて居てくれた人達だよ。名前だけで構わないから自己紹介してあげてごらん。」

と言われたのでやる。

「初めまして。パ、、、じゃなかったダニエルとマリアの娘ユリアです。こっちの子はましろちゃん。フェンリルの男の子です。」

と子供の頃からという事は母の事もよく知ってる人達だと咄嗟に付け加えて、ついでにましろちゃんも紹介する。

だってほっといたらましろちゃんスルーしそうだし。

母の名前と私の名前でまた涙ぐみ、ましろちゃんに驚きながらも頷いてくれた。

これで良いのかな?と父を見れば微笑んでいて、胸を撫で下ろす。緊張するー!!

父が伯爵であり、亡くなった母も未婚とはいえ男爵令嬢だった事もあり殿下からは伯爵家でも男爵家でも籍を入れれると言われたけど、今更お嬢様扱いされるのも無理だし嫌だったので断った。

坊ちゃまは納得出来ないって顔してたけど、ましろちゃんの手前何も言えなかったみたい。

殿下は責任とか色々面倒だもんね!って良い笑顔で言われたけど私に対する嫌味だろうか?

まぁ、そんなこんなで私自身はただのユリア。平民のままですってスタンス。

フェンリルの契約者になった時点で神殿には本来名乗れる名前が浮かぶそうで、私のステータスにミドルネームとファミリーネームが入っていたのはそう言う理由らしい。

要は神殿は私がフェンリルと契約してる事を知ってるって事になるんだけど、私の意思を尊重するために徐には接触しないんだって。

ただ秘密裏に護衛をつけて心が本気で折れそうになったら連れ出すんだってさ。

フェンリルでも心の病気は治せないから。

神殿の事を教えてくれたのは、私達にちょっと同情的だと思ってた騎士の人だった。

彼、神殿が潜り込ませた聖騎士さんでした。

夫人に怪しまれない様に、私の意思に反しない様にとした結果何も出来ずに申し訳なかったと父と私に頭を下げて来た時は驚いた。

母が亡くなった事もずっと後悔してたんだと。

掟を破ってでも接触してたら何か変わっていたんじゃないか、神殿の本山、神教区って言うんだけどそこに行けば手出し出来ないって知っていたのに、神殿に尽くさなきゃって考えを植え付ける事になるかもと躊躇してしまったんだそう。

あまりにも本気の懺悔をされるから、父と2人だけじゃなくましろちゃんまで加わって慰めた。

「あの日神殿に着いて来てくれたのが君だったから鑑定を受けさせてやれたんだ」と出ない声で必死で父が言えば2人でなんだか男泣きみたいになってた。

魔法訓練をしてる時はわざと近づかない様にしてたり他の騎士を誘導してたのは知ってるってましろちゃんが言い出してびっくりしましたなぁ。


自己紹介の後はこれから順次使用人が変わる事を聞いたり、父のリハビリ手順を確認したり、離れにあったもので要る物要らない物に分ける始めるから一緒に確認してほしいって頼まれたりしてた。

その中でお嬢様呼びは慣れないし、今更そう扱われるのも嫌だって言ったら、さん付けになった。






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