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9.




さらに2週間が経った。

父はだいぶ回復して部屋から出られる様になった。

移動は殿下が持って来た車椅子だけど。

そう!殿下が来たんですよ。やっぱり。


前国王夫妻と侯爵家(次期当主夫妻を含む子供孫世代以外)の方々王国法に則り斬首、晒し首という極刑に。

すでに執行され、今頃晒されて民衆に石やらなんやらを投げられているらしい。

重税などによる不満と、数々の事件とその顛末などが公表された事により未だかつて無いほど民衆が集まりこれまたすごい数投げられてるんだって。

そのまま王家に批判の矛先が向くかと思いきや、ギリギリのところでそうはならなかった。

現国王夫妻と王弟夫妻、王太子は日頃から細々とではあるが必ず打開すると宣言しながら自分たちと協力する貴族たちの私財を投げ打ち、特に窮困し始めた者たちがいるところから支援していたらしく支持率が逆に上がったそうだ。

遂にやりおった!的な感じだろうか。

「これから先、今回の事を忘れずに出来る限り国民を決して裏切らずまた寄り添える国政へと舵取りをしなくては」

と気を引き締め直していると言っていた。

時期当主は父らのやり方から何まで思いっきり嫌っており、加担どころか率先して解決までの捜査協力をした後、問題を起こした家門だからと早々に夫人共々爵位返上を申し立てたそうだが国王が待ったをかけた。

父の時と似てる?とも思ったが、この時期当主めっちゃ出来る人で市井に降りられては勿体無いと準男爵まで爵位を落としてなんとか踏みとどまらせた。

最後は他の貴族も一緒になって泣き落としたとかなんとか。

他の夫人以外の兄弟も真っ当で優秀な人達らしい。

何故1人だけとも思ったが唯一の女の子で甘やかされ、兄弟の忠告は一切聞かずに勉強は出来ないがプライドはバカ高い人物に成長してしまったらしい。

あの手この手で侯爵家の実権を握ろうとしたが、周りの妨害に会いここまで来てしまったと、長い謝罪の手紙を頂いた。

まさか図書室に堂々と日記が置かれているとも思わず。

関わってた貴族家は軒並み爵位没収で無一文で市井へ放逐。

一度付けたら死ぬまで取れない魔力封じをつけて。

おかげで人員のそれなりに減った王宮はてんやわんやの大騒ぎ。

疲れ果てた顔の殿下には父と私は、頑張ってくださいとしか言えなかった。


夫人は、禁制品所持と使用、父への毒殺未遂、自白剤を使った供述による母と私への暴行、虐待の罪で鉱山労働へ回された。罰金と賠償金分を稼ぐまで出られないらしいが、平民に落とされたので生きて出てくる事はないとの事。

それを聞いた父は心底安堵していた。

父とましろちゃんと部屋に篭ってる間に聞いた母と駆け落ちするきっかけは、結婚してすぐから使われた薬が関係していたそうだ。

記憶なく避けてたはずの嫁が妊娠したり、生まれて来た子供が自分に似てるのは確かに怖いかもしれない。

夫人と共犯した家令は平民出だったため貴族を害した罪で鉱山労働(夫人とは別の場所)後国外追放になる。この世界共通様式の囚人番号が焼印されるらしいからどこ行ってもバレた瞬間針の筵になるだろうってさ。


お嬢様は私への虐待だけでなく、参加したお茶会やパーティーでの他の令嬢に対するえげつない嫌がらせなどもあった。

自分のやった事の正当性を主張し反省もしなかった為、矯正不可能と判断され、神教区にある戒律が1番厳しい修道院に、既に送られた後だそうだ。

そこでは外部との接触が一切禁止のため、ひたすら神に祈りを捧げる生活になる。

母親の時は無反応だったが、妹の話の時のサミュエル様(同じ父親なのだからと坊ちゃま呼びを拒否された)は深いため息を吐き出しておられた。

何度か私への折檻を止めてくれてたから、妹を正そうとしてたんだよね、、、きっと。


賠償金は伯爵家に対して白金貨20,000枚

父個人に対して白金貨200枚

私個人に対して白金貨200枚

支払われる事に決定したため、それぞれの口座に振り込んであるそうだ。

口座なんて持ってないよ?って思ったら金額が大きいので神殿に事情を話して作ってもらったそうだ。

書類はサミュエル様が書かれて提出したのだとか。

ハッとして

「言うのを忘れていた」と謝られた。

結構大事なことだと思うけど、本当に忙しそうだから文句は言わないでおきます。


この世界のお金は神殿が発行、管理しており、銀行も神殿が運営している。いや、やり手過ぎん?

全て硬貨なのだが日本円で考えると大体こんな感じ。


 鉄貨=10円

   銅貨=100円

   銀貨=1,000円

   金貨=10,000円

  大金貨=100,000円

  白金貨=1,000,000円


10進法でわかりやすくて助かった。

この1ヶ月の間に父に聞き、セシルさんと例の聖騎士ジョンさんに着いて来てもらって、領都の市場で少しだけ勉強した。

ちなみにその日の全員分の夕食の買い出しを兼ねての勉強にしたのでお金は伯爵家持ちである。

お給金もらった事ない私は無一文だし。

お給金の分を払うと言われたけど領主が負担する農具の購入費や、街の補修や整備などの公共事業に掛かるお金がすごい様で、たまたま通りがけに文官さんの誰かの

「親子揃って、偽物ばっか掴まされやがって!!」

と言う絶叫を聞いたので謹んで辞退した。

父もやってたとは言え寝込むことも多かったから、手をつけれてないことも多かったみたいだし。

辞退させてもらえなくて先送りになっただけなんだけどね。

伯爵家の賠償金の入金を確認したら即振り込むって。


私個人の賠償金が父と同じ額なのは、これまた聖獣の契約者だからだそうで、国として申し訳ないと思ってますよって周辺国へアピールしつつ、父より高かったりで私が受け取り拒否したら困るから同じ金額にしたんだって。

そこ言って大丈夫そ?

始め父はこんなに受け取れないって断ってたけど、国王からの手紙を見せられ、殿下に頭を下げられた段階でしぶしぶ受け取った。

ため息をつきながら私の分も了承していたのだけどなんで書いてあったんだろう?

あ、父は王弟と学園の同級生で、国王とは2つ違いの先輩後輩になるんだって。

国王には私と同い年の娘、つまり王太子の妹もいるそうで会ってみる?なんて聞かれたけど全力で断らせてもらった。





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