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「これらの事件は秘密裏にではあるが、私の父が直接陣頭指揮をとり信頼できるもの達と再調査をした。2年かかって調べが着いたのは、作為的な借金により代替わりや没落した家紋ばかりだったが。」
現国王が立太子した後は動きがほとんどないと言う。
ふぅ。と息を吐き出しながら言う殿下の顔には、よく見ればクマが出来ている。
当時事故として処理された事件は時間が経ち過ぎたものが多く、祖父母の件に至っては深い海の底である。
確実な証拠になるものが見つけられなかったそうだ。
代替わり後、国が運営する魔法魔道具研究所で、深い海の中でも長時間活動できる魔道具を研究させているそうだがまたまだ出来上がりそうになく、最近は周辺での魔物の目撃情報や被害もででいるらしい。
手詰まりなんじゃないかと思いきや
「元々前国王夫妻には国政を私利私欲やその時の気分などで進めたり取り消したりと不満が溜まっていて、このままでは他国からの侵略よりも先に煽りを受けた者達による内乱が起きかねない状況にもなっていた事もあり、彼らはそちらを理由にご退場頂いた。そして現侯爵、、、いや元侯爵だな、彼とそのお零れに群がっていた者は調査結果を元に拘束し、直接関わった者もそうでない者も、降爵と同時に蟄居、奪爵などの処分となった。もれなく全員自白剤による供述をとった後で。」
喋り続けて喉が渇いたのか紅茶を一口飲み
「彼ら個人への神罰ならまだしも国に神罰が降る可能性もあったので前国王夫妻にも自白剤使用済みだ。」
と付け加えて殿下は一旦言葉を区切った。
「神罰、、、。何か基準の様なものがあるのですか?」
歴史書で読んで気になっていたのだが、ましろちゃんも会えていた頃の父にもわからなかったので話に出てきたついでと聞いてみると殿下ではなく、それまで黙っていた坊ちゃまが答えてくださった。
「俺もこの2年の間で知った事だが、多くの民に直接的な影響が出始めると起きるようだ。実際、どれも悪政により著しく民が苦しん後に起こっている事が多い。個人的にこの国で誰にも神罰が降っていないのは国の環境が理由で豊かさを維持出来た居たおかげではないかと、、、。」
なるほど。
今までの被害者達の事件はあくまでも個人とその家族が標的であって、大多数の民には影響が少なかったと。
なんともモヤっとする基準だな。
「だが、例外もある。神の使徒である聖獣を従えた者への個人攻撃だ。過去2つほど例があったが年数に開きがあるりどの程度で起こるとは言えない。そもそも神殿引いては神の力が強い地上で、聖獣の契約者に対してそんな事を行える馬鹿もそう居なければ、聖獣を従えた者が現れる事も少ない。契約者が直近で確認されたのは100年ほど前だ。」
悶々としていれば坊ちゃまの言葉に捕捉を入れて来た殿下。
驚きすぎて思わずポカン口を開けて殿下を凝視してしまった。
「どうした、ユリア嬢??」
困惑気味の殿下に声を掛けられるが、どう答える?
いやだって、歴史書だけじゃなく神話やら創作話に出てくる聖獣ってフェンリルだよ?
ましろちゃん、フェンリルじゃん!
私のステータス画面に契約従ってましろちゃんの名前あったよ?
夫人にもお嬢様にも神罰降ってないけど。
あれ?そう言えば神殿で見た時はなかったな、、、??
んん????
ぐるぐる頭の中で悩んでいると
「とにかくまだ話は続く。聞いてくれ。」
と殿下はまた話し出した。
侯爵の拘束したのち家宅捜査すれば、執務室から最近のやり取りが書かれた新しい帳簿が出てきた。
もちろん仄暗い内容のだ。
それは主にこの国では人体への影響が強いとして、禁制品に指定されている毒物などの購入履歴だった。
購入した一部は執務室の金庫に隠されていたのだが、残りが伯爵家、基夫人に流れている。
夫人が誰に使用しているのか?と調べようとした時、坊ちゃまは気付いた。
使われている人が父である事に。
「俺が知っている父上は帰ってきて1,2年経つ頃から少しずつ寝込みがちで、母上からは身体が弱いのに市井でなど生活していたからだと教えられていた。あの頃すでに家令は変わっていたが、治癒師にも見せていると言う言葉を鵜呑みにしてしまった。」
母上が毒を飲ませているのだ。見せるわけがない。と悔しさと申し訳なさが入り混じった表情で話す坊ちゃまは、膝の上でギュッと手を握りしめる。
殿下が話を引き取り
「侯爵家の家宅捜査が2週間程前、気付き、使用した際の薬の影響や期間などを調べ王都を出たのが5日前。休憩を殆ど取らず馬を変え馬車を変えながら来て先ほど、禁制品使用で夫人を拘束した。今王宮治癒師に伯爵の容体の確認を確認させている。」
話の途中から元々どこか現実味のなかった感覚がさらに酷くなって、全く理解できない。
何を言う事も出来ず唖然としている時間は長くも短くも感じた。




