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2.




〜数日後〜


自分の属性やスキルを知った日から毎日の仕事で

水仕事=水魔法で水を出し、

暖炉の火入れ=火魔法で着火

掃き掃除=箒を片手に風魔法で落ち葉集め

などしれっと取り入れてたりするのだが、夫人もお嬢様も誰も気づかない。見られない場所や時間帯でしか使わないから当たり前と言えば当たり前なのだけど。

今日は私の15歳の誕生日なんだから鞭だけは勘弁してほしいなと思いながらサクサク作業を進めていく。

今日は王都にある王立学園に通われていて普段は不在の嫡男サミュエル坊ちゃま17歳が帰ってこられるので少しだけ慌ただしい。

学園は15歳からなので私が入学準備をしている世界線もあったかもしれないなとかふと頭をよぎるが即座に打ち消す。

父も母も貴族なのだ。

まともな環境であればそうなっただろうが、私が貴族のお嬢様として生活しているなんてどうしても想像できない。

前世の日本で一般人の記憶が邪魔をしている。


一つ上で16歳のお嬢様が何故屋敷に居るのかと言うと、勉強嫌いが祟って学力が足りなかったからだ。

学園の運営は現王弟殿下が取り仕切っているのだが、現国王との2人兄弟は親である怠慢と贅沢を好む前国王夫妻とは全く反りが合わなかったとか。

兄である現国王の立太子とともに王弟殿下は年若い学園長に就任した後から実力主義の方針を打ち出した。

学力、魔法力どちらも優れている者は平民でも国の職につく事を条件にした奨学金制度を使って受け入れ、どちらも足りない者は貴族であろうと受け入れ拒否したのだ。

学園卒と言うのは一種のステータスでもあるので始めは前国王派からの反発があったようだが

「実力があれば入れるのだから勉強させればいい。」

と全く取り合わず、逆に優秀者としてステータスの箔も押し上げられたので2〜3年もすれば誰も文句を言わなくなったんだって。

まぁ、入学出来ないと知った夫人とお嬢様は案の定怒り散らし抗議、前国王夫妻の力を使ってまで入学してやろうとしたがその時の様子まで理由に挙げられ断固拒否されているらしい。

だってとからしいと言うのは他の使用人たちが噂しているのを聞いただけだから。


やる事は山のようにある。今日は時間が本当に足りない。

が、出来るだけ早く離れに戻って本を読みたいし、魔法の練習がしたい!

最近は見張りも鍵を閉めた後居なくなるので、去年嵐の時壊れて立てかけてあるだけ(壊れた事に誰も気づかないのもどうかと思う)の裏扉から外に出て、離れの影に隠れてましろちゃんを師匠に攻撃魔法の練習を始めたのだ。

もちろん大規模なものは音が凄かったり跡が残ったりすると困るので出来ないけれど光魔法での結界と、土魔法での的を使ってもらってやっている。

ましろちゃん様様である。

「さぁて!玄関ポーチの掃き掃除も出来た事だし、洗濯場に早いとこ移動しよう。」

まだ到着予定には時間があるし、2人と坊ちゃまはあまり仲が良くないとも聞いた事があるが、万が一にもお出迎えの夫人とお嬢様に遭遇してさらに仕事が増えては困る。

と屋敷内は通らず、掃除用具の片付けをした後外から屋敷の裏へと周る。

そう言えば坊ちゃまがいる時は食事を抜かれることがない。

内容は硬いパンが1つと具なしのスープだけなのだが。



誰も居ない事をいい事に前世でよく聞いていた歌を歌いながら作業を進めていると、馬の嗎が聞こえて来た。

到着したのだと呑気に思っていれば、荒々しくガヤガヤとした物音や男性たちの声と、女性の怒声(おそらく夫人)と悲鳴(こっちはお嬢様)が聞こえて来た。

屋敷の玄関からそれなりに離れた場所にあるこの洗濯場にまで聞こえる程の事態に首を傾げるが、私が行っても要らぬ罵声が飛んでくるだけだ。

そのまま、せっかく気分よく洗濯してたのにと思いながら歌うのはやめて黙々と洗っていれば不意に話しかけられた。


「そこに居るのはユリア・リリー・ボイニッシュ伯爵令嬢だな?申し訳ないが手を止め、私について来てくれ。」

はて??ユリアは私の名前だけど、この人は誰で私はいつ令嬢になったの??





ユリアの生活が一変するのかしないのか。

キャンピングカーを使える日は来るのか、、、!


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