真っ白
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(あれ…?
俺、いつの間に眠ってたんだ…?)
サレスに負けた罰ゲームとして
屋敷の周りを50周して…。
そのまま彼女から水とタオルを貰って
ふっと身体から力が抜けて…
なんか満足して…
(でも今はベッドにいるし…
朝日も昇っているみたいだし
…何か落ち着く香りがする)
枕が妙に温かい気もするし
耳元で紙の擦れる音がする。
(何だか二度寝したい気分だ…)
寝返りを打って枕に顔を埋める。
あー、落ち着く。
(ん?随分柔らかいというか
なんで中央が割れているんだ?)
ははは、これではまるで誰かの膝みたいじゃないか。
香りと柔らかさがサレスとは違うし
メイド達の膝でもない。
つまるところ、見知らぬ膝枕だ。
意を決して膝の主を仰ぐ。
「えっ!?
マトリクス家の…?」
「ようやく起きたか。
おはよう、ダーリン」
まるで意味が分からない。
どうして序列一位のマトリクス家の長子が
俺のベッドにいる…?
というかダーリンって、俺の事か!?
俺は慌てて飛び起きて
灰色の髪の美しい令嬢から飛び退いた。
「待て待て待て!!
なんで貴女がここにいるんだ??」
「夫の傍にいるのは
妻として不自然な事ではないと思うが??」
「夫…?妻…?」
彼女の頁をめくる左手の薬指には
最上のダイヤモンドのはめ込まれた
結婚指輪が見えた。
そして自身の指を確認すると同じく結婚指輪。
こちらにもダイヤモンドが施されている。
「ダーリン、どうしたんだ?
そんなに不思議そうな顔をして」
「俺は貴女と結婚した覚えはないぞ?!」
むしろ昨日婚約を解消したばかりだ。
そんなすぐに縁談の話が上がるわけがない。
「さっき結婚したばかりだから
覚えがないのは当然だ」
「はぁ!?!?」
「そう驚かないでくれ、ダーリン」
「ダーリンって呼ぶなああああ!!!」
「ダーリンは嫌か。
『アナタ』…それとも
『ラモたん』などの方が良いか?」
何を言ってるんだこの人は!?
俺は部屋を飛び出して叫んだ。
「マヨルド!!マヨルドぉぉぉぉぉぉ!!」
廊下を走っていると
窓の外に馬車と騎士が見えた。
お父様が帰って来ているらしい。
ならば、爺もあそこにいるはずだ!
俺は3階の窓を盛大に割って庭へと飛び降りた。
音に気付いて外にいた者が
全員こちらを振り向く。
「ぼ、坊ちゃま!?
これは一体何事ですか?!」
俺に気付いた爺と何名かが此方に駆け寄ってくる。
「はぁ…はぁ…
爺、ど、どういう事なんだ!?」
「それは私達の台詞だと思うのだがな、ラモラ」
「はぁ…父さん…じゃなくて父様…」
爺の後ろにはお父様がいた。
ミラの言う事が本当なら
公爵家の当主同士で合意があったはずだ。
お父様なら絶対に真実を知っている。
「け、結婚って…」
「あぁ、その事か。
ミラ君から聞かなかったのかね?」
「え…?」
「丁度昨日の夜にレディール家の
サレス君と婚約解消しただろう?
それを聞いてすぐに
マトリクス家から結婚の申し出があったのだ」
な、早すぎるだろ…?
「かのマトリクス家から是非にとの事だったし
ラモも綺麗な人だと言っていただろう?
今年から社交界に入るとはいえ
身の内を固めておくのは痛手はないから
私からも是非に、とね?」
馬鹿な、正式な結婚じゃないか!?
とても今から断れるようなものではないらしい。
「ラモが寝ている間に
簡易的な式を執り行っておいたから
お前とミラ君はもう正式な夫婦なんだ。
最初の内は慣れないだろうけど
頑張るんだよ」
そんな。
俺の初恋はたったの一日も持たずして
終わってしまったのか・・・?
「…めない」
「ん?
すまない、もう一度言ってくれるかな?」
感動して涙を拭く爺や嬉しそうなお父様に向かって
俺は胸の内を全部さらけ出した。
「認めない!!!
認めないぞ!!!
サレスの事が好きだから
サレスと結婚するの!!!」
全員がぶったまげたのか驚愕して立ち尽くす。
「やだやだ!!
絶対にサレスが良いの!!!」
駄々をこねる俺。
「どうしてしまったんだ、ラモ君」
「坊ちゃま…」
そうだ!良い事を思いついたぞ!!
俺は父様に向き直って土下座した。
「お父様!!家督も家名も全てを捨て去ります。
どうか俺の…
私の事は忘れて頂けないでしょうか??」
「!?
な、何を言い出すんだ?!」
「坊ちゃま!?
何故そのような?!」
俺がノデュス家の長男である事が問題なんだ。
ノデュス家の者でなければ大丈夫だ、大丈夫なんだ。
「ミラ様との婚約は
是非とも末っ子のユーヴェンに!!
あれはミラ様にゾッコンですから
喜んでくれますとも!!」
初恋の相手と結ばれるのだ、許せ弟よ。
「え、そうなの・・・?
…いや!そういう問題ではなくてだね」
「とにかく、俺は絶対に認めませんからね!!
この結婚を俺は認めない!!!!
俺はサレスと…」
「…なるほど、そういう事か」
「み、ミラ君!?
これはだね…?」
場が凍り付いていた。
俺の背後からミラが現れたのだ。
そうだ、ここで更に
ミラの機嫌を損ねれば離婚一直線だ!!
「ミラ、俺は君の事が…」
凍り付いていたノデュス家自慢の庭は
さらなる静寂に包まれた。
ミラの唇と俺の唇が重なったのだ。
この場の誰もが予想だにしなかった現象を前に
思考回路を止めた。
俺もお父様も爺も騎士達も。
それを理解した上でミラは
俺の右手を握るとお父様達に一礼して口を開いた。
「皆様、お騒がせしました。
では私達は続きをして参りますので
これにて失礼します」
「…?」
「…はぁ。
ごゆっくり?」
また一礼したミラは俺を引っ張って
ベッドへと戻ってきた。
そして部屋の鍵を閉め、何かの小瓶を取り出し
服を脱ぎ出した。
「いや、ちょ、何して…」
「アナタも早く脱いで?」
「な、何を言って…?」
ミラの整った身体の全てが剥き出しになった。
15の少女とは思えないほどに色ッぽい。
「み、見えてる!!
色々と…」
小瓶の中身を一気に口に含んだミラは
たじろぐ俺をベッドに押し倒して跨ってきた。
「ミラ…一体何を…ンン!!?」
口を開いた瞬間、またキスをされてしまった。
しかも彼女の滑らかな舌と
先程口に含んでいた液体が俺の中に雪崩込んで来た。
妙に身体が熱くなり
頭が段々と真っ白に染まってきた。
なんだ、何かの薬か…?
ただ彼女の身体の熱と柔らかさと
気持ちよさだけが延々と反芻される。
気付けば俺は彼女の身体を抱き締めていた。
散々口の中を嬲られてから
ようやく俺の口と唇は解放された。
ただ何も考えられない頭が
彼女の妖艶な瞳だけを捉えていた。
「アナタは何も考えなくて良い」
「何も…?」
耳元で優しく蠱惑的な囁きが反響する。
「ただ感じるままに委ねていればいい」
「委ねる…?委ね…あっ…ぁ…」
そこから先は何も覚えていない。
ただ感じるままに身を委ねながら
サレスは今頃何をしているんだろうかと
心の片隅で想っていた。
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「なんか出た」
黒い魔力を練り上げた空間に腕を突っ込み
掴んだままソイツを持ち上げてやると、
伸びた猫のようなポーズの
黒髪に鮮血の様に深く赤い双眸の少年だった。
「な、貴様はサレス・レディール?!
なんで魔法が使えるのだ!?」
少年は泣きながら私の名前を呼んだ。
何者だ?
アイスのおいしい季節になって参りましたね!
私はパルム片手にエルデンリング楽しんでます。
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