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少女騎士団は今日から僕のハーレムになりました  作者: 真木あーと
第四章 それでも、それでも結束は──
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第59話 一番暴走したのは誰か

「シェラ、大丈夫? アメラン、サイの怪我を見て!」


 エメフィーはもうルンジールを振り返らず、シェラの様子を確かめに行く。

 今は感傷に浸っている時ではない。


 ここは戦場で、敵のアジトだ。

 団長は強く、誰よりも強くあらなければならない。


「エメ……さま……?」


 まだ多少うつろな瞳でエメフィーを見つめるシェラ。


「よかった……」


 シェラをぎゅっと抱きしめる。


「ふにゃ~……何かあったのです?」

「何もないよ、シェラがちょっと寝ぼけてただけだよ」

「そうですかぁ。じゃあ、もう起きますですぅ……」



 エメフィーの胸の中、シェラが気持ちよさそうにそう言った。


「じゃ、もう少しだけ待ってて? サイを見てくるから」


 エメフィーはシェラの頭を撫でて、アメランが見ているサイの元へと向かう。


「……どうかな?」


 正直、このサイを戦闘不能にするということは、死に近いほどの重傷を負わせる必要がある。

 場合によっては、サイはその足を切り落す必要があるかも知れない。


 それをそう簡単に治せるとも思えないが、アメランならあるいは、ありえるかも知れない。


「う~ん、これは大変ですね~」


 少しだけ深刻そうに、アメランが言う。


「大変って……どのくらいかな?」


 まさか、サイの足が再起不能ということだろうか。


「ん~、完治には~もう少しかかりますね~」


 深刻そうに言うのだが、その割にその口から出た言葉に、エメフィーは深刻さを感じられなかった。


「えっと、それは完治するってこと?」

「それはもちろんです~、でも、これだけ時間がかかったのは~初めてです~」


 深刻というか、大変そうに話すアメラン。


「……うん、君の凄さはよく分かったよ、それと、ありがとう。君への感謝は、研究費の方がよかったかな?」

「それも欲しいです~。でも~エメさまの抱擁とかおしりぺんぺんも欲しいです~。毎日ください~」

「毎日は無理かな? でもさ──」



 エメフィーはぎゅっとアメランを後ろから抱きしめる。


「時々なら、こうしてあげるよ。君は僕に必要な子だ」

「えへ~私も~大好きです~」


「ほら、今は治療に集中して?」

「はい~」


 アメランはにこにこと笑いながらサイの治療をする。

 初見ではグロテスクな状態だったサイの膝も、血だけはそのままだが、見た目の傷は塞がって来ている。


 本来なら一瞬で数多くの人を同時に治療できる力を持つアメラン。

 彼女がいてくれて本当に助かった。


「ん……え……? あ……っ!」


 サイが目を覚まし、はっと立ち上がろうとして、膝の痛みに顔を歪める。


「まだ治りきってません~。もう少し我慢してください~」

「……アメラン殿、申し訳ない」


「サイ、大丈夫?」

「殿下! ありがとうございます、私は大丈夫です」



 サイは再び立ち上がろうとして、痛みに腰を落とす。


「……とりあえず君には二つ言わなければならないことがあるよ」

「……はい」


 何を言われるのか分かっているのか、サイは項垂れる。


「まず一つ目。さっきからずっとパンツが見えてる」

「なっ……! お目汚し失礼しましたっ!」



 サイが真っ赤になり、慌ててスカートを押さえ、内股になろうとするが、痛みに耐えかね、元に戻す。


「いいよ、僕が後ろに回るから」


 エメフィーはサイの後ろに回り、そして、座っているサイの肩を後ろから抱きしめる。


「…………」


 いつもなら抵抗するサイもそんな力がないのか、そんな気分ではないのか一切抵抗せず、受け入れる。


「サイ、君は僕にとって最高の弓戦士だ。だから君が僕を絶対に裏切らないって姿勢は本当に心から感謝してるし、ありがたく思う。だけどね、君はそれだけじゃないんだ。僕にとっては大切な女の子なんだ。だから、君を傷つける者は許せない。それが例え君自身であろうとも……」


「申し訳ありません……」



 サイはそう言ったものの、おそらく反省の心は全くない。

 同じことがもう一度あっても再び全く同じことをするだろう。

 エメフィーもそれが分かっている。

 そんな不器用な子なのだ。


「だから、罰を加えないとね? アメラン、そろそろ治ったかな?」

「はい~、暴れるくらいなら大丈夫です~」

「……え?」



 サイは何が起きるかよく理解できないまま、気が付くと彼女の脇の下には、エメフィーの手があった。


「ひゃっ!?」

「本当はね? これはもう、封印しようと思ったんだ。僕も王子だし、女の子相手にこんなことしちゃ駄目だろうなって思ったんだよ。でも、これは罰だから! 罰ならしょうがないよね?」


「え? ええっ!?」

「じゃあ、久々に行くよ? それぇぇぇぇぇっ!」

「やっ! あっ! ああっ! おやめくだっ! ああああっ!」



 エメフィーがサイの脇の下の手を思いっきり動かす。

 疲れていたはずのサイの身体が敏感に動き、その声は階下にいる隊員たちにまで響いたようだ。


 せっかく助けられたサイは、エメフィーの手によって、ただびくんびくんするだけの塊になり、エメフィーはマエラにきつく叱られた。


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