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テストの結果

「空風くん……テストの結果どうだった?」


教室の休み時間。俺がラノベを読んでいると如月が声を掛けてきた。

中間テストが終わって数日。今日ちょうど全教科のテストが返ってきて休み時間もその話題で持ちきりだった。


勿論俺にはそんなテストの結果について話せる人なんて限られているので本を読んで興味ないふりをしているが俺だって他人のテストの順位や結果は気になる。

だからこうやって友達とテストの結果について話し合うのは少し楽しかったりする。


「俺のテストの順位は十五位だったよ。テストの結果も全体的に良かったし国語なんかは九十点代まで取れてる」


「凄いね。空風くんそんなに勉強できたんだ」


「今回は調子が良かったからな」


実際調子が良かったのは事実。本来の俺ならばもっとテストの点数は低かった事だろう。

今回テストで良い点数を取れたのは夢春と一緒に勉強したからだ。


「そうなんだ。私も結構良かったんだよね……空風くん程じゃないけど学年順位も結構上だったし……それでなんだけどね」


何か言いにくそうな表情でこちらを見る如月。そして意を決したと言わんばかりの表情で覚悟を決めると言葉を口にする。


「今日の放課後なんだけど一緒にパフェとか食べに行かない? 実はどうしても食べたい新作のパフェがあって……空風くんと一緒に食べられたらなって」


「なんだそんなことか……別にいいよ。俺もパフェとか結構好きだし」


「本当? 良かったぁ……じゃあその……放課後楽しみにしてるから」


それだけ言って如月は自分の席へと戻った。


ーーー

喫茶店の中、俺は如月と一緒にデザートを食べている。

デザートの種類は沢山あってパフェやケーキは勿論のこと和菓子風のデザートなどもこの店では売られているみたいだった。


如月が頼んだのはこの店の新作商品であるイチゴパフェ。

それを彼女は美味しそうに食べていた。


「甘くて美味しいー! ここ私のお気に入りのお店なんだよね。デザートの種類も多いし値段も手頃だし」


言われて俺もパフェを食べてみる。俺が頼んだのは如月とは違うチョコレートパフェだが確かに甘くて美味しかった。


「……知らなかった」


「ここはあんまり人に知られていない店だからね」


「あーいやそういう意味じゃなくて……お前が甘いの好きだなんて知らなかったなって」


いつも大人しくて内気な少女。そんな印象ばかりを如月に持っていた。

でもそれだけじゃなかった。甘いものが好きなことや甘いパフェを食べてあんなに幸せそうな笑顔を浮かべることも俺は知らなかった。


「そうなんだよね。私、結構甘いのが好きなんだ。良いことがあった時とか逆に悪いことがあった時もだけどそういう時はよくこのお店に来て甘いものを食べるんだ。今回はテストで良い点が取れたので自分のご褒美としてここに来たんだよね」


如月はそう言うとイチゴパフェのアイス部分をすくって俺の方へと差し出した。


「あの……良かったら食べる?」


「いや……でもなんか恥ずかしいだろ」


如月の意外な行動に俺は驚きながらもそう否定する。

いつもの彼女ならそれで大人しく辞めるはずなのだが今日の彼女はいつもよりも頑固だった。


「でも空風くんにも食べてほしいから……だからその……あーんしてほしい」


「お前な……そんな恥ずかしいこと出来ないって」


「でもアイスが溶けるし早くしないとだから……ね」


確かに今にもアイスが溶けてテーブルに溢れそうになっている。

正直俺としては女子に食べさせて貰うのは恋人同士みたいで恥ずかしいが、彼女はきっとそんなことは考えていなくて単純にパフェが美味しいからと俺に勧めているだけに過ぎない。

なのにそれを俺が頑なにましてやアイスが溶けるまで否定するのは如月に失礼な気がした。


「わ、分かった……食べるよ」


俺はそれだけを言うと差し出されたパフェを食べる。

美味しい……んだと思う。確かに甘い味がする気がする。

でも正直それよりも如月にあーんして貰っているという事実の方が大きくて味なんて気にしている余裕が無かった。


「どうだった?」


「……美味かったよ」


「でしょー。じゃあ私も空風くんのパフェちょっとだけ食べてもいい?」


「別にいいけど」


「ありがとう」


如月はそう言って俺が食べたフォークを使ってパフェを食べようとする。

その時に俺は気づいてしまった。これって間接キスになるのではと。

だがそのことに気づいてないのか普通にパフェを食べる。


「……どうしたの?」


「いや何でもない」


流石に間接キスだと言えるはずもなく俺は黙ることしか出来ない。

でもそんな様子を見てようやく如月も俺と間接キスしたことに気づいたのか一気に顔を赤くした。


「あ……その……間接キスしちゃった」


「そうだな。嫌なら店員を呼んで食器を変えても」


「いいよそんなの! 全然気にしてないから」


気にしてないと言いつつ真っ赤な顔でパフェを食べる如月。

俺に気を遣っているから食器を変えないんだろうけど。

でも不思議と如月の表情はどこか嬉しそうに見えた。

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