アラン君が謝罪する、だと!
翌朝、食堂にてタピオカミルクティーをズズズ♪と啜りながら麗虎さんに話しかける。
「アラン君来ないねぇ。どうしたんだろ?」
そう、アラン君がまだ来ていないんだ!
時間を決めた訳では無いが、いつも朝から来ていた。
今日に限って遅刻なのかな?
「私はこの時間、陽太を独り占めできたからいいけど。ダイエットをサボるようなら潰すわ♡」
おぉ、怖い。
なぜか玉がキュッとなったぞ!
プルルルル♪プルルルル♪
おっと、アラン君から着信だ!
麗虎さんも居るしスピーカーで出るか。
「もしもしアラン君?」
『悪い!陽太先輩!』
普段謝らないアラン君が「悪い」なんて言葉を使うなんて。
「ごめん」ではなく「悪い」と言う所がアラン君らしいか。
負けを認めたくないというプライドと俺との関係を壊したくないという心理が見える。
プライドの高い人が謝ったときは、内容を深掘りしないで「わかった」と短く返すのが、相手のメンツを潰さないスマートな対応だと聞いた事がある。
「わかっ」
『聞いてくれよ!昨日セクササイズを家でしたんだ!警護官がより実践的にとお互い全裸でしたんだ!』
自分から言うのかよ!
聞いて欲しいのかよ!
聞くけどさ、そんなの続きが気になるだろ!
『初めは俺様が上になって、挿れる振りだったんだ!でも擦り合ううちに警護官がエロい顔になって!その顔を見たら俺様も!』
そりゃアラン君も気持ち良くなるだろ。だって素股だもん。
『我慢出来なくなって!陽太先輩が言っていたように警護官を名前で呼んだんだ!そしたら目を潤ませてさ!アラン様♡きて♡なんて言われたんだぞ!』
それは可愛いよな。
隣で麗虎さんは「あざとい、アラン様チョロい」なんて言ってる。
そうなんだよ!アラン君チョロいんだよ!
女の子のあざと可愛いのは男を夢中にさせる何かがあるよな。分かるよアラン君。
『もう止まらなかった!で、朝になったら全身筋肉痛で!動けないんだ!だから女学園には行けない!これからは警護官と二人でやって行くから!今までの事、感謝する!(…おい!まだ電話中だぞ!そんな所舐め…)』
あらあら、朝からお熱いこと。
あの警護官さんに任せておけば放って置いても痩せるだろう。
「分かったよ。じゃあ今度、痩せて体力付いた頃また会おう!」
ふぅ、アラン君も猿になったか。
「俺もこの女学園でする事が無くなったな」
「…そうね」
っ!!
麗虎さん、一瞬悲しい顔をしただろ!
見逃す訳ないだろ。
周りの状況や人の表情の変化に敏感に生きてきたんだ!
この一週間、一番近くに居た人の表情を見逃す訳ない。
きっと俺が居なくなる日を考えたのだろう。
悲しくなるのは仕方がない。
俺も悲しいし。
でもお互いに前を向いて離れるようにしたい。
「ごめん」とは言わないと決めている。
それは一方的に別れを押し付けて逃げるようで嫌だ。
分かってもらえるだろうか。
また監禁されるのか?
まさか潰されはしないと思うが。
言うなら明日の朝だな。




