男性が乗り込んできた
それから俺は桜子さんの通う学園で他の女の子と学園内デートを重ねていった。
麗虎さんはもちろん反対したのだが、夜の地下室でだけは俺を独り占め出来るという事で納得してくれた。
ジャラ♪
「麗虎さんには今度ちゃんとしたブレスレットを贈るよ」
「生徒会長」「麗虎様」と他の生徒から慕われている麗虎さん。
しかし麗虎さんの左手にはいまだ手錠が嵌められたままだったりする。
制服に手錠とか俺の癖が疑われるだろ!夜だけにしてよ!
麗虎さん曰く、俺からの贈り物を外すなんてあり得ないらしい。
その左手を見た後でチラっと俺を見てくる他の生徒の目が痛い。
「聞いてくださる?これで毎晩陽太と繋がって寝ているのよ♡早く夜にならないかしら♡ジャラ♪」
ウットリと手錠を撫でながら、そんな事をいちいち言わなくても…
「まぁ♡」「素敵♡」と顔を赤らめる生徒が多いけど大丈夫か?
お嬢様たち疲れてるんだよな?きっと。
これは早急に新しいブレスレットを贈って手錠は外してもらわないとな。
手錠を外してまで着けたくなる物か…
「そうだ!お揃いのブレスレットにGPSが内蔵されていてお互いの居場所が分かるなんてのはどうだ?」
「なんて素敵なの♡そんな犯罪まがいの事までして私を管理しようだなんて♡愛だわ♡」
どうだ?恐ろしいだろ?
この自分から沼に嵌まりに行く感じ。
麗虎さんの「愛だわ♡」を聞くためにやってしまうんだよな。
何気に夜の相性は最高だったりする。
責めと受けのバランスが最高なんだよ。
そんなこんながありながら、今は学食でのランチデートを楽しんでいる。
最初こそ銀の食器が触れ合う音が響く学食で、数百人のご令嬢たちの視線を一身に浴びて緊張していた。
周囲の反応も「まあ、あの方が例の…」「お口に合いますかしら?」と、好奇心に満ちた囁き声が絶えなかった。
普段はフォアグラやトリュフが並ぶ学食だが、今は俺がご令嬢のために監修した庶民の味(陽太ライス)が大人気だ。各テーブルに呼ばれケチャップで文字を描いていく。
次々と「あーん」をねだるご令嬢や、俺の隣の席を巡って静かな火花を散らす生徒会役員たちに囲まれ楽しくやっている。
こんなのでも思い出になってくれるのなら嬉しい。
そんな中、事件が起こったんだ。
男性が乗り込んで来たのだ。
男性は俺を見付けると開口一番、「腑抜けた男はお前か!」「俺様が教育してやる!」と言ってきた。
男性に乗り込まれるのはB組の悠斗で経験済みだが、初めから敵対心マックスなのは何でだ?
見ればこの世界の男性といった感じだ。
太っていて偉そうで。
服装はタートルネックで首元を完全に隠し、ガードの固さをアピールしている。
手には手袋というかグローブをしていて素肌を一切見せない徹底した鉄壁スタイルだ。
ロングコートは体のラインを見せない(顔だけで太っているようにしか見えないが)厚手の生地で、箱入り感を演出している。
しかし固いだけではなく、フリルやリボンで鑑賞される対象としての自覚はあるようだ。
こんなの逆に女性側の独占欲を煽るのではないのか?
異世界なら屈強な女騎士に路地に追い詰められ衆人環視の中あんな事やこんな事を…
「おい、聞いているのか!そこの下品な男。誰にでも微笑むなんて…俺様みたいな高嶺の花が、どれだけ高いプライドを持って振る舞ってるか分かってるのか!」
なんだよ、こいつ。




