奏さんには今日の事は話せないな
「でもさ、警察を呼ばなくても良かったんじゃないの?それならこんな大事にならなかったのに。この紅茶旨っ!」
場所は地下室から出て生徒会室、桜子さんが淹れてくれた紅茶を飲みながらこれからの事を話すようだ。
それにしても旨い。高級な茶葉を使っているんだろうな。
「いつもはこれ程良い茶葉は使わないの。久しぶりに陽太くんに会えるから、陽太くんに飲んで欲しくて用意したのよ。それと警察を呼んだのは私ではないの。生徒会室の外に待機していた警備員の方が呼んでしまったのよ」
中からバタン!と音がしたので声を掛けたが返事は無い。部屋に入ってみると誰も居ない。会長の机にはさっきまで男性が着ていたスーツに靴下、靴が置かれていた。
男性が裸にされた!と。
「サーと血の気が引いたそうよ。自分が警備を任された男性が裸にされ会長に襲われているって。彼女は職務を全うしただけなの、彼女を責めないであげて」
「責めるなんてしませんよ。なんか悪い事したな、今度コーヒーでも淹れてあげよ」
「陽太♡そういう事を私の前で言わないで」
「なんで?」と聞けば。
男性が女性にコーヒーを淹れるのはエロ漫画のド定番なのだとか。
お嬢様が男性執事(現実には居ない)とのベッドでのロマンスの後、コーヒーを飲む描写があるようだ。
その優しさと行為の余韻がコーヒーをより美味しく感じさせると女性の間では考えられている。
誰も飲んだ事がないのだが。
確かに行為の後でコーヒー淹れてあげれば皆言ってたな「陽太くんが淹れてくれたコーヒー、今までで一番おいしいかも」と感激した表情で。
そんな大げさな、と思っていたが漫画の中のコーヒーが手の中にあればそうなるか。
俺も漫画肉が目の前にあればそうなると思う、感激すると思う。
「そういう事か、奏さんも感激してたな」
「奏ちゃんで思い出したわ!麗虎さんは奏ちゃんに今日の事を、その、プ、プレイの事は話しては駄目よ!」
「なんでよ!私も陽太との事を皆で話したいのに!また私だけ除け者にするの?」
「違いますよ、奏ちゃんは純情なの。ピュアピュアなのよ。あん♡あん♡言いたいの。あんなアブノーマルな話をされたら泡吹いて倒れてしまうわ」
「それはそうかも。奏さんはお姫様みたいな甘々でイチャイチャするプレイが好きだから、それは言わないでおいた方がいいかもな」
「でも、よ、陽太くんが望むなら…私も陽太くんに飲ませてあげられるよ?♡」
「桜子さん…」
「陽太くん♡」
「桜子も私の前でそんな事言わないで!愛を飲ませていいのは私だけだよね?私のだけ飲みたいんだよね?陽太♡」
「あはは」
笑ってごまかすしかないな。
明日から桜子さんの友人との学園内デートをしていく事になった。
麗虎さんは俺を独り占めしたいと反対したが「そういえば俺、誰かさんに監禁され犯されてたような?」と言えば、納得は行ってないが渋々了承してくれた。
魔法の言葉を手に入れたみたいだ。




