第七回:〝技〟を身につけよう!
逢魔時「底辺なろう作家プレゼンツ小説執筆講座へようこそ。第七回のテーマは『〝技〟を身につけよう!』だ」
逢魔時「今回は大きく三つのことを取り上げようと思う。その三つとはインターテクストを利用する方法、都市論を利用する方法、ファンタジーで使えるかもしれないネーミングの方法の三つだ」
白崎「今回は三つのテーマがあるのですね。どれも興味深いです」
逢魔時「では、まずインターテクストを利用する方法というものについて語ろう。まずはこれを見てくれ」
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プレテクスト
↑
↑引用 引用
テクスト→→→プレテクスト
↓引用
↓
プレテクスト
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逢魔時「インターテクスチュアリティとは、テクストの間に発生する引用や参照の関係を指す。和歌で言うところの本歌取りのようなものだな。有名なフレーズなどを引用したり、分かりやすいようにとあるテクストをネタとして入れ込んだりすることで、物語の重厚感を増す効果を求めるというものだ。……ただ、やり過ぎるとパクリ扱いされるのでその塩梅が本当に難しい。……近世期は結構頻繁に行われていたんだけどな」
白崎「『偐紫田舎源氏』とかですか?」
逢魔時「まあ、そんな感じだな。まあ、近世期の作品は下敷きにした作品通りに進むと見せかけて大逆転するという、所謂趣向を求めたものだから、使い方が多少異なるけど。『文学少年召喚』はその点、かなり近世の作品に近いと言える」
逢魔時「近代で有名なインターテクストの利用者としては無頼派の石川淳が挙げられる。『佳人』という小説はレオナルド・ダヴィンチの言葉やポール・ヴァレリイの『カイエ』などが下敷きにされたのではという先行研究もある」
逢魔時「続いて都市論についてだ。実在する場所を舞台にする時、その場所の持つイメージがそのまま作品に反映されることがある。例えば、銀座と渋谷ではイメージが違うだろう? それがそのまま人物造形に違いを生じさせる。インターテクストを利用する方法と同じく間接的にイメージを付与することができる。……まあ、完全な架空の舞台であれば、その土地の描写から判断するしかなくなる。異世界ものではあまり役立つものではないな」
逢魔時「最後はファンタジーで使えるかもしれないネーミングの方法だ。僕が提案するのは魔法の効果などを複数の言語に変換するというもの。英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、ラテン語など、変換先は沢山あるから便利だ。便利なサイトも色々あるので、是非オススメしたい」
小説執筆に効果的なサイトピックアップ
『0から始める小説の書き方徹底講座!』
作者:N.M.ぺんくらぶ
https://ncode.syosetu.com/n3716ba/11/
→人称の部分で一部参考にさせて頂きました。
小説執筆に効果的な本ピックアップ
『大学生のための文学トレーニング近代編』三省堂
編著:河野龍也/佐藤淳一/古川祐佳/山根龍一/山本良
→今回追加した大部分はこの本を参考にしました。後半部は文学研究に関するものが多くなりますが、前半は小説を書く上で必要な情報が数多く書かれています。名作な近代文学作品を読みながら、文学の技を磨いてみませんか?