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僕は御三家の最高傑作~現代社会の裏側で最強を極める~  作者: 藤水 肇


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6.序列戦と幼年総祓


7歳になった。妖魔を祓って鍛錬してを繰り返していたら気がついたら1年が経っていた。


そして今日、僕が正二位階になるための序列戦が行われる。始まる30分前に僕の気分は最高潮に達していた。1年前の風真との戦いのような本気なぶつかり合いをすることができる。そう考えるだけでわくわくが抑えられなくなる。


「若様、今日の相手は序列7位の陰陽師です。本当に相手の術式に関する資料を見なくてもよろしいのですか?相手側は見ていると思いますが……」


「見ないよ。見ないで戦った方が宝箱開けるみたいでわくわくするじゃん。それに僕の術式の資料って『天律統世』について書かれてないでしょ。屋敷の外で使ったことないし、鑑定阻害してるしね。持ってる情報なんて精々『闇影』と『回復』のみでしょ」


「なるほど……それだと不公平だということですか。ですが情報収集から戦いは始まってると思いますが」


「いーんだよ。僕は最強なんだから」


そう言って控室から闘技場へセコンドに風間を添え向かう。闘技場の観客席には多くの陰陽師がいる。


「あれが御三家の……」

「現代最強というが……」

「まだ子供だぞ」


僕を見て観客席の陰陽師たちが騒ぐ。うるさいな。黙って見てろよ。魅してやるからさ、最強を……


闘技場の逆の扉から相手が入ってくる。互いに審判を挟み向かい合う。


「これより佐竹正二位階対如月従二位階との序列戦を行います。ではっ、始め」


審判の合図とともに試合が始まった。


相手の陰陽師が僕との距離を詰め、肉弾戦を仕掛けてくる。それを身体能力だけで躱わす。


ふむ。最初っから本気で来てくれるとは……子供と思って侮らないところが気に入った。ほんとは何の術式も使わず妖力による身体強化と放出だけで戦おうかと思ってたけど辞めた。『闇影』くらい使ってやるよ。


自身の影を細く伸ばし相手の影と繋げ[影渡り]で相手の背後に瞬間移動し背中に一撃をお見舞いする。


相手は対処できずに前に吹っ飛んだ。


「まじか……ここまでなのかよ。見えなかったぞ」


「本気でこいよ。このままだと君、見せ場なしで終わっちゃうよ?使えるんだろ【妖命開帳】」


「ははっ……ガキが調子こくなよ。お望みなら使ってやるよ。【妖命開帳】」


やっぱ使えるか……こいつの妖力量だともって5分。術式によっては短い時間で『闇影』だけで攻略できるか怪しいな。それでもやる。最強であるために。


さきほどとは別次元の動きで僕に迫り殴りかかってくる相手の影を使い裏を取り、攻撃を入れ続ける。硬いな。防御は間に合っていないのに纏っている妖力が上がっているせいで倒しきれない。こりゃ、本気の一撃を喰らわせるしかないな。


それにしても…こいつの術式はおそらく近距離専用。おそらく攻撃を当てることによって発動するタイプ。当たらなければどうってことはない。



雅仁の想像通り佐竹昌平の術式は攻撃を当てることにより発動する。『ニ衝拳』それが佐竹の術式である。拳を当てた対象に自身の込めた妖力の倍の打撃を与え更に遅れて二度目の打撃を相手に与える。つまり一度の攻撃で2倍×2倍の攻撃力を得る。


佐竹昌平は焦っていた。自身の攻撃は当たらず、時間制限が迫ってきていることに。相手の挑発に乗せられ早い段階で【妖命開帳】を使ってしまった。まさに佐竹は現在崖っぷちにいる。


ここで2人の思考は一致する。“一撃にかける”


佐竹は残りの力を全て使い影を繋げられる前に最後で最高の一撃を雅仁に繰り出す。


最高だ。素直に佐竹の評価を顔面に迫りくる拳のなか1段階上にあげた。腐っても正二位階。……だが甘い。『闇影』はただ影を操るだけではない。操った影の形を自身に反映することができる。影の自分の首を傾けそれを本体に反映させ紙一重で拳を避け、特級クラスの妖力を相手を殺さぬ程度に全力で拳に込め佐竹の無防備な腹にぶち当てた。


佐竹が意識を無くしながら吹っ飛んだのを審判が確認し雅仁の勝利を告げた。


「佐竹正二位階が戦闘不能により如月従二位階の勝利とし、如月従二位階を正二位階に昇格、序列七位とする」


審判の声を聞き雅仁は闘技場を後にした。





序列戦から1週間後、雅仁は7歳になる陰陽師の子供が参加する幼年総祓に両親と共に車で向かっていた。


「こんな直前に着くようにして大丈夫なの?」


「御三家である我々がはやく行きすぎると下の者たちが萎縮するからな。家の格が高い者はできる限り遅く行くのが慣わしだ」


「ふーん」


「まさくん緊張してる?」


「してません」


「私にも砕けた口調でいいのよ?」


「このままでいいです」


「もー。つれないんだから」


両親と会話しているうちに会場である異能管理局の本部に着く。本部の中の広間に向かうと広間には大勢の陰陽師で埋め尽くされていた。


僕たちがその中に歩いていくと陰陽師たちが道を開けていく。そのまま最前列に行き、用意されていた席に着く。


「あまりふざけることのないようにな」


「まさくん、しっかりね」


両親が僕に声をかけ後ろの方に向かう。どうやら子供が前の方に座り大人は後ろの方に座るらしい。


両親が後ろに去った後、隣のヤツが話しかけてくる。


「君が如月雅仁くん?ボクは神代朱莉。同じ御三家同士よろしくねっ。ボクの隣は天城風華ちゃんだよ」


「……よろしくね」


どうやら最前列の席全て、御三家の子供の席だったらしい。つまり家の格順に並んでいるわけか。


それにしてもこいつ初対面のクセに馴れ馴れしいな。少し揶揄ってやるとするか。


「僕は如月雅仁?じゃないよ。ここが空いてたから座っただけ」


「そうなの!?じゃあはやくそこの席から離れた方がいいよ。そこは如月雅仁くんの席だから」


心配そうに神代が言ってくる。こいつちょろいな。本当に脳みそついてるのか心配になるレベルだ。


「……朱莉ちゃん。その男の子が如月くんだよ。この前の序列戦一緒に見たでしょ?」


「だよねっ?やっぱり雅仁くんじゃんっ。なんで嘘ついたの?人違いかと思ったじゃん」


天城の言葉に反応し、神代が立ち上がりながらこちらを見てくる。うるさいやつだな。


「座れ、神代。立ち上がると周りの連中に迷惑」


「っ〜〜〜」


神代が周りを見渡し注目を集めていることを知ると恥ずかしそうにしながら自分の席に座り小声で話しかけてくる。


「それでなんで嘘ついたの」


「ちょっと揶揄っただけ。そろそろ始まる。静かにしなよ」


「……あとで怒るから」


壇上に陰陽師が上がるのを見て喋るのをやめた。父も御三家如月家当主として用意された壇上の席に座る。真ん中にいた50代ほどの陰陽師がマイクを持って話を始める。


「異能管理局、局長の鏡原實だ。皆、よく集まってくれた。今日この日より君たちは陰陽師となる。陰陽師の道は決して平坦ではない。多くの守るべきものを背負い多くの強敵と戦わなくてはならん。それが力ある者の責務だからだ。それをこれから学び、胸に刻んでほしい。では、幼年総祓を始める」


局長が一歩下がると神官が前に出てきて祈祷を始める。その後一人一人に護符を渡され、それに妖力を込めて神官に返す。神官はその護符全てを一つにまとめてさらに祈祷をした。


……長いな。あんなに祈祷して意味あんのかよ。段々苛立ってくる。しかし如月家次期当主である僕がじっとしていないわけにもいかないので大人しくする。


その後、神官が祈祷し終えた護符を捕らえられた4級妖魔に貼り付け、妖魔が消滅したことで幼年総祓が終了した。


「この後、子供たちは隣の広間に移動して将来の同僚同士でお菓子を食べながら交流してください。大人たちはここで子供たちについての話し合いを行います」


司会の陰陽師の言葉に従い子供たちは隣の広間に移動した。幼年総祓はここからが本番である。別室で行われる交流会は子供ながらに政治の世界。一歩間違えればこれから先の陰陽師人生が終わる外交戦でもあるのだ。親たちからそう聞かされている子供たちは緊張しつつ、自身の派閥の長の家柄の子の周りに集まった。


なお、雅仁はそれを聞かされておらず何も知らない。


 



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