表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
5/6

お茶会での出会い

はー立て続けに投稿して疲れたぁぁぁぁぁぁl

他家の主催する、賑やかな昼下がりのお茶会。

私は、レオンハルト王子やお兄様ヨハンという「未来の破滅フラグ」から上手に距離を置きつつ、テーブルに並んだ色とりどりのお菓子を純粋に楽しんでいた。


(ふぅ、このお茶会のスコーン、外はサクサクで中はしっとりしていて最高に美味しいわ……!)


前世の記憶がある私にとって、お茶会は攻略対象たちを警戒する場であると同時に、美味しい絶品スイーツを堪能できる至福の時間でもある。


そんな風に私が一人でお茶会を満喫していると、ふと庭園の隅にある大きな木の陰が目に入った。

そこには、ドレスの裾をぎゅっと握りしめて、今にも泣き出しそうな顔でうつむいている一人の少女がいた。


少し離れた華やかなテーブルでは、きらびやかなドレスを着た彼女の「お姉ちゃん」らしき令嬢が、他の取り巻きたちとクスクスと意地悪そうに笑いながらお喋りを楽しんでいる。


(……あ。あの子、お姉ちゃんにいじめられて置いていかれちゃったんだわ)


周囲の人間は誰も彼女を助けようとせず、見て見ぬふりをして楽しそうに談笑している。

ゲームの知識を引っ張り出してみても、彼女は悪役令嬢でもヒロインでもない、ただのモブの女の子だ。


(関わったら目立っちゃうかもしれない。でも……あんな悲しそうな顔、お菓子の美味しさも半減しちゃうじゃない!)


私は覚悟を決め、手に持ったお皿にお気に入りのイチゴのタルトを乗せて、彼女の元へと歩み寄った。


「ごきげんよう。もしよろしければ、この素晴らしいお天気のなか、あちらの静かなベンチでお菓子でもご一緒させていただけないかしら?」


「え……?」


少女がハッと顔を上げる。その大きな瞳には、今にもこぼれ落ちそうな涙が溜まっていた。

私が優しく微笑みかけると、彼女は驚いたようにパチパチと瞬きをして、小さく「はい……っ」と頷いた。


人が少ない静かなベンチへ移動し、持ってきたタルトを差し出す。


「私、クロエと申します。さっきは、声をかけていただきありがとうございました……」

「いいのよ。私はラナ・エルバート。それよりクロエ、このタルト、とっても美味しいわよ? 食べてみて」


クロエが恐る恐る一口タルトを口に含んだ瞬間、その瞳がキラキラと輝いた。


「おいしい……! すっごく美味しいです、ラナ様!」


さっきまで泣きそうだったのが嘘みたいに、満面の笑みを咲かせるクロエ。

話してみれば、彼女は本来、元気いっぱいで美味しいものが大好きな、とっても素直で可愛い女の子だった。

「実はあっちのテーブルにあるクッキーも絶品なんですよ!」と身振り手振りを交えて楽しそうに話す彼女を見て、私の心もすっかり癒されていく。


(ああ、なんて幸せな空間なの……。男の子たちのフラグに怯える必要のない、初めての純粋なお友達……! 私、クロエを全力で守るわ!)


下心も裏の計算もない、女の子同士の温かい友情。

私は前世の知識をフル活用して「実は王都の西街にあるあのカフェのタルトも絶品なのよ」なんて情報を提供し、クロエは「本当ですか!? 今度一緒に行きたいです!」と目を輝かせる。


「ええ、ぜひ行きましょう。約束よ、クロエ」


「はいっ!」


攻略対象たちとのハラハラする駆け引きばかりだった私の日常に、初めてできた大好きな親友。

この時の私は、クロエと過ごす時間が私の唯一の癒やしになると、確信していたのだった。

クロエとの出会いどうでしたか

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ