第六話 同じ住処の仲間たち
「今日から授業も受けるし、クラスのやつと仲良くなれるように、身だしなみはしっかりしておいて…よし!行ってきまーす!」
そう言って部屋を出た赤城。そこには見たことのある姿が。
「あれ?赤城じゃん!もしかして新しい生徒ってのは君のことだったの?」
「なんかこれ昨日のクラスでもやったぞ…てことはお前、あの燃えたって聞いた寮でもともと生活してたのか?」
そう赤城が言うと、不知火の目が泳ぎ始めた。
「何その反応。別にそんなに焦る話じゃなくね?お前またなんかやらかしたのか…やらかしたのか…?」
そこで赤城は昨日の綴木の言っていたことを思い出す。とても小さな声で言っていたことを。
『まぁ一人は罰としてですが…』
……………
「………やったな?お前?」
そう言うと不知火の顔から汗がふきだし、顔を背けた。
「い、いやいや!?何の話かな〜!?別に私はガス使うのがめんどくさくてギフト使って出力ミスって燃やしちゃったわけじゃないけど〜!?」
めちゃくちゃ早口だし、犯人こいつだったのかよ。そもそもバカみたいに焦ってるし確定じゃん。
すると、部屋から黄色い髪の女が出てきた。
「ほんとほんと!やりやがったからねこいつ!陽が寮を燃やしたせいでこんなアパートに…シクシク」
それを聞くないなや、不知火がその女に向かって詰め寄る。
「そもそも夜中に『なんか食べたいから作って〜』って言ったのが始まりなんだからね!?なんか自分は被害者です〜みたいな感じ出してるけど!先生に綴木さんに怒られなかったのも私が庇ったからなんだからね!」
「実行犯が悪いんです〜庇ったのもそっちが勝手にやっただけだし〜頼んでないし〜」
ギャーギャー
なんか喧嘩始まったんですけど…あと、不知火と喧嘩してるこいつは誰?なーんか見たことある気が…
ていうかこの喧嘩に意味まるでなくね?
「ちょーいちょいちょいまてまて!一回落ちつこ!チルチル!な!深呼吸して…」
2人のボルテージが赤城の仲介により落ち着いていく。
「ごめんね。こんなとこ見せて。そういえば自己紹介してなかったね。あたしは棘野雷。あんたと同じ1年2組だ。陽とは幼馴染なんだ。これからよろしくね!」
あ〜いたわそういえば。不知火、幼馴染とかいたんだ。てか結構勝ち気な性格なのか?
「なんだ…こんな朝から大きい声で話すな…人を大声で起こすのはよくないって言われたぞ…」
寝癖の凄い白い髪の女がのこった部屋から出てきた。
「ちょ!まさか今起きたのか!?もうこんな時間なのに時間ないぞ!あんたほんとに朝弱いな!早く支度するぞ!」
そう棘野が言うと白い髪の女と一緒に部屋に入っていった。
「不知火…あの人は?」
「あの人は狐白雪。私たちと同じクラスの人だよ。学校では高嶺の花みたいなクール雰囲気だけど、朝がかなり苦手みたいで…いつも雷があんな感じで世話してるの。あそうそう!赤城と同じで編入で来た人だよ!」
「編入できた…ってことはもしかして狐白がここなのも?」
「はい。私たちのせいです。」
| 《あたしも巻き込むな〜!》
あいつも被害者なのか…かわいそうだな(笑)
バン!
大きな音を上げて扉が開く。
「よし!こいつの支度もできた!早く学校向かうよ!」
そして赤城たち4人は学校に向かう。
「赤城は討傀隊に仮で入ってるの?」
不知火が赤城に対して聞く。
「あ〜なんか資料のなかにそんなのあったような気がするわ。で入ってるとなんかあんの?」
棘野が討傀隊の説明に入る。
「入ってると傀儡が現れた時に許可を取らずにギフトを使用していいの。もちろん人を守るために使うのが大前提だけどね。」
「あ、じゃああの時言われたことが結構そのままなんだ。」
そんな何気のない会話をしていると、どこからか声が聞こえてきた。
「やばいやばい!早く誰か討傀隊を呼べ!」
「あんなに出てくることなんて無かったぞ!?」
「逃げろぉ!早くぅ!」
何人かがこちらに向かって逃げてくる。
「何だ!?なにかあったのか!?」
「討傀隊を呼ぶって言ってたから傀儡が出たのかも!早く現場に向かおう!」
赤城たち4人が現場に向かうと、そこには赤城が初めて戦ったときよりも小さい傀儡が八、九体ほどいた。そのなかには逃げ遅れた人を襲っている個体もいた。
「大変!あの人、襲われてるわ!」
棘野がそういった先には、女性に傀儡が近づいていっていた。
「助けたいけど、私たちのギフトじゃあ範囲が広すぎてあの人を巻き込んじゃう!近づく時間なんてないし…!一体どうすれば…!」
その時、赤城は真っ先にその傀儡に走り出していた。
「お前らはほかの奴ら相手にしてくれ!俺はあの人を助けに行く!」
不知火が困惑と驚きが混じった声で赤城に問いかける。
「え!?でも赤城まだギフトが体に馴染んでないかもって言われてたじゃん!?本当に戦えるの!?」
赤城がにやりと笑う。
「昨日の放課後、校長と特訓してたからある程度は使える!だから信じてくれ!」
俺の射撃・黄は今のところ、大体射程は5メートルないくらいだ…!
ここからは大体15メートルくらい離れてる!
なら…まずは近づく!
「疾脚・青!」
すると赤城の足が青色に輝き、スピードが上がっていく。そのスピードは全力でこいだ自転車ほどであったが、赤城からしたら十分なスピードだった。
よし!十分近づいた!そしたら、足の方にある力を指に集めて…俺の出せる全力で!
赤城が手でデコピンの形を作ると、そこには黄色い輝きが出てきた。
「射撃・黄ッ!」
そしてその輝きを傀儡に向かって放つ。
「ゔぁあ?」
その射撃・黄が傀儡にヒットすると声を上げ少し怯んだ。その隙を赤城は逃さない。一気に距離を詰め…
「打撃・桃!」
「ギャァァ!」
赤城の渾身のが傀儡に直撃すると、傀儡は吹っ飛び、塵となって消滅した。
「大丈夫ですか!?」
赤城はそう言って女性に近づく。
「えぇ…なんとか…」
「よかったです。安全なところまで運びますので安心してください!」
その光景をみた不知火たち。
「赤城があんなにかっこよく戦ってたのに、私たちも戦わないわけにはいかないでしょ!」
「紅蓮爆流破!」
次の瞬間、激しい炎が一帯をつつみ込んだ。
「グァァァ!」
炎に包まれた三体ほどの傀儡が、次々と消滅していく。
広範囲を炎で包み込む、強力な技。
それが不知火の必殺技、紅蓮爆流破。
しかし、その圧倒的な火力ゆえに、使用者である不知火自身の身体にも負担がかかる危険な技でもある。
「っ……!」
不知火は熱に耐えながら、残った傀儡を睨みつける。
狐白、棘野も同じくギフトを発動させ、傀儡に向かって行く。
「白狐。私に力を貸して。顕現白狐。」
狐白がギフトを発動すると、狐白の周りに白い冷気のようなものが出てきた。
「絶対零度。」
そしてその冷気を腕に集め一振すると、その範囲が大きな氷塊となり、3体の傀儡を凍りつかせた。
「あたしも負けてられないな!あたしのギフト、見せてやるわ!」
棘野がギフトを発動させると、棘野が指に電気を纏わせる。そしてその指を傀儡の方にむける。
「雷閃!」
指を弾いたその瞬間、閃光が走った。
目で追えないスピードの速度で放たれた雷が、傀儡を一直線に貫く。
こうして、この傀儡による小さな事件は、
赤城、不知火、棘野、狐白の4人の高校生によって鎮圧されたのであった。




