第三話 校長と秘書
「赤城!早く学校いこ!」
わけあって今俺は不知火と一緒に学校に向かっている。何があったかというと…
〜〜〜〜〜〜〜〜三日前〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
赤城と不知火はあの事件の後、すぐ近くの病院に運ばれた。赤城は疲労困憊、不知火は全身打撲ということでその日中は病院での休養となった。
「まさかあんなことになるなんてな…」
「ほんとにね…初めてみたよ。あんな感じにギフトを発現させた人。」
あの日、赤城自身は自覚はしていなかった、がしかし、駆け出したあの時に赤城の体にはギフトが宿っていた。
「でもこれでギフトが使えるってことは俺もその討傀隊?ってやつに入れるんだろ?」
「いやそれがそうじゃなくてさ。私が今通ってる白峰高校みたいに、ギフト持ちの人だけの特別クラスみたいのがあって、そこに入学して、実力を認められれば仮入隊みたいな感じで、そしたら卒業後から入隊できるって感じ。」
不知火からの説明を受け、赤城に電流流れる。
「………ん?つまり入学しなきゃ仮ですら入れないってこと?」
「うん。」
「で今は?」
「6月。」
「………無理じゃね?」
「そうだね。」
え?どうすんの?傀儡倒して人助け、どうやってやんの?
「ちなみに討傀隊でもないやつがギフトで誰かに危害を加えると?」
「緊急事態でもない限り基本罰せられるね。」
悲報、俺詰む。
せっかくギフトが使えるようになったのに傀儡を倒すすべがなくなったのですが?
すると外からの看護師の声が聞こえる。
「赤城さん、不知火さん、来客さんです。」
ガラガラ
病室のドアが開くと、そこには大体120センチくらいのおじいちゃんとスーツを来た女性がいた。
「えっ!あの人って…!」
「え、なに?誰?」
その二人が病室に入ってきた。そして赤城に近づいた。
「君が赤城桃也くんで間違いないな?」
「あ、はい。」
「突然ですまないが、今日は君に用があってここに来させてもらった。」
用があるのはわかったけど、あんたら一体何者なんだよ!?不知火はさっきからビクビク怯えてるし…
「すみません、この人結構物事の順番とか考えない人なんです。こちらを受け取ってください。」
そうして女性から渡されたのは分厚い紙束と名刺のようなものだった。その名刺には、
白峰高校校長 若林玄蔵
白峰高校校長秘書 綴木栞
校長…校長!?それと秘書!?てか白峰高校って不知火が言ってた…あだからか!こいつが怯えてんの。でもなんかしなければそんなに怯えることは…
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいもう学校サボらないから許して…」
こいつが100悪かったです。だからこいつ俺が落ちてきたの見つけられたのか…
「んでそんな学校のお偉いさんたちがいったい何の用で俺のところに?」
「先程の戦い、私たちも偶然その場にいまして拝見させてもらいました。」
戦いを見ていた…あこれあれだ。さっき不知火が言ってた罰せられるやつやん。終わったんだなって。
「君のギフトは素晴らしいものだった!ぜひうちの高校に来て、そのギフトを伸ばし、討傀隊の一員として皆の平和の為に戦ってほしい!」
「というわけでして、白峰高校への編入という形であなたを我が校への入学を考えている、とのことで本日はお話に参りました。先程渡した資料はそのことに関する内容が書かれておりますので何卒。」
「え…?それってつまり…」
「赤城も私と同じ学校に入れるってことじゃん!」
「いやそこじゃなくて。」
討傀隊に入れるチャンス…!こんな形で手に入れられるなんて…!
「入ります!俺の力を使って人助けができるのなら!」
「入学は確定でよいと、それならこの資料の確認事項に記入してください。」
その資料を受け取り、書き進めていく赤城。しかし、途中でその手が止まる。
「………あの、すごく何言ってるか分からないと思うんで、言いづらいんですけど…」
「はい?」
「あの、突然この世界にやってきてしまって、ギフトが覚醒したのもさっきで、おまけに無一文のホームレスって言ったら信じますか?」
「つまり家がないからどうにかならないのか…と?」
「それもそうですね。」
「家は寮があるので気にしないでください。お金の方もこちらで給付させてもらいますのでお気になさらず。」
玄蔵が困惑したように赤城に聞く。
「覚醒したばかりなのだな?本当にそうなのだな?」
「はい、なんか助けなきゃって思ったら体が熱くなる感じがして、そしたら覚醒してたっぽいです。」
「うむ…それならギフトがまだ体に馴染んでいない可能性があるのう…よし!そこもまとめてわしが見よう!」
え?ギフトが体に馴染んでない?
「それってどういう…」
「この話はおしまいじゃ!明日の学校の放課後に校長室に来なさい!以上!」
「え、えぇ〜?」
このあと、これからどのクラスかを教えてもらい、授業では何をするのかを教えてもらった。授業は主要5科目と、ギフトを磨く実技があると教えてもらった。最後に渡された資料を書き、制服など学校に必要なものを受け取り、その日は終わった。
「え、私空気すぎない?」
彼女の嘆きは誰にも知られなかった。
そして冒頭に戻る。
「今日は寮からじゃないから遠いんだよ!急がないと遅刻しちゃう〜!」
「なんで走って行かなきゃいけないんだよ!なんか電車とかあっただろ!」
「確かに!朝普通に寝坊して焦ってたから忘れてた!」
「巻き込まれる側の気持ちも考えろ〜!」
こうして白峰高校への入学が決まった赤城。ギフトを磨き、傀儡を倒し始めるのも、そう遠くないのかもしれない。




