第二話 覚醒
「うーん…」
また知らない場所で目を覚ます。
目の前には知らない女が…女が?
「うわぁぁぁっ!?」
びっくりして身体が飛び跳ねてしまい、その結果、
ゴチン!!
「痛っ!」
その女と頭をぶつけてしまった。
「もぉ〜せっかく倒れてる人がいたから起こしてあげようと思ったのに!頭ぶつけるなんて聞いてないよぉ〜」
その女はポニーテールに所々赤色のメッシュが入っていて、オレンジ味のかかった目をしている女だった。
「そうだったのか…悪かったな。」
「大丈夫大丈夫!君も起きたばっかでびっくりしたんだよね!それで君の名前は?」
「俺の名前は赤城桃也。赤城って呼んでくれ。お前は?」
「私は不知火陽。君一体どこから来たの?突然空から降ってきて…なんで無傷なの?」
空から???あの後眩しい光に包まれてから一体何があったんだ???まぁとりあえず事情説明か。
カクカクシカジカ
軽く俺がもともといた世界の話だけをした。ほかに余計なこと話してしまわないようにね。
「つまり…赤城は異世界から来て、今は家なし、金なしのホームレスってわけだ!」
なんてこと言うんだこいつ。合ってますけど。
「なら私そういう人を支援してくれるところ知ってるからそこに行こう!そこに向かってる間にこの世界のこと、教えてあげるよ!」
というわけで今俺はその支援センターに向かっている途中である。
「じゃあこの世界についてざっくり説明するね!」
「この世界はさっきの君の説明を聞く感じ、土地とかはあんまり変わってないと思う。でもね、明らかに違う所が一つ!あるわけなんですね!それがこれ!名付けてギフト!」
力…!神様が言っていたのはこのことだったのか!
………そんな力が宿っている感じはしないのですが?
「私の能力は焰躁!名前の通り火を操る力なの!」
そう言うと不知火の手から小規模だが火が出てきた。
「おお〜かっこいい〜!」
男が憧れることがこうも簡単にできてしまうなんて!素晴らしいせかいだなぁ〜。
「能力何だけど人口の大体1割くらい…だっけ?が生まれつき持ってて、その人たちの何人かがこの世界にいる化け物の傀儡を倒すために戦ってるって感じ。でその人たちを討傀隊って呼んでるの。」
人口の1割…なんなら生まれつき…これ絶対ないじゃん!俺に力宿ってないじゃん!神様ぁ!どういうことだ〜!
「私はその討傀隊を育成する…
ドカァァン!!!
「「!?」」
突然の爆音と同時に近くで爆破が起こった。
「なんだ今の音!?」
「あっちからだ!行ってみよう!」
その現場に向かう赤城と不知火。そこで見たのは…
「な、なんだよこれ…」
そこには白と黒の2色が混ざり合ったような見た目の3メートルに達するほどの化け物がいた。
「あれが傀儡だよ。赤城!とりあえず危ないから逃げて援軍を呼んできて!」
「はぁ!?んなこと言ったって呼び方なんてわかんねぇしそもそもお前戦えるのかよ!?」
不知火が不安そうな顔をしながらもにやりと笑う。
「まだひよっこだけど私だって討傀隊の一人なんだから!」
そう言うと不知火は傀儡に向かって行く。
「火弾!」
不知火が火の玉を傀儡に向かって飛ばす。
しかし、傀儡はそれを避けようともせず、その攻撃が全く意味のない攻撃のように弾かれてしまう。
「全然効いてない…!なら、もっと大きい被害が出る前に速く倒さないと…!」
先程の攻撃で傀儡は不知火を見つけ、不知火に向かって走り出した。
「っ!」
そのスピードに反応できず、不知火は大きなダメージを負ってしまった。
「だったら…私の全力で…こいつを倒す…!」
「紅蓮爆流破ぁぁぁ!」
火弾の時とは比べ物にならないパワーの攻撃が傀儡に直撃し、傀儡の体を包み込む。
その光景を赤城は物陰から観ていた。
「やったんじゃないか?あいつ!」
しかしその火の中からでてきた傀儡は…
「うそ…これすらもほとんど効いてない…!?」
もう一度傀儡が不知火に向かって行く。
「おい!あの娘本当にヤバいぞ!」
「誰か速く討傀隊の誰かを呼べ!」
くそっ…くそっ!あいつがやられちまう!助けなきゃ…でもそんな力俺にはない…!どうすれば…どうすれば…!
「いや、力が無いなんて関係ない!もう目の前で誰かが死ぬのを見たくない!助けるんだ俺が!あいつを!」
その助けたいという意思が、赤城の身体に力を灯す!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
赤城の腕が桃色に、足が青色に、目が黄色に輝き出す。
「そいつから…!離れろぉぉぉ!」
「赤城…?」
赤城が傀儡を輝く拳で吹っ飛ばす。
その力は元々の力を倍、いやそれ以上に強化した程の力だった。
まだだ!あいつが消えてなくなるまで!消滅するまで!攻撃し続けろ!
吹っ飛ばした後、間髪入れずに追撃を加える。そのスピードも動体視力も、すべて強化されていた。足で上に飛ばし、吹っ飛んだ傀儡よりも上からさらに攻撃を食らわせる。
「ぶっ飛べぇぇぇぇ!」
傀儡の顔面を殴り、そのまま地面に叩きつける。その威力は地面を6メートル程の深さまで沈ませる程の力であった。
「わぁぁぁぁぁぁぁ!」
その現場にの近くで大きな歓声が上がる。
「なんだあいつ!」
「あんなにデカいバケモンのぶっ倒しちまった!」
「かっこいいぞ!小僧!」
赤城はゆっくりと不知火のとこへ向かっていく。もうその身体には先程までの輝きはなかった。
「だ、大、丈夫か?不知火?」
「うん…大丈夫…!」
「そっか…よかっ」
バタッ
「赤城?赤城!」
言葉を言い切る前に赤城は倒れてしまった。
なれない力、環境、状況に対する身体の疲労が限界を超えたのだ。
「あの子のあのパワー…きっと討傀隊に必要になる…そうではないでしょうか?」
「そうじゃのう。あの子の推薦も考えておくとするかのう。」
群衆の近くでそんな会話があったことにそこの誰も気がつくことはなかった。




