第一話 始まり
「ちょっ待ってよ姉ちゃん!」
「待つってあんたが遅いのがいけないんでしょ?荷物持ちとして連れてきたんだからしっかりしてよね!」
なんて勝手な姉なのだ。
突然、
「買い物行くから手伝って!」
なんて言ってきたから付いてきたものの、
結局することなんて荷物持ちに決まっているの
だ。
おっと自己紹介が遅れた。
俺は赤城桃也。とそれっぽい自己紹介をしたと言ってもただの高校生なわけだが。
姉の名前は優美。今年から大学に入学した。親によると名前には
優しく美しい娘になりますように。
という意味が込められているらしい。
実際大学内で1を争うほど可愛いと言われている
らしい。
そこは俺だって可愛いと思うが一つ欠点が…
「あんた暇でしょ?アイス買ってきて。」
「お皿全部洗っといてね〜。」
「ちょっと朝起こしていったじゃない!バカ!」
これのどこが優しい???
アメリカにいる両親見てますか?これがあなたた
ちの願いを無視して生まれた傲慢な女です。
「この買い物いつおわんの?」
「次のとこで終わり。終わったらアイス買ってあげるから!もう少し働いて!」
「へいへい」
それから数時間たった。気づけば、日もすっかり
傾いていた。
これでやっと終わったと。そう思いながらアイスを食べていた桃也。
目の前にある姉との日常はいつもどうりで何の変哲もない情景だった。だからこそ気づくことができなかったのだ。
路地裏の人影に。
その人影は二人に近づき…
「ん!?」
「がっ!?」
二人を気絶させた。そしてそのまま二人を路地裏に引きずって行ってしまった。
「ん…」
桃也が目を覚ましたのはあれから少し経ってからだった。
「ここはっ…!?」
その時桃也の目の前に広がった光景は想像を絶するものであった。
「姉ちゃん…?」
そこには力なく倒れている優美の姿があった。
「姉ちゃん…!姉ちゃん!」
どれだけ声をかけても返事がない。呼吸もしていない。まさか…姉ちゃんはっ…!
「やあ少年。」
後ろから聞いたこともない男の声が聞こえる。
「お前…一体姉ちゃんに何したんだ!」
「ああ、その娘、君のお姉ちゃんだったんだ。まぁ君のお姉ちゃんは天国に送らせてもらったよ。」
は…?じゃあやっぱり…!
「なんで、なんでそんなことするんだよ!俺のたった一人の家族に何するんだよ!」
その言葉を聞いて男の態度が豹変する。まるでずっと抑えていたものがこぼれ落ちていくように。
「その娘はね…!大学では首席!容姿端麗で文武両道の娘だったんだ!そいつがいなければ…いなければ!俺が一番だったんだ!全部そいつに取られて!だから殺したんだ!」
何いってんだこいつ…!そんなことで人を殺せるのかよ…!
「イカれてやがる…!」
「そうだよ!そいつのせいで俺の人生は狂ったんだ!」
クッソ!こいつをどうにかできないのか!こいつだけは…こいつだけは!
「もういいや君。君もお姉ちゃんの所に送ってあげるよ。」
男は落ちていたハンマーを拾い桃也に向かって振り上げる。
「死ねぇぇぇ!」
その時桃也の目の前が明るく光り輝いた。周りが何も見えなくなるほどに。桃也はその光に耐えられず再び気絶してしまった。
桃也が目を覚ました時そこはさっき自身が目を覚ました場所ではなく何もない白い景色が広がってる空間だった。
「ここは…?ってさっきこのくだりやったな。」
さっき俺にハンマーが当たる瞬間、目の前が光って、そこからどうなったんだ?俺は死んだのか?ここは死後の世界なのか?
「ここは死後の世界ではありません。」
なんの声だ!?いったいどこからこの声が聞こえているんだ!?
「私は分かりやすく言うならば神です。」
神だぁ?うさんくさ。
「この世界は世界と世界の狭間です。あなたが死ぬ直前でこの世界に送らせてもらいました。」
「神様がこの俺に一体何の用があってここに送ったんだよ。姉ちゃんを助けてくれたりすんのかよ?」
「私は助けることはできません。」
やっぱりな。どうせそんなことだろうと…?
「私はってまるでほかのやつなら助けられるみたいな…?」
「そう。私は助けることはできません。でもあなたが条件を達成することができたのなら、そのときはあなたが彼女を助けることが可能になるのです。」
俺が姉ちゃんを…助けられる?
「あなたにはこれから使命を与えます。その使命は…別世界の敵、傀儡の親玉を倒し、世界を救うことです。その過程で得た力は元の世界に帰ったあとでも使うことができます。」
「世界を救う…?でもそんな力なんて俺にはないし出来るわけないだろ!それに向こうの世界で得た力って言ったってそんな都合よく力なんて宿るわけないだろ!」
「あなたの思いが強ければきっとうまくいきます。それでは。あなたの幸運を期待しています。」
そう神が言うとまたあの時のように明るく輝き出す。
「ちょっと待てよ!まだ聞きたいことが…!」
またまた桃也はその光に耐えることができず気絶してしまった。
そして…
「〜〜て!〜きて!起きてってば!」
知らない女の声が聞こえる。
ここから赤城桃也が姉を助けるために、この世界を救う物語が始まる。
読んでいただきありがとうございます。
基本的に書け次第の不定期更新なのでよろしくお願いします。




