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第十話

初めにすみません。

第八話の内容に一部おかしいと感じられる場所があったため、修整させてもらいました。

なので話に少し変更点が生まれてしまいましたので、第八話を読み直してからこの話を読むことをおすすめします。

長くなりましたが、この物語を何卒よろしくお願いします。

『WINNER 赤城桃也』


「勝った……勝った勝った!!雷!赤城勝ったよ!」


 不知火が声を上げて喜び、棘野に抱きつく。


「わっ!ちょ、ちょっと不知火!苦しいって!」


「だって!絶対負けちゃうと思ってたんだもん!」


「まあ、あたしも勝てるとは思ってなかったけどね……」


「えっ!? 雷もそう思ってたの!?」


「だってそもそもの相性が悪かったし。それに、逆瀬の『受傷蓄積《リベンジ》』は、攻撃を受ければ受けるほどパワーが強くなる能力だからね。」


 棘野はそう言いながら、赤城を見つめる。

 すると狐白がその話に割って入ってきた。


「でも、赤城は勝った。多分だけど、逆瀬の攻撃を受けて、行動をみて、そこからギフトの正体にたどり着いたんだと思う。あの短い時間でたどり着く観察眼…私も見習わなくては。」


 不知火が赤城を見る。

 その時赤城は、倒れた逆瀬をみていた。


 勝った。


 その事実を実感した時、赤城は体の力が急激に抜けていく。


 後少し長引いていたら、倒れていたのは俺だったかもな…


 すると赤城と逆瀬のもとに堺と、白衣を着た女性が近づいてきた。


「お〜結構バチバチにやりあってたね〜。よいしょっと」


 その女性が赤城に手をかざすと、体のあちこちにあった痣や傷口がふさがっていき、最終的には試合前と同じ程に赤城の体は回復していた。


「体の傷が…!?あんた一体…」


「私は命治癒生《めいじゆう》。この学校の養護教諭さ。」


「ヨウゴキョウユ?なんですか、それ?」


「まぁ保健室の先生ってところさ。こっちの子もひどい怪我だね〜」


 そう言ってが逆瀬のもとに近づき、手をかざすと赤城と同じように傷がなおっていく。


 命治のギフトは『治癒者《ヒーラー》』。触れたものの自己治癒能力を活性化させるギフト。しかし、なくなってしまった部分と死んでしまったものは治すことができない。例えば、腕を切断されたとき、なくなった腕以外は治すことができるが、なくなった腕は治すことはできない。


「よし!これでこの子の体も直ったよ。」


「では赤城くん、逆瀬くん…はまだ意識は戻っていませんか。では逆瀬くんは私が運びます。赤城くんはそこから観戦席に戻ってください。」


 逆瀬の傷が直ったことを確認し、堺は気絶した逆瀬を観戦席まで運んだ。それと一緒に赤城も観戦席に向かった。


 赤城が観戦席に戻ると、不知火と棘野が赤城に声をかけた。


「赤城〜!お疲れ!すごかったよ!」


「ほんとほんと。あたし達も負けてられないわ!」


「ありがとう…で、狐白は一体どこに…?」


 赤城がそう聞くと、不知火がモニターのほうを見、指を指す。そのモニターには狐白の名前が。


「ほらモニターみな?この試合は雪が出るんだよ?」


 俺以外のもう一人の編入生…朝じゃよくわからなかった実力、しっかり目に焼き付けてやる!


「第2試合開始!」


 堺の声で試合が始まる。


「狐面憑依《こめんひょうい》・白狐(びゃっこ)。」


「絶対零度。」


 面をつけて右腕を振り上げ、絶対零度を使った瞬間、8メートルほどの範囲に観戦席に届く高さの氷塊が生まれ、対戦相手を氷漬けにした。


 は?一瞬でこんな氷塊を…?すげぇ…これが狐白の、いや、編入生の実力なのか…!


「すまない。少しやりすぎてしまった。まだうまく力の制御ができなくて。」


 すると観戦席からおおきな歓声が上がる。


「なんだよあいつ!」

「一瞬で勝負つけちまった!」

「編入生ヤバすぎ!」


 命治が氷漬けにされた生徒に声をかける。


「大丈夫そ〜?生きてますか〜」


 何人かで急いで氷を砕きその生徒を解放する。

 命治はその生徒の怪我の部分を治した。


「まだ痛いところとかある?またあとで痛いところあるな〜とか思ったら保健室にきてね。」


 命治は笑顔でそういう。


 その時、モニターの文字がかわり、次の対戦カードが出た。そこには、


「次はあたしか!いっちょボッコボコにしてくるわ!」


 そういうと、棘野は赤城たちと別れ、戦場に向かっていく。


「そう言えば棘野って朝の話では今日討傀隊に仮で入ったっぽいよな?実力はどれくらいなんだ?」


 赤城がそう聞くと、不知火がドヤ顔をしながら赤城にいう。


「棘野は努力の化身なんだよ!ギフトを努力で強くして、やっと仮入隊できたの!」


「なるほど。じゃあこの試合は安心だな。てか俺たち以外に仮入隊してる奴っているのか?」


「たしか逆瀬と、後二人くらいいるかな?」


「えっ!?このクラス40人だよな!?」


「第三試合開始!」


 そうこうしていると、棘野の試合が始まった。


「先手必勝ォッ!」


「遅いわ!」


 相手が棘野に飛びつくが、棘野はそれを楽々かわす。

 棘野はすぐさま距離を取る。


「雷閃《らいせん》!!」


 離れた位置から雷閃を繰り出す。

 相手はなんとかそれに反応されてかわす。

 しかし、


「!?」


 正面をみると、そこには棘野が。


「雷脚回撃《らいきゃくかいげき》!!」


 棘野は、雷をまとった足で回転蹴りを繰り出す。

 その攻撃は相手にクリーンヒットし、相手を吹っ飛ばした。


『WINNER 棘野雷』


 それによって相手が気絶したことで、棘野の勝利が決まった。


「ほらね!棘野、強かったでしょ?」


「お、おう。」


 確かに凄かった。でもあのスピードは何だ?雷閃を打ち、かわした相手の隙に攻撃を入れた。そんなになかったはずの隙を突くことのできたスピード…あれは一体どういう仕組みなんだ…?


 それからしばらくたち、試合は残り一つのところまできていた。


『最終戦 不知火陽VS鉄崎鋼《てつざきこう》』


「最終戦は不知火と鉄崎だね。相性あんまり良くないけど大丈夫かな?」


「そうなのか?てか鉄崎ってやつは強えのか?」


 狐白が答える。


「私たちと同じで仮入隊してる男と聞いている。弱い、なんてことはないだろうな。」


 不利な相手に対して不知火はどう戦うんだろう…?


「それでは最終戦、試合開始!」


「火弾《かだん》!」


 試合が始まると同時に、不知火が火弾を使い鉄崎に攻撃を仕掛ける。

 しかしその攻撃は鉄崎が生み出した壁によって防がれてしまった。


 彼のギフトは『製鉄』。右手と左手を点ととり、その範囲に鉄で壁を作る。四角形や円形、さまざまなカタチでつくることができるギフトだ。


「知ってるか?お前のそんな炎じゃ鉄ってのは溶けないんだぜ?」


 その発言を聞き、赤城は何故不知火が不利なのかを理解した。


 そうか!鉄の融点はだいたい1500℃!あの赤い炎は500℃くらい…だから鉄を溶かすことはできないってことか…不知火、ここからどうするんだ…?


 壁を盾にし、不知火に突っ込んでくる。


「食らえ!」


「紅蓮爆流破《ぐれんばくりゅうは》!!」


 そのまま不知火にぶつかる瞬間、不知火は紅蓮爆流破を使った。その勢いで少し鉄崎は後ろに仰け反るが止まらず向かっていく。


「ねぇ知ってる?」


 すると不知火がポケットから何かを取り出し、炎の中に投げ入れた。


「火っていうのはね」


 炎が爆発的に大きくなり、青色に変わる。


「酸素を入れると温度が上がるんだよ?そして…」


「なっなんだ!?鉄が…!」


鉄崎が気づいた頃には、盾にしていた鉄が溶け始めていた。


「青い炎は、1600℃以上の温度をもつ。つまり、あなたの鉄だって溶かせるんだよ?」


「うわぁぁぁっ!」


鉄の壁が溶けてなくなってしまったため、鉄崎は不知火の攻撃に飲まれてしまった。


不知火が紅蓮爆流破を止めた時には、鉄崎は気絶していた。


『WINNER 不知火陽』


モニターの文字が変わり、それと同時に歓声が上がる。


なるほど…不知火が投げ入れたのは酸素ボンベってところかな?酸素を送ることで炎を大きく、温度を高くしたんだ。


ギフトの才能、努力、工夫…これができるやつらを超えて行かなきゃ、討傀隊には入れない…!

これからもあいつらを超せるように頑張ろう…!そんで、討傀隊に入って傀儡のボスを倒して、元の世界に帰れるように、姉ちゃんを助けるためにな…!

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